伝統建築を見るだけでなく、お買い物をしたりお茶を楽しんだり。寺内町は、カフェや雑貨店、工房などのお店が増え、街歩きが楽しくなっています。

この界隈が今よりずっと静かだった2010年11月のこと。寺内町での古民家店のさきがけのひとつとして開業されたのが、まめてんカフェさんです。

ひとりで切り盛りされているまめてんカフェさんに伺ったところ、この寺内町を選んだのは、もともと古い町並みが好きだったことから。自宅から通える範囲で雰囲気のある場所を探していて、この地にたどりついたのだそうです。

栄養士などを経て、自分の好きなことを仕事にしたいと、パン作りの道に進んだというまめてんカフェさん。また、手間暇かかるのに自家製自然酵母を使ったパンを焼こうと思ったのは、それが味わい深くしみじみと美味しいと感じられたからなんだそうです。

わざわざ来て下さるお客さまに、その美味しい自然酵母のパンを召し上がっていただきたいという思いがそこには。

玄関の引き戸を開けると、すぐ目の前に美味しそうなパン、スィーツたちがずらり。どれを選ぶか、楽しい迷いの時間です。まめてんカフェさんが陳列台の向こうから「ゆっくり考えてくださいね」とお声掛けをしてくださいました。

「特別に派手なものやキャッチーさはないけれど、素朴でシンプルなものづくりをしたい」と話すまめてんカフェさん。

「どれがいちばん人気なんですか？」という私の質問に、「お好みが分かれますが、ドーナツですかねぇ」とのこと。それは購入リストに入れなくっちゃ。

そうして、迷いに迷って買い求めたおいしいものたち。パン作りに欠かせない自然酵母は、グリーンレーズンとライ麦の2種類を使用。それ以外にも、こだわり抜いた食材で作られているのが、まめてんカフェさんの特徴です。

ベースとなる小麦は、国産品、ライ麦は国産もしくはアメリカ産オーガニック。油脂は、バター、米油、菜種油など。白砂糖は使わず、甜菜糖、黒糖、粗製糖で。

ともすれば、原価が高くなるものばかりですが、食べるお客さまの身体のことを考えて、なるべく無農薬や地場産の食材を使っているそうです。

ひよこ豆のカレーホットサンド。中に詰めている具材も、添加物を含まないようにとの心使いから、すべて手作りなんだそうです。なので、営業日は毎朝3時に起きて仕込みをされているのだとか。朝が早いのがパン屋さんの宿命とはいえ、頭が下がります。

まめてんカフェさんの代表的人気メニューのひとつ、玄米ごはんキッシュ。バターと全粒粉入りのパイ生地が土台。

ひじき、大豆、にんじん、干ししいたけ、薄揚げが入った黒米入り無農薬玄米ごはんがパイ生地の上に載せられ、上にチーズがたらりとかけられています。洋風おにぎりといった感じで、ボリュームいっぱいの1品でした。

クリームチーズと季節のものを挟んだパン。旬のものを使って手作りでジャムやペーストを作って挟んでいるので、その時々で挟むものが変わるそうです。

国産レモンで作られたレモンピールを年明けに作るので、レモンピール入りはその時期にしか作られないのだとか。今日は何があるんだろうというのも、通う楽しみのひとつですね。

今回、私はお持ち帰りしましたが、もし奥のお部屋に他のお客様さまがいらっしゃらなかったら、座敷で食べることもできます。まめてんカフェさんこだわりチョイスのコーヒーは、ホットコーヒー450円、アイスコーヒー500円です。

富田林もいよいよ栗のシーズン。まめてんカフェさんは休日返上で栗の渋皮煮を作っているんだそうです。できあがったものを12月まで寝かせて、自家製の柚子ピール・いろんなドライフルーツなどと一緒に、シュトレーンの中に入れて焼いているのだとか。

「他では食べられない自然酵母のシュトレーンです」とまめてんカフェさん。発売になる12月が楽しみです。

mameten_cafe（まめてんカフェ）
住所：大阪府富田林市富田林町17-45
電話番号：090-8366-5144
営業時間：12時～17時
定休日：月・火・水
アクセス：近鉄富田林西口駅から徒歩10分
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