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【河内長野市】駅から徒歩30分で秘境を堪能!スニーカーで気軽に楽しめる、流谷集落で秋の半日ハイキング

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

大阪府の中では奥河内という呼び名があるように、イメージ的に少し秘境感のある河内長野。市内でも秘境として取り上げられることが多いのが、石見川(いしみがわ)地域です。しかし、石見川地域はバスしかなく、しかも本数が限られているのが実情。

ところが、南海電車の天見駅から歩いて30分以内でたどり着く流谷地区は、比較的気軽に行ける秘境感があります。舗装されているのでスニーカーでも到達可能。気軽に秘境の雰囲気が味わえる流谷集落を紹介しましょう。

地図で見ると、流谷集落はこのようになっています。これはYahooのトップから「河内長野 流谷」と入力すると表示される集落の範囲。さらに住所を確認すると、このピンクで囲まれた流谷集落を覆うように天見地区が広がっていました。

そして流谷集落の地図を改めてみると、南海天見駅から東側にあるのが分かります。そしておもしろいのは途中にある石清水八幡宮別宮 八幡神社の存在。ここは一般的な通称として流谷八幡と呼ばれています。しかし実際には集落の大きく手前に存在。住所は天見です。

さて、実際に流谷地区に行ってみました。南海天見駅から南方向に歩き、高野街道のある出会いの辻から天見川の支流・流谷川に続く道を歩きます。そのまま流谷八幡宮方向に歩いてください。途中八幡宮にかかる赤い橋がありますが、今回はあえてそれを飛ばして、坂を上ります。

道はこのように舗装されているので、集落に行くだけならスニーカーで十分です。ときおり車が通行するので、それだけは注意してください。緩やかな坂を上っていけば、山里の雰囲気が目に優しく飛び込んできます。そして目指す秘境の集落まであと一息。

河内長野は、大阪府の中でも林業が盛んで「おおさか河内材(外部リンク)」というブランドがあります。そういった木が、こうして伐採されているのが分かります。そしてある程度坂を上りきったところで、ようやく流谷集落に到着しました。

このような看板がありました。この集落は、実は見どころもけっこうあるのです。

一説には隠れキリシタンの里ともいわれた流谷集落ですが、いちばん上に書いてある石造十三仏は、イエスキリストとそのと弟子たち(12使徒)を表しているのではという説があるほど。

今回、もっとも気になったのがこちら、流谷金剛童子でした。この下に葛城第十六番経塚とありますが、実はこれは日本遺産に登録された「葛城修験」(外部リンク)の修行の場のひとつです。

修験道といえば、ほら貝を片手にした山伏姿の行者が険しい山の中で修行をするところ。ところが葛城修験道は、現在も女人禁制の場所がある奈良の大峰修験道と比べて、比較的人里の近くだと、以前日本遺産のセミナーで聞いていたのです。

そして流谷にその拠点があると聞いて「これは行けるかも」と思って、流谷まで来ました。そしてこの矢印の方に向かいます。

このように道しるべに従って山道を入っていきましたが、人が踏みこんでいる道とはいえ、半分けもの道にも見えました。途中で道を間違えたり、スニーカーだったので足元が滑ったりという状況。残念ながら途中で断念しました。

いくら大峰修験道と比べて人里に近いと言われた葛城修験道だといっても、修験道の修行場です。舐めていた私が悪かったと反省しました。

タイトルで流谷集落はスニーカーでも行けますと書いてしまいましたが、もしこの先の葛城修験の葛城二十八宿第十六経塚に行くのなら、それは論外。山登りなどに慣れていない人は、登山靴のようなものが必修です。

葛城修験は失敗しましたが、もう少し流谷集落を上ってみると画像のような場所に出てきました。ここは梅の一種である蝋梅の里(ろうばいのさと)というところ。

また山茱萸(さんしゅゆ:ハルコガネバナ)の里と言うのもありました。ところでこの辺りが花の名所となったのは、今から四半世紀前に砂防工事を行ったときにさかのぼります。その際に地主の方が植えたとか。

そのため、今では知る人ぞ知る花の名所となっています。2月までは蝋梅、3月に山茱萸が見られるとか。あと南天も美しいのだそうです。その時期にもう一度行って、花々を愛でようと思いました。

さて画像の建物が、流谷観音堂です。目の前の道を歩くと観音堂の前に行けるようなのですが、なぜか手前が封鎖されています。(後でわかりましたがその封鎖の理由は、どうやらイノシシの侵入を防ぐものだったようです)

さてこの先にも道が続いていますが、この先は流谷から天見になり、その先をさらに歩けば岩湧寺に抜けられるそうです。今回は、ここから天見駅に引き返しました。

帰り際に見つけました。これはイノシシ(タヌキ?)の罠のようです。道は舗装されているとはいえ、流谷集落には野生動物がすぐ間近にいることの証拠ですね。

ということで、電車の最寄り駅から気軽に行ける秘境・流谷集落は、半日で回れるショートトリップとしてお勧めです。

流谷集落
住所:大阪府河内長野市流谷 
アクセス:南海天見駅から徒歩30分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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