【河内長野市】11月下旬からが本番!延命寺の紅葉が色づき始めました。今週末行われるイベントもご紹介
いよいよ紅葉の季節となり、木々が色づき始めました。市内の紅葉といえば、最初に思い出されるのが、延命寺(えんめいじ)です。市外の人々にも紅葉の名刹(めいさつ=古くからある有名な寺)としてその名が知られ、大阪みどりの百選にも選ばれているほど。
有名な理由は、夕照(ゆうばえ)もみじの存在。樹齢が800年から1000年といわれ、大阪府指定天然記念物に指定されています。しかし、それ以外にもたくさんの紅葉が境内を覆っており、目を潤してくれます。
「延命寺の紅葉山」として新河内長野八景にも選ばれています。昨日(11月10日)、延命寺の紅葉の様子を見てきました。紅葉のピークは11月下旬ごろなので、まだまだこれからですが、それでも紅葉が色づき始めており、まだ緑の葉とのグラデーションがとても美しかったです。
また延命寺の境内とその背後の山は、長野公園の奥河内もみじ公園(延命寺地区)とされ、階段を上ると蓮池があります。蓮池のあたりの紅葉はこれからですが、ここには大きなイチョウの大木があり、黄色いイチョウの落ち葉が、一面に広がっていました。
さて紅葉の画像を紹介しながら延命寺についておさらいしましょう。
延命寺は真言宗御室派の仏教寺院で、山号は薬樹山(やくじゅさん)。創建は平安時代初期の弘仁年間(810 ~ 824年)です。
伝承によれば空海がこの延命寺のある場所に来たときのこと。薬樹系草(薬草)が多く、霊水の湧出するのを見ました。「ここは仏教の教えが広まる場所に違いない」と考えた空海は、この場所で地蔵の石仏を刻みました。それを本尊としたのが始まりです。
しかし創建当時の名前は延命寺とは違ったようで、当時の名前についての記録は残っていません。現在の「薬樹山延命寺」と名付けたのは、江戸時代の1639(寛永16)年に、寺の近くで生まれた浄厳(じょうごん)という人です。
浄厳は江戸の仏教界では改革者とされ、古い仏教の研究を行ったのち、新安祥寺(しんあんしょうじりゅう)流と呼ばれる新しい仏教学問の流派を作った人です。関西はもちろん、関東にもその名前が知られていました。
ときの将軍・徳川綱吉を始め、側用人の柳沢吉保(やなぎさわよしやす)など、幕府に連なる諸大名が、帰依(きえ=信仰をする)ほどの人物だったそうです。幕府の援助を受け、江戸湯島に幕府の祈願所として霊雲寺(れいうんじ)を建立しています。
そして西の拠点として、故郷でもある延命寺で活動を行い、延宝5年(1677年)には、京都・仁和寺からの命令により、薬樹山延命寺に寺号を改めます。そして本尊も、如意輪観音(にょいりんかんのん)に改められました。
以降の延命寺歴代住職は、学問としての仏教を研究している人を多く輩出しているそうです。
そんな延命寺では、紅葉のほかにも行事やイベントを行っています。毎週日曜日の朝7時からは日曜瞑想会を開催。
そして今週末13日土曜日には「秋の集い、延命寺プチマルシェ」が行われます。美しい紅葉を愛でながら、延命寺のイベントや行事に参加してみるのも楽しいのではないでしょうか。
薬樹山延命寺
住所:大阪府河内長野市神ガ丘492
電話番号:0721-62-2261
拝観料:無料
寺務所営業時間:9:00~17:00
アクセス:南海美加の台駅からバス。延命寺口バス停下車 徒歩15分