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【河内長野市】新酒ができる合図!天野酒が例年作っている杉玉を、今年も24日まで酒蔵の前で並べています

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

天野酒(西條合資会社)さんでは、今年も杉玉を作られました。そして11月24日(水曜日)に新酒が出来上がるので、昼ごろまで酒蔵の前に出来上がった杉玉がつりさげられてあります。

河内長野駅から高野街道を歩いた先にある酒蔵通り、ここは昔ながらの町並みが残り、酒蔵の建物と石畳がとても良い雰囲気を出している空間。今はこれに加えて緑の大きな杉玉が、酒蔵の晩秋の風景を表しています。

さて、酒蔵などの玄関前に吊り下げられている杉玉とは何か、ご存じでしょうか?

杉玉とは杉の葉(穂先)の部分を集めてボール状にしたもの。ではなぜ酒蔵に必要かといえば、緑の杉玉を酒蔵の軒先に吊るすことで、「酒の搾りを始めました」つまり新酒ができたことを表しています。

ちなみに杉玉の発祥は、奈良県桜井市にある酒の神を祀る大神神社からです。神社では毎年11月14日に「おいしいお酒ができるように」と祈願するために杉玉を飾っていました。

大神神社の御神体である三輪山周辺は、杉が多く自生しているということで、その杉を使ったと考えられます。その風習が、江戸時代の初めごろから全国の酒蔵に広がっていきました。

画像提供:天野酒さん
画像提供:天野酒さん

さて杉玉の作り方ですが、画像のように、芯となる金属が中心にあります。この芯は天野酒さんによると、溶接して形を作るとか。そして芯に対して、杉の葉を下の方から順番に差し込んでいき固定していきます。

画像提供:天野酒さん
画像提供:天野酒さん

上まですべて差してから、球状になるようにきれいに切りそろえて完成です。

この杉玉作りは、木根館さん(外部リンク)が事前に杉玉ワークショップと杉玉サポーターを募集。その応募者さんたちの手によって作られたとのこと。ただ今年は、例年と比べて採取する杉葉が取りにくくい場所にあり、例年40個作るところ、28個の完成となったそうです。

出来上がった杉玉は、天野酒の玄関のほか、高野街道に面した他の家に配って吊るすそうです。ただいつもの7割しか新しい杉玉が作れなかったので、表から見えにくい場所に関しては、去年のもののままだそうです。

さらに夜になると、酒蔵通りの両端からライトが自動的に灯るので、昼間とはまた違った幻想的な雰囲気になるとのこと。ということで、さっそく夜に、再度天野酒さんに立ち寄ってみました。

確かに、明るいときとは違った幻想的な雰囲気。この時期にしか見られない光景です。

新しい杉玉は24日昼まで並べられているそうなので、ぜひ天野酒さんに、美しい緑色をした杉玉を見に行ってみましょう。

天野酒(西條合資会社)(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市長野町12-18
電話:0721-55-1101
営業時間:10:00~17:00
定休日:1月1日
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩5分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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