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【富田林市】滝谷不動駅前にある不思議空間「FUDOUKAGURA」。本日9日によいよいマルシェを開催

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

近鉄長野線滝谷不動駅近くにあるものといえば、答えるまでもなく瀧谷不動尊(明王寺)でしょう。また駅の副名称が「大阪大谷大学前」。つまり「大大大」こと大阪大谷大学が近くにあります。

しかし、それとは別に、いつも滝谷不動駅に到着すると気になっていたもの。それは河内長野方面から近鉄長野線に乗って駅に到着する直前に見える画像の存在です。赤い板に縦書きで白い文字が書かれており、さらに左横には「FUDOU」という文字が見えますね。

「いったいこの建物は何だろう。骨董品を扱っているお店だろうか?」電車で通過するたびにずっと考えていた疑問です。

ある日、滝谷不動駅で下車して建物を眺めました。「綾なる錦織の里」というタイトルで、この錦織地区への強い想いが、達筆でつづられています。

ひさしに「FUDOUKAGURA」という文字があります。数ヵ月前に駅を降りて建物の前まで行ったりもしましたが、そのときは閉まっていました。

とても気になったので、WEBで調べてみると、定期的にこだわったイベントやライブなどをする場所だとわかりました。とはいえコロナ禍などがあり、長らくイベントは行われていないようです。

ところが12月の初めのこと、このFDOUKAGURAさんで久しぶりにイベントが行われるという情報を、ある方からいただきました。

そのイベント名はよいよいマルシェ(外部リンク)」。12月8・9日の2日間、10:00~17:00まで行われるとのことで、「これはぜひとも」と、昨日8日に行って来ました。

駅のすぐ近くですが、行き方が少しわかりにくいかもしれません。滝谷不動駅からは、河内長野よりにある踏切を渡ります。

踏切を渡ると、すぐの細い道を左に曲がります。目の前に駐車場があるのでそれが目印です。

そして左側の建物と建物の間に小さな路地があります。ここを左に曲がってください。

そしてここが入り口です。少し勇気がいりましたが、ドアを開けると、中の人が温かく迎え入れてくれました。

独特の雰囲気に私も最初は緊張しましたが、勇気をもって取材を申し入れるとFUDOUKAGURAのオーナーで、今回のよいよいマルシェの主催者である、フラクタル•アルケミーの馬爾(ばじ)さんこと桐畑良之助さんからお話をお伺いできました。

馬爾さんこと桐畑良之助さん
馬爾さんこと桐畑良之助さん

大阪狭山市在住の桐畑さんの本業はボディーワークで、その前はスポーツ選手だったそうです。

その仕事をしている傍ら、体を整えるためには患部の問題点、身体的なこと、精神的なことの両面で原因を追及する必要があることから、やがて自分の体は自分で知らないといけないことに気づきます。

やがて、滝谷不動駅前に戦前から存在した木造のみかん倉庫を譲り受ける機会が生まれます。そしてこの場所で人間の本来の力である魂の記憶を蘇らせられるような、何かができないかと考えられたとか。

そして行き当たったのが、この倉庫だった場所でもある錦織からの歴史でした。「住んでいる人も、過去の歴史を知らない人が増えてきている」という桐畑さん。

楠木正成のことをはじめ、千早神社のこと。昭和11年、北陸にある白山神社と平泉の当主である平泉先生から千早神社に建物を作れと指示があり、550段もの階段のある神社に、水戸から8トンの石を運んだというエピソードなどを熱く語ってくださいました。

昭和11年に千早の人々が頑張った一部始終が書かれています
昭和11年に千早の人々が頑張った一部始終が書かれています

このほかそういう重要な歴史のエピソードを伝え継ごうという活動も行っており、その一例が11月に伊豆の国市にて行われた「伊豆の国造り物語」です。

伊豆の国は戦国時代に、天下統一を狙う豊臣秀吉に最後まで抵抗をした後北条氏(ごほうじょうし)が支配していました。

昔ながらの炭を使った暖房が、土間に
昔ながらの炭を使った暖房が、土間に

後北条氏の子孫は生き延びて、江戸時代から明治維新まで続いた狭山藩(現:大阪狭山市)の藩主でした。なるほど、現在、大阪狭山市に在住されている桐畑さんの想いが強かった理由が少しわかった気がしました。

また鎌倉時代の北条氏の活躍が見られる、2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(外部リンク)で取り上げられることも、歴史を知っていただくうえでとてもタイミングが良いと言われていました。

そんな桐畑さんの強い思いに共鳴した人たちが、FUDOUKAGURAさんの元に集まっていろんなイベントを開催していました。

今、各地で自主上映会が開かれている話題の映画人生フルーツ(外部リンク)」を、4年前に関西で最初に上映したのも、このFUDOUKAGURAさんが初めてとのこと。

コロナ禍などの理由で、2年程この場所でのイベント活動が停止していましたが、この12月8・9日に久しぶりにイベントを復活。本日9日は、4年前に上映した「人生フルーツ」の上映会と座談会が13:30より行われます。

まだチケットの空きがあるとのことなので、興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。

この座敷部分で、映画鑑賞やワークショップが行われます。ちなみに取材した8日は、別のトークショーが行われていました。

9日には、映画上映会のほか、発酵生七味作り(村本ひろみさん)のワークショップが、11:00から12:00まで(参加費¥3000)行われます。

またイベントとは別に販売コーナーがあります。8日の取材時は、つきたてお餅を販売していました。さて映画に加えて行われるマルシェ。9日の出店者を紹介します。

  • SHUNJIROランチ(素材の味を絶妙に生かした料理)Cafe BrasserieSHUNJIROさん/大阪狭山市大野台 
  • 自家焙煎珈琲(一杯ずつ丁寧に入れるこだわりの自家焙煎珈琲)コーヒとお菓子のお店つむるさん/富田林市甘南備 
  • 結弁当とおむすび(無農薬のお米を焚き上げた手作り弁当) Organic畑Kitchen結さん/堺市南区
  • 体の履歴を探る(10分1000円で健康状態をチェック) 馬爾(ばじ)さん 

いずれも、身体に優しく美味しいと評判の南河内の人気店。それがここ1ヶ所で楽しめることも、実にうれしいイベントです。このほかにも生ニンジンジュースやベンガラ染商品などの販売があります。

「実は外も使えるんですよ」と桐畑さんは建物の外も案内してくれました。奥に畑や作業場があり、駅のそばとは思えないほど気持ちの良い空間が広がっています。

「近所の人たちが気軽に利用できる場所にしたい。また来年、ここに自分たちの手でアースハウスという小屋を建てる予定です」

お話を伺っているだけで、魂が揺さぶられる桐畑さんの熱い想い。FUDOUKAGURAは、単なるイベントスペースで終わるのではなく、自分自身の精神や体と向き合うきっかけを教えてくれる場所でした。

FUDOUKAGURA(不動神楽)(外部リンク)
住所:大阪府富田林市錦織東2丁目16-11
開催時間:10:00~17:00 
アクセス:近鉄滝谷不動駅から徒歩1分
Facebook(フラクタルアルケミー)(外部リンク)

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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