【富田林市】西板持「魚よし」の海老芋5000円コース!名物の地産地消でおいしくいただきました。
富田林市の名産・海老芋は年末年始に向かう今が旬。ところで、先日西板持にある海老芋畑の農家さんに食べられるお店のお話を聞くと「富田林なら、この近くの魚よしさんで海老芋コースを出してくれる」とのこと。
そういわれたので海老芋畑から佐備川を遡るように歩き、魚よしさんにお昼ご飯を食べに行きました。
おいしいランチを頂きましたが、このときには海老芋は出てきませんでした。話を聞けば「海老芋の会席コースをやっている」とのこと。5000円の海老芋尽くしなんだそうです。
そして日を改めて、魚よしさんに5000円の海老芋会席コースの予約を入れました。富田林産の海老芋を富田林で味わおうというもの。
ちなみに画像は1回目の訪問時のものだったので昼間でしたが、2回目の海老芋コースの予約は、夜にしました。
さて、当日の海老芋コースで出て来たお料理を、順を追ってご紹介します。
最初に登場したのは、棒ダラと海老芋を炊いたものです。これは京都の料亭、平野家本家の名物料理「いもぼう」と同じ料理。何を隠そう「海老芋」という名前を付けたのが、この平野家本家の創業者・平野権太夫と伝わりますから、海老芋料理の代表ともいえます。
ただし、「いもぼう」を名乗れるのが、この平野家本家だけ。ネーミングを登録商標しているので、この料理をそう呼ぶことはできません。
それはともかく、実際に食べてみると、海老芋も棒ダラも、程よい柔らかさ。そして味がしっかりと染みていて、棒ダラと海老芋との相性がさすがだと思いました。
次に甘鯛の焼物です。よく見ると、甘鯛の下にペーストにした海老芋が敷かれています。これをその下に包んでいる青シソ(大葉)と一緒に食べると、口の中が爽やかになり、3つの異なる食べ物の調和が見事に取れていました。
次の料理は、魚よしさん独特の創作料理。これは、芋を素麺仕立てにしたもの。
葱、椎茸と錦糸卵、そして細切りにして麺状になっている海老芋を、つゆと薬味のわさびと一緒に食べます。
固めに茹でた海老芋のしゃくしゃくした食感と、甘めに煮た椎茸や錦糸卵らとの相性が良く、さらにつゆと合わせると、あたかもそうめんを食べている錯覚に陥るから不思議です。
こちらは4番目の料理で、海老芋饅頭。柔らかく練られた海老芋饅頭を、白味噌と白胡麻で作られたソースにからめていただきます。上に載っているのは、茹でたさやえんどうと甘酢生姜の千切りで、食感や少しの酸味がちょうど良いアクセントになっていました。
こちらは、下煮した孫芋を素揚げにしたもの。外はカリカリに揚げられており、口に含むと塩味を感じながらも、海老芋特有の粘りや甘みが絶品でした。
こちらは茶碗蒸しですが、中にサイコロ状の小さな海老芋が入っています。そしてキノコが見えますが、これはなんと松茸!今年はもう食べることがないと思っていた松茸に、ここで出会えました。
他にも、茶わん蒸しの定番、百合根、海老、白身魚が入っていました。
松茸の香りを嗅ぎながら、中に入っている海老芋を食べると、モッちりとした食感が、まるでお餅のようでした。
これは意外なものが登場しました。海老芋グラタンです。海老芋はおそらくマカロニの代わりに入っているようなイメージでしょうか。
中に、ゴロゴロと海老芋が入っています。海老芋は、チーズやホワイトソースとも相性がいいことが証明された逸品です。海老芋以外に、とろけるチーズはもちろん、良く炒めて甘みのあるたまねぎ、百合根が入っていました。
今度は対照的に、海老芋とセコ蟹の酢の物が登場。会席らしく甲羅の中に詰められています。キュウリやレンコンの後にある大きくて白い円状のものが海老芋で、もちろんしっかり酢締めしてありました。
先ほどのグラタンで少し口の中がこってりとしましたから、酢のものを食べることで口の中がスッキリとしました。
ご飯物は、炊き込みごはんかなぁと予想していたところ、なんと天丼が登場しました。海老芋天丼です。海老芋はもちろん芋で、腹もちも良い食材。
この段階でおなかがはちきれそうに膨れており、この天丼はお持ち帰りにしてもらいました。そして家で食べましたが、出来立てと変わりません。とても美味しくいただきました。
海老芋天丼と一緒に来たのは、身も心も温かくなる粕汁です。
そして、デザートもなんと海老芋でした。練りきりのような海老芋餡の上に、こしあんとずんだ(枝豆の餡)が載っています。こうして海老芋のコースを堪能しました。
食べてみて感じたこととして、海老芋はそれ自体は旨みや甘味があるものの、くせが無いため、実にさまざまな料理にアレンジできる。料理人の腕ひとつで、いろんな形や味に様変わりする食材なんだなぁと再認識しました。
ところでこの魚よしさん、カウンターには、いつも楽しそうにくつろぐお客様たちの姿がありました。初めての来店でも、お客同士ですっと話がはずむ距離感。実は今回入店して間がないときに、ある常連さんから突然話しかけられます。「あなたモチの人間か?」と。
私は餅と聞き間違えて戸惑っていると「河南?」といいます。どうやら私たちが海老芋料理ばかり食べていたので、産地である板持に住んでいるのかと思われたようです。
魚よしさんは、もちろん地元のお客さまも来店されますが、実は千早赤阪や河南のお客さまの比率がとても高いとのこと。車でそんなに時間がかからないので、みなさんわざわざここまで美味しい日本料理を目指して来店されているようです。
鰻重や寿司の巻物をお土産にする姿もありました。
私たちも、富田林名物の海老芋を心ゆくまで堪能した夜。独立する前は、城崎の温泉旅館でも腕を振るったことがあるという魚よしさん。いずれにしても舌の肥えているお客さまに愛されている店であることは確かです。
割烹・寿司魚よし
住所:大阪府富田林市西板持町7丁目11-14
電話:0721-33-2433
営業時間:11:30~21:00
定休日:水曜日
アクセス:近鉄富田林駅からバス 板持バス停から徒歩3分 近鉄川西駅から徒歩18分