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【河内長野市】冬至はゆず湯ではなく味噌?西高野街道・盛松寺で空海直伝の柚子みそが、21日限定で配布

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

2021年の冬至は12月22日。1年でいちばん夜の長いこの日は、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に浸かったりします。しかし、楠町にある盛松寺では、ゆず湯ではなく柚子みそを配る習慣があります。

盛松寺は西高野街道近くにある高野山真言宗・準別格本山の寺院。山号は仏日山(ぶつにちざん)で、寺院の創建は1772(享保7)年です。

同寺院では、終い弘法である12月21日の9:30~14:00の間、柚子味噌を限定200個配る習慣があります。

ちなみに終い弘法(しまいこうぼう)とは何かですが、弘法大師こと空海の入定日(にゅうじょうび=空海が永遠の瞑想に入っているという信仰)が3月21日。この日が事実上亡くなった日で、以降、毎月21日は弘法の日となります。

その中でも12月の弘法の日は1年最後の日なので「終い弘法」と呼んでいます。

境内にある小さな柚子の置物
境内にある小さな柚子の置物

ではなぜ盛松寺で柚子味噌を配っているのでしょうか?盛松寺が創建される前、この場所は空海が槇尾山に修行に向かう途中に昼食をとった場所と伝わります。

境内の柚子
境内の柚子

その際、疫病に苦しんでいた地元の人に「冬至に柚子味噌をつくって食すると、疫病ならない」と、その製法を教えたのが由来とか。

そしてそれが寺の創建当時からの伝統行事となっており、終い弘法21日の翌日もしくは当日が冬至と重なったのも幸いし、毎年の風物詩となりました。

現在も信徒が寺の本堂内で柚子味噌造りを行うそうです。

柚子味噌は12月21日の限定で配られますが「柚子みくじ」と「柚子絵馬」が、各500円で常時あります。

盛松寺に隣接する千代田短期大学付属幼稚園と大阪暁光高校
盛松寺に隣接する千代田短期大学付属幼稚園と大阪暁光高校

そのほか1950年に、当時の高橋道雄住職が、千代田学園(大阪千代田短期大学、大阪千代田短期大学付属幼稚園、大阪暁光高校)(外部リンク)を創立しました。

画像は今年の初夏に撮影した蓮の花
画像は今年の初夏に撮影した蓮の花

また盛松寺は初夏のころに咲く蓮でも有名です。21日、時間があればぜひ柚子味噌をもらいに行きましょう。

仏日山 盛松寺(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市楠町西1211
電話番号:0721-53-3037
開山時間:9:00~17:00
アクセス:南海千代田駅から徒歩10分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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