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【富田林市】10日程前に一般公開が再開!富田林の象徴、戦争犠牲者を慰霊するあのPLの塔を見学しました

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

世界中には残念ながら今でも紛争地帯があり、またコロナ禍も「ウイルスとの戦争」というニュアンスをする場合があります。いま日本では戦争がなく、新しい株は出てきたもののコロナも小康状態。だからこそ、今日のクリスマスも昨年よりは楽しめるような気がします。

そして富田林市内には、そんな戦争で犠牲者になった人の霊を祀る施設があります。それは、ご存じPLの塔こと超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔。

河内長野市にある寺ヶ池公園からもうっすら見えます
河内長野市にある寺ヶ池公園からもうっすら見えます

富田林市内には、ほぼどこからでも見える象徴的な塔で、白くて粘土細工が大きくなったような独特なデザイン。市外の河内長野や河南町あたりからも見えます。

河南町の持尾展望台から見える塔
河南町の持尾展望台から見える塔

この塔は、PL花火芸術やPL学園高校などで有名な、パーフェクトリバティー教団(PL教団)の建物。かつては遊園地(PLランド)があり、遊園地閉鎖後も塔については一般公開していましたが、しばらく閉鎖していたとのこと。

ところが10日ほど前から、再び塔が一般公開したと聞いたので、行ってみることにしました。

PLの塔の行き方をおさらいしましょう。最初に、市内の各方面からPL病院を目指します。PL病院のところから南側にPLの塔(教団敷地)の入口があるので、そのまま道なりに進みます。

ゲートが開いているので、車の場合はこのまま先に進めます。そして奥に駐車場があります。

私は例のごとく歩いて行きました。伝統的な神社仏閣・キリスト教会とも違う新宗教の教団施設なので、少し緊張しながら歩きます。やがて右手に見えるのは劇団カッパ座(外部リンク)の施設。

PLランドがこの地に存在したころから行われていたた等身大の人形劇は、現在も土日を中心に公演があります。

建物の前は、子供の遊び場になっていました。自動販売機などもあり、外で休憩できるように椅子やテーブルも置いてありました。

そこを過ぎると、芸生殿という建物。ここは受付にもなっています。

ここで教団関係者と思われる女性から声を掛けられたので、見学したい旨伝えると「塔の中を案内する人に連絡しておくので、そのまま階段を上がって向かってください」とのこと。

塔の手前の66段の階段を上ります。塔の公開が中断していた時に、この階段や前の広場の整備をしていたということで、ようやく整備ができたので公開を再開したのだそうです。

そして整備された階段は登りやすく、高さも急ではないので、難なく登れました。

正面左手に入口があり、中に入ると案内役の男性が待っていてくださって、PLの塔について各所を案内してくれながら、詳細を説明してくださいました。

PLの塔の正式名称は「超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔」で、あくまでも世界中の戦争で犠牲になった方々を慰霊するための塔であることを強調されていて、「2階の神殿で祈りをささげてください」と繰り返しおっしゃっていました。

以前は塔の上部まで公開されていたそうですが、現在は低層階、2階の神殿までしか公開していないそうです。

その理由として、観光施設と勘違いしている見学者が多く、本来の戦争犠牲者の慰霊の観点から離れていたことだったとか。中にはビール片手に塔に入った人もいたそうです。

これはPLに限らず、あらゆる宗教施設で、お酒を飲みながらの見学はおかしいもの。どこの宗教施設に行っても注意しないといけないことだと思いました。

PLの塔のあの印象的なデザインは、なんと御木徳近(みき とくちか)二代目教祖自らが、粘土で独特の形をした塔を作り、考案したのだそうです。この白いオブジェが、そのときに作られたPLの塔のモデルです。

その形のままを作り上げるために日建設計さんが設計を行ったのですが、設計図面を作るだけで1年以上の月日を要したそうです。そして東急建設さんが施工し、1970(昭和45)年に完成しました。

大阪万博と同じ年に完成ということ、その独創性から岡本太郎デザインと言われることもあるそうですが、これは大きな間違いです。

ちなみに塔の高さは180mもあり、完成当初は通天閣など大阪市内のどの建物よりも高かったそうです。1995(平成7)年に大阪市の南港に完成した大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)が、完成するまでは大阪府で最も高い建物だったとか。

1階部分は撮影が許されているエリアです。

大平和祈念塔の模型や勅使河原 蒼風(てしがはら そうふう)がデザインし寄贈した作品などが置いてあります。

ここからはエレベーターで上がります。かつては150メートルもの高さの塔の上まで上がれましたが、今は2階部分の神殿までしか行けません。これは教団信者も同じとのこと。

参考画像:PLの塔のパンフレットから引用
参考画像:PLの塔のパンフレットから引用

2階の神殿は撮影禁止です。神殿には全世界で戦争で亡くなった方の名前が、マイクロフィルムの形で納められているとか。

そして献金ができるようになっていて、封筒に自由な金額を入れるようになっています。もちろん強制とかではありませんが、見学料も取らずに案内して下さることもあり、心ばかりを献金されるほうがよさそうです。

塔の入り口にあったライトアップ用のもの
塔の入り口にあったライトアップ用のもの

毎年8月1日には教祖祭が行われ、この場所に世界中から3万人もの信者の方が集結されるとか。そして世界平和の祈りをささげた後、夜になると教祖祭PL花火芸術(PL花火)が打ちあがるそうです。

コロナ禍で2020年から世界の信者の方々の来日も難しくなり、2年連続で花火芸術も中止ということで、2022年はぜひ復活できればという話になりました。

3万人もの信者の方はどこに宿泊されるのか気になりましたが、どうやらPLの塔の下、参道の外のエリアにあったロッジのような建物群のようです。

柵の外から撮影しました。ここは一般の利用はできないようです。

こうして丁寧に案内役の人に教えてもらいながら、塔内部の見学とお祈りが終わりました。

階段を下り、最初の受付のところにいた人にあいさつすると「桜の咲く時期には、参道の桜や塔の前のしだれ桜がとても美しいので、その頃にまたいらしてください」と。

塔の正面にあるしだれ桜
塔の正面にあるしだれ桜

また再び、桜見学に足を運びたいなと思いました。

大平和祈念塔(PLの塔)
住所:大阪府富田林市新堂2172 
開塔時間:9:00~16:00
定休日:水曜日及び教団行事の日
アクセス:近鉄富田林駅からバス PL病院正面玄関前から徒歩12分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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