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【河内長野市】観心寺住職に伺いました!大晦日の除夜の鐘や鬼子母神餅、2022年初詣の予定を紹介します

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

クリスマスも終わって、そろそろ年末年始の行事について気になるところですね。河内長野市でも、いろんな神社仏閣で行事を行います。

実は本日28日は鬼子母神(きしぼじん/きしもじん)の日(8,18,28日)でもあります。そして鬼子母神にまつわる行事を、年末に観心寺で行われることを知りました。

そんな中、あの観心寺の永島全教住職がお忙しい中に時間を割いてくださり、観心寺で行われる様々な年末年始の行事について、お話を伺う機会に恵まれました。

画像は「非公開の求児・子宝祈願」:観心寺提供
画像は「非公開の求児・子宝祈願」:観心寺提供

最初にお話をお伺いしたのは、年末年始に行われる鬼子母神にまつわる求児(ぐうじ)・子宝祈願について。

「いつ頃から行われてきたかが、はっきりしないんです」と永島住職はおっしゃっていましたが、かなり昔から続く観心寺のたいせつな行事のひとつ。有名鉄道会社の経営者の方も祈祷を受け子宝を授かるなど、古来からご利益のあったエピソードに事欠かない行事なのです。

画像は:非公開の求児・子宝祈願:観心寺提供
画像は:非公開の求児・子宝祈願:観心寺提供

これは30日までに予約された数のお餅を31日に作り、求児・子宝祈願としてその夜に訶梨帝母天堂(かりていもてんどう)にて特別にご祈祷。そのお餅を、予約された方に1日から5日の間にお渡しし、あわせてその方自身への祈祷も行うというのが流れなんだそうです。

訶梨帝母天堂
訶梨帝母天堂

永島住職によれば、かつては9個限定にキャンセル待ちが出るほど人気だったそうですが、少子高齢化や家族関係の変化などの影響で、今はまだ余裕があるそうです。お望みの方は、30日が予約締め切りなので、早めにお電話での予約をおすすめします。

ちなみにお餅代は無料ですが、祈祷代は別途かかりますので、ご注意ください。

ここで鬼子母神(訶梨帝母天:かりていもてん)とは何かについて、おさらいしましょう。これはサンスクリット語で、ハーリーティーとよばれる神の名で、仏を守護する天部(てんぶ=仏教に帰依したインド古来の神々)です。

毘沙門天(びしゃもんてん:クベーラ)の部下であった八大夜叉大将のひとり、散支夜叉(さんしやしゃ:パーンチカ)の妻で、数多くの子を持つ母親。ところが自分の子供に栄養をつけるために、人間の子を捕らえて食べさせていました。

それを見かねた釈迦が、彼女の子どもを隠します。子どもがいなくなり狂乱した鬼子母神ですが、いくら探しても子供が見つかりません。

その結果釈迦に助けを求め、ぶじに子どもは戻ってきます。以降、鬼子母神は、仏法の守護神、安産、子授け、子育ての神となったそうです。

その鬼子母神を祀っているのが、観心寺境内にある訶梨帝母天堂(かりていもてんどう)です。現在の建物は室町時代の1549年に建てられ、国の重要文化財に指定されています。

求児子宝祈願、鬼子母神餅は、31日の夜にここでご祈祷されます。

また、訶梨帝母天堂のそばに咲く「わびすけ(ピンクの椿)」の木は、日本で2番目に大きいとか。観心寺に行ったら、ぜひどこにあるのか探してくださいね。

鐘楼
鐘楼

次に、12月31日といえば除夜の鐘。鬼子母神の餅の祈願(非公開行事)のあと、23時30分から1時間の予定で除夜の鐘がスタートします。除夜の鐘は、中国から入ってきた風習で、一般的には煩悩の数と呼ばれている108回、鐘をつくもの。

しかし本当の理由は諸説あるため明確にはわかりません。

撮影のために授与品を出してくださいました
撮影のために授与品を出してくださいました

観心寺では、参拝の方先着108名に、厄除けのしゃもじが授与されます。さらに600名に厄除けのかやの実、3000人にお箸、5000人に七福神のお札が授与されるそうです。

こうして新年を迎えるわけですが、1時でいったん諸行事が終わり静かになります。授与品の対応もここでいったん終了。朝9時から再び授与品の対応が再開されます。

以降正月三が日の観心寺の予定です。

授与品の対応 元旦:9:00~18:00、 2日・3日:9:00~17:00
御祈祷:元旦から5日まで 10:00~16:00

ちなみにご祈祷料は5000円・10000円とのことです。

画像は:七日堂修正会:観心寺提供
画像は:七日堂修正会:観心寺提供

さらに1月7日の11時から、一年の安全祈願のため、七日堂修正会が金堂で行われます。これは河内地域にある15人の真言宗寺院の僧侶が一堂に会して行われる行事なんだそうです。

市内の天野山金剛寺や延命寺、あるいは富田林の瀧谷不動尊明王寺、河南町の弘川寺などの名刹の住職たちが観心寺に集まり、全員でご祈祷をするというのですから、凄いと言わざるおえません。

河南町にある弘川寺
河南町にある弘川寺

そして、なんとその様子の見学は自由なんだそうです!「実はみんな仲がいいんですよ」と、永島住職が笑顔で答えてくださったのが印象的でした。

なお観心寺さんは、1月1日から7日までは入山料が無料。ただし正月三が日に限り、駐車料500円がかかります。

最後に永島住職から祈る際の心得のようなことを教えていただきました。

「お祈りをするとき、必死に神仏にすがるのではなく、力を抜くことが大切。落ち着いて心を空(くう)にすることで、神仏は本当の想いをくみ取ってくださる」(永島住職)

観心寺の寺名でもある「観心(かんじん:自己の内心の本性を観察する)」という気持ちを持つことがたいせつということ。1年の締めくくりと始まりに、心に刻んでおきたい言葉です。

檜尾山観心寺(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市寺元475
電話:0721-62-2134
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 観心寺バス停から徒歩3分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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