【河内長野市】今年は8日土曜日実施!100kgの縄が谷にかかる河内長野文化財「八幡神社の勧請縄かけ」
河内長野市内でも南にある天見地区。山を越えれば和歌山県でもあるひっそりとした人里に、流谷八幡神社こと石清水八幡宮別宮 八幡神社があります。ここでは河内長野市指定文化財「八幡神社の勧請縄かけ」が行われます。
例年1月6日ごろに行われるこの神事。2022(令和4)年の今年は、1月8日土曜日に実施されます。
では縄かけ神事とはどういうものでしょうか? これは神社の創建にもかかわる行事で、1000年近く続く伝統神事です。
もともとこの地には甲斐荘という荘園がありました。宇多天皇の皇子・敦實親王(あつみしんのう)が所有していましたが、この荘園を京都・八幡市にある石清水八幡宮に寄進しました。
その後、1039(長暦3)年1月6日に石清水八幡宮の神領であるこの地に、石清水八幡宮の御霊を分霊してもらい安置(勧請:かんじょう)することになりました。このときに流谷川の対岸まで御霊を乗せた牛車が来ましたが、当時は橋はかかっておらず牛車が渡れません。
そこで川の上に注連縄(しめなわ)をかけることで、御霊は無事に渡御され安置されました。その伝承が1000年近く経った現在まで続いており、毎年1月6日ごろに勧請杉と呼ばれる木から川の対岸の神殿側にある柿の木まで、約60メートルの注連縄をかけます。
今回は特別に、流谷八幡神社さんから過去の画像をお借りしました。この注連縄は、氏子総代(うじこそうだい:氏子から選ばれた世話人で神職と協力して神社を維持する)の皆さんが手作業で綯(な)いまぜていき、ひとつのしめ縄を作ります。
注連縄の大きさですが、長さ70メートルで、なんと重さが100キログラム近くあります。
そして、当日。いよいよ100キロの注連縄が、地元の氏子の人たちの手で勧請杉から谷の対岸の柿の木にかけられます。
こうして見事に対岸の木までかけられた注連縄。この作業は朝から始まって、お昼ごろまでかかって行われるのだそうです。
この勧請縄かけ神事は、もうひとつの意味があり、架けられた注連縄がいつ切れるかによって、その年の豊凶(豊作か凶作か)を占う意味もあるそうです。
今年の注連縄が無事に架けられ、その後の結果も気になります。が、それ以上に、河内長野市内に残る古くからの伝統行事ですから、市民の一員として-一生に一度は早起きし、その一部始終を確認しておきたいところです。
石清水八幡宮別宮 八幡神社(流谷八幡)
住所:大阪府河内長野市天見
勧請縄かけの時間:8:00~正午ごろまで
アクセス:南海天見駅から徒歩15分
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