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【河内長野市】市役所食堂がリニューアル!「オンキッチン」の魅力的な新メニューとお店の密かな思いに迫る

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

それなりの規模を持つ会社や工場には、社員食堂があります。これは福利厚生の役目もあるので、通常はそこで働く社員や職員、従業員向けですね。

しかし、一般人も利用できて、かつその雰囲気に近いものといえば、大学の学食や市役所などの食堂ではないでしょうか?

河内長野市役所にもそのような食堂、オンキッチン(On Kitchen)さんがあります。12時のピークの時間帯になれば、市役所職員の皆さんが多く食事に来られます。とはいえ市民など一般人も利用可能。

私は、仕事柄夜が遅いため朝も起きるのが遅く、なかなかこちらの食堂に行けなかったのですが、昨年11月にようやく行くことができました。お手頃な値段でなかなか美味しかったのでまた行こうとしたら、年明け早々リニューアルオープンするという情報を得ました。

というわけでリニューアルしたオンキッチンさんに行ってみました。その様子をご紹介する前に、比較のために昨年までの状況から説明します。

昨年までは、いかにも市役所食堂らしい定番メニューが並んでいました。食券係のスタッフに希望料理を注文し、食券を持って厨房でオーダー。そして自分でトレイにおかずやご飯を載せて、空いた席に運んで食べるというセルフスタイルでした。

昨年食べた日替わり定食です。この日は、豚肉の角煮にポテトサラダ、古代米が入ったヘルシーなごはんとみそ汁といった構成でした。セルフなのと料金のリーズナブルさから、社員食堂で食事をした気分になったものです。

では、年が明けてリニューアルした新しいお店はどうなっているのでしょうか?

市役所本館の東玄関と南玄関の間にある離れのような建物にオンキッチンさんはあります。外観などは昨年と同じ。しかし、昨年までなかったテイクアウトのお弁当の幟(のぼり)がありました。

それでは実際に入ってみることにしました。この日は午後1時。昨年までなら1時30分までの営業時間で、1時を過ぎてしまうと、もう売り切れで終わりモードだったこともありました。

しかし、リニューアルしたオンキッチンさんにはカフェタイムができ、そのような心配はいらなくなりました。

窓の外から見えるハンバーグの画像。美味しそうです。これは期待が持てますね。

今回はリニューアルしたということで、オンキッチンの森野チーフからお話をお伺いしました。

まずオンキッチンさん自体は、2018(平成30)年6月にオープン。当初は最初に紹介したように社員食堂らしいセルフサービスのお店でした。

それが今年に入ってなぜリニューアルしたのか?いくつかの理由があるなかで、森野チーフは、従業員の仕事を増やしてスキルを上げたいという思いがあったと語りました。

オンキッチンさんは、一般的な外食産業の企業や個人経営ではありません。母体は社会福祉法人ぬくもり(外部リンク)さんです。

これは主に障害を持つ人のための支援センターで、デイサービスやグループホームなどを運営しています。

座敷席と奥にあるのはキッズスペース
座敷席と奥にあるのはキッズスペース

オンキッチンさんで働くスタッフは、就労継続支援B型のひとたち。これは年齢あるいは体力などの事情で、一般企業と雇用契約を結んで働くことが困難な方の訓練を兼ねて、行われる仕事場です。

ちょうど森野チーフのお話を聞いている間も、離れたところで食事をしていた市役所職員らしいお客さまが、スタッフの人にやさしく声をかけている姿が印象的でした。

話がそれましたが、オンキッチンさんは、飲食の経験がない中で市役所食堂を始めました。

同じく障害を持つスタッフの方が働いている、堺市市役所の地下ある森のキッチン(外部リンク)さんをモデルにし、指導も受けたのだとか。

オープン当初は、経験の少なさや能力的な問題から、セルフ方式を採用。これにより接客での負担を軽減することで、美味しい料理を提供することに力を注ぐ方針を取りました。

オンキッチンさんが、営業を開始した2018年からまもなく4年。運営にも慣れたこともあって、もっと就業スタッフの訓練の幅を広げようと、年明けを機に新しい営業体制に変更したというのがその理由です。

それはセルフではなく、スタッフが配膳給仕を行うレストラン形式。メニューも、より本格的な洋食に、そして盛り付けなどにもこだわっています。

それにしても美味しそうなメニューが目白押しですね。今回は気になるメニューをチョイスして注文しました。

料理を待っている間、オンキッチンさんのコンセプトを伺いました。

リニューアル前は「町を温めていくぬくもりあるレストラン」、リニューアル後はそれに加えて「おいしさからはじまり、幸せとつながる場所」としたのだそうです。

リニューアル前の人気商品、日替わり定食は、リニューアル後のレストランのメニューからは外されましたが、その代わり、ワンコインの日替わり弁当として新たに登場しています。

さて料理が来ました。こちら、トロトロたまごのデミオムライス(680円)です。これにAセット(450円)をつけましたので、スープとサラダ、ドリンクがついています。

オムライスはとてもボリュームもあって、中のライスはあっさり味、外にかけてあるトマトソースはしっかり味と、最後まで飽きさせない工夫がしてありました。

スープには大きな玉ねぎのスライスがいくつか。サラダも新鮮なレタスなどのお野菜を使っていて、辛しマヨネーズがかけてあります。

セットについていたコーヒー
セットについていたコーヒー

セットには、Aセットからドリンクを省いたBセット(300円)と、逆にドリンクのみのCセット(150円)があります。

ちなみにコーヒーはしっかりと香りがあり、コクと飲みごたえのある旨さ。ランチタイムの後のカフェタイム利用をする機会があれば、リピートしてぜひ味わいたくなりました。

同行者は、Onバーグポーチドエッグのせ(880円)を注文しました。これはいわゆる「ハンバーグ」。このほか「ポークジンジャー」「グリルチキン」「ビーフシチュー」「濃厚エビクリーム」については、ライスかフォカッチャ(パン)がついています。

ちなみに、ライスについては、河内長野産の米を使用しています。これはうれしいですね。ハンバーグにフォークを入れると、中から肉汁がじわっと。

さらにソースと一緒に食べることで旨味が増幅されます。ライスはそれだけ食べても非常に美味しかったです。森野チーフは「米だけでなく、今後は出来るだけ地元の食材の利用を増やしたい」とおっしゃっていました。

こちらは別に注文した懐かしい雰囲気のミックスジュース。食事の後に戴くと、後味がスッキリとしました。

最後に、森野チーフに今後の事を聞きましたところ、カフェタイムにスィーツの計画があるのだそうです。現在検討しているのが、ガトーショコラ、チーズケーキ、クレープ。あと地元のお野菜などの物販の計画もあるとか。

それから就労継続支援B型の事業所であることから、障害を持つスタッフに、ここで働くことで経験と仕事への自信をつけてほしいとのことでした。

ということでリニューアルしたオンキッチンさん。昨年までの形態も、河内長野らしい木のぬくもりを感じる明るい食堂だと思いましたが、リニューアル後はとにかく料理がパワーアップしていました。

河内長野市民の一員として、これから市役所に用事があるときにはすぐに帰らずに、オンキッチンさんで食事や休憩に立ち寄ってもいいかなと、取材後に思いました。

オンキッチン(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市原町1-1-1 河内長野市役所1F
電話番号:0721-53-5556
営業時間:10:00~17:00(LO:16:30)ランチタイムは11:30~14:00(LO:13:30)
定休日:土日祝
アクセス:河内長野市役所前バス停すぐ、南海・近鉄河内長野駅から徒歩18分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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