【富田林市】知っていましたか?建築デザイン賞を4つも受賞した市営住宅が富田林にあったのです!
富田林駅の近くには、ご存知の通り、寺内町をはじめとする歴史のある町並みが残っていますね。
寺内町は建物もそうですが、町屋の建物をリノベーションして小さなお店が入居して、美味しいものや欲しくなりそうなものを販売しているので、観光客でなくとも立ち寄ってみようとなります。
さて、寺内町の北側は、マンションや一般住宅が立ち並んでいるエリアですね。
ふとしたことから、ここに斬新なデザインの建物が富田林市営住宅として存在していることを知りました。
しかも、2017年度グッドデザイン賞(外部リンク)をはじめ、以下にあげた建築デザインにおける輝かしい賞を4つも受賞しているのだとか! 驚きの事実です。
・グッドデザイン賞
・日本建築学会作品選集収録
・日本建築家協会優秀建築選
・日事連建築賞 奨励賞
その建物の場所ですが、富田林駅から東側に徒歩圏内、若松町の中にあることを突き止めました。ということでさっそく探すことに。
それがこちらです。住宅というよりも企業オフィスのようにも見える斬新なデザイン。コンクリートの白い部分と、ベランダ内部の壁と柵の黒色の対比。見れば見るほどインパクトがありますね。
ただし、ここは観光地ではなく、かつ個人の方たちが住んでいるところなので、今回はこれ以上の場所の特定は控えさせていただきたいと思います。
この市営住宅は2016年に完成したのですが、前述したとおり、翌年2017年の建築賞を4つも受賞。ここでは2017年度のグッドデザイン賞を取り上げて、どのようなところが評価されて受賞したのかを説明していきます。
受賞した作品「歴史的環境に建つ公営住宅」の背景については次のように記載(外部リンク)されています。
寺内町の持つ建物や街づくりの特徴を、この市営住宅のデザインにも生かしていこうという試みだったということのようです。
プロデューサーは、富田林市まちづくり政策部住宅政策課、ディレクター兼デザイナーが(株)アルキービ総合計画事務所(外部リンク)代表・久保清一氏によるもの。現在、大阪芸術大学大学院の教授もされています。
ちなみにデザイナーの久保氏の想いは次の通りです。
建築デザイナーらしい専門的な言葉が並んでいますが、バナキューラーとはその土地の固有の様式とのことですから、ここは寺内町をさしていて、エッジ環境のエッジには刃物の鋭さのほか、周辺のような意味もあるようなので、そちらで使われているのでしょう。
このデザインを選んだ経緯と成果について、寺内町の地域特性を活かそうと新しいデザインの発掘をしたこと。さらに市営住宅団地を、もっと地域に開かれたものにしようと追求したそうです。
さて、その結果の審査員の評価はこちらとなっています。
近くには別の市営住宅がありました。こちらは天井の部分が日本家屋の特徴ともいえる瓦屋根になっています。公営の住宅も、これからはこのような、地域特性を生かした個性的なデザインが増えていくのでしょうか?
寺内町を代表する古い建物も魅力ですが、こうやって眺めてみると、旧来の公営住宅とは異なる美意識を持ったデザイン、21世紀らしい斬新なデザインも良いと思いました。