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【河内長野市】世界かんがい施設遺産登録の寺ヶ池水路の一部は、知る人ぞ知る街中の自然遊歩道だった

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

既にご存じだとは思いますが、昨年11月に寺ヶ池が世界かんがい施設遺産に登録されました。ここでだいじな点は、池だけでなく池に向かって流れている寺ヶ池水路も登録されたということです。

寺ヶ池は公園になっているのでなじみが深いですが、寺ヶ池水路となるとどのあたりにあるのか?意外に知られていないような気がします。そこで、寺ヶ池の南にある赤峰交差点付近から赤峰トンネルのあたりまで、寺ヶ池水路を実際に歩いてみました。

寺ヶ池
寺ヶ池

寺ヶ池水路についておさらいしましょう。江戸時代に、上原村の庄屋(村の現場管理者)だった、中村與次兵衛(なかむらよじべえ)が、当時この地を支配していた膳所(ぜぜ)藩と交渉。彼が中心となって、新田開発を目的として行われた事業です。

元々あった池を拡張したことに加え、石川の水を池まで流す寺ヶ池水路を作ります。これは滝畑と日野の境目あたり、池から6キロメートル近い地点から水を引いているとか。

水路の長さは約14キロメートル。曲がりくねった山の斜面を切り開き、高低差を計算して作っています。

これは、寺ヶ池の南東側、菖蒲園の近くにある水路の終点です。この水路の水が遥か上流の石川から来ていると考えると不思議なものです。

水路をさかのぼっていきましょう。池に注がれる直前は寺ヶ池公園内菖蒲園の横を流れており、その前はこのフェリース橋の下を通っています。

こちらは寺ヶ池公園の南端にある赤峰交差点から撮影したものです。このように水路が続いているわけですが、この辺りは残念ながら立ち入り禁止。

しかし、赤峰交差点から少し南西に歩けば、水路のすぐ横に入る道があることがわかりました。

これまでの道のりを確認しましょう。青で線を引いているのが、寺ヶ池水路の大まかなルートです。

ではどこからこの水路に入れるのでしょうか?

それは赤峰の交差点から南西方向(赤峰市民広場方向)に進んだところです。ローソンを越えてしばらく歩くと「花や果」さんというお店があるのですが、それを越えたところ。ちょうど自動販売機のすぐ横に竹林に入る道があり、そこが水路の横の道とつながっています。

水路に続く階段を降りたところですが、この先の寺ヶ池に向かう水路は、個人の所有地のため立ち入り禁止。そして、その手前も鉄板が張り巡らされていますが、この下にあるのが寺ヶ池水路です。

左側の道は竹林の丘陵の斜面を降りて昭栄町の住宅地につながっています。水路の道は右側の道となっており、鉄板の横を通ります。

鉄板の下に水路がありますが、細い道は続いています。

少し歩くと鉄板の無いところが現れ、寺ヶ池水路が見えているところがあります。世界かんがい施設遺産の構成要素がすぐ目の前に見えますね。

さらに歩くと鉄板は無くなり、水路がずっと続いていきます。横の道は細いですが、足場がしっかりしているので、散歩には最適。

ところがこの取材時(3月中旬)は、水路の水は流れていませんでした。残念ですが、水が流れているときとそうでないときが、季節によってあるようです。

このあたり、右側には市水道局の西之山配水場があるところ。左は下り斜面ですが竹林をメインに自然が残っています。

ここまでのルートを地図で紹介します。青い線は寺ヶ池水路で、赤い線が今回歩いたところ。もう一度ご紹介すると、寺ヶ池水路に入るには花や果さんの横にある所から入れます。

さらに水路を進んでいくと、やがて右側にも木が生えている自然が豊かなところに来ました。

配水場の先にあるのは、赤峰市民広場です。

これは別の日に撮影したものです。赤峰市民広場側から下方向を撮ったもので、このときは寺ヶ池水路の水が流れていました。

すぐ横の竹林。流石に近所の人はこの道を皆さんご存じで、私が今回この道を歩いていると、普段着の人と何人もすれ違いました。

並行して赤峰交差点から赤峰トンネル方向に道路がありますが、歩道があるものの、やはり車が速度を上げて飛ばしていることが多いので、この道の方が安心して歩けるのかもしれませんね。

しばらく歩くと、道の横の木々が少なくなり、開けたところに出てきました。

水路の道はさらに続きます。この辺りまでくると、右側も竹林に覆われ本当に自然の中のプチハイキング。

やがて道がふたつに分かれていますね。左側に行くと上原町の上原第2公園に抜けられます。散歩を楽しむならこの辺りをゴールにするのがよさそう。

ただ私は、ここからもう少しだけ寺ヶ池水路沿いに歩くことにしました。

水路の道をそのまままっすぐ行くとあるところに差し掛かります。それは赤峰トンネル。そのあたりまで行ってみることにしました。

これが赤峰トンネルの上から見下ろしたところです。中々見晴らしがよかったですね。

これは下ってから改めて撮影しましたが、このトンネルの上の部分に寺ヶ池水路と共に道が続いているというのは、今回初めて知りました。

この辺りまでを地図で表したところ。水路の道はまだ続いていますが、今回はここで打ち切ることにしました。 先ほどの分岐点まで戻って下に降りました。

寺ヶ池水路は、画像のように赤峰トンネルからさらに続いています。ただこの辺りまでなら、町中のすぐ近くにある自然の道なので、思い立ったらすぐにでも散歩できるウォーキングコース。

この先に行った人の情報では、水落のバス停周辺でいったん国道を出て、南の方に寺ヶ池水路が続いているとか。またこの続きを歩く機会があれば、先に進んでみたいと思います。

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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