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【河内長野市】清見台に隣接する笠松稲荷神社は、観心寺といっしょにお参りする由緒ある神社だった!

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野駅から南側、三日市町と美加の台駅の前後左右に、山を造成した住宅地が開発されていますね。地図上では開発しつくして住宅しかないように見えても、実は住宅地の隙間に伝統的なスポットが数多くあります。

三日市町駅の東にある清見台の、さらに東にある笠松稲荷神社も、そんな伝統のある神社です。実際に立ち寄ってみて、伝承や境内に残る自然を見てきました。

笠松稲荷は、住所が同じ寺元でさらに東にある観心寺とセットで参拝されていたという由緒ある稲荷神社です。今は河内長野駅から観心寺に向かうバスがあるためか、ついつい見逃してしまいがちですが、途中の清見台東口バス停で下車すればすぐ近くにあります。

またこちらの地図にあるように、最寄りの駅は三日市町駅。駅からは坂道を上るので大変ですが、清見台団地線のバスに乗って、川上小学校前で下車すると神社に行けます。

バス道でもある大阪府道209号線、東阪三日市線沿いからも、森の奥にある神社に向かう参道が見えます。

鳥居から中に入ってみましょう。

結構急な階段を上っていきます。

登りきったところに鳥居があり、ここに稲荷神社があるのかと思ったのですがまだ登らないといけないようです。

残念ながらもう少し上る必要があります。

ようやく上まできました。

ところで笠松稲荷という名前の由来ですが、枝ぶりが傘を広げたような形をした松があって、その根元に稲荷大神を祀ったのが起源だとか。

その笠松は「寺元の七本松」のひとつと言われていたそうです。

ようやく社殿の前まで到着。稲荷大神の使いである狐の石像が見えます。

「寺元の七本松」は、もともと同じ寺元にある観心寺の中心に7本の松を植えたそうだったのですが、そのうちの6本が枯れてしまいまい、最後に残った1本が笠松で、そこから神社の名前になったそうです。

ということで参拝しました。

さてご神体と思える笠松は樹齢500年の大木だったそうです。しかし、残念なことに昭和40年代に枯れてしまったそうです。

このほかにも、笠松稲荷神社には不思議なエピソードが残っています。一例を紹介しましょう。

  • 事業が失敗して自殺を考えた人の夢枕に現れて「大丈夫だ」とお告げがあった
  • 神社の賽銭箱が荒らされない工夫を考えていたら、そのアイデアが夢の中で浮かんだ

こちらは社務所ですが、この時は閉まっていました。情報によれば午(うま)の日だけ空いているとのこと。稲荷神社と午の日とは深い関係があるようで、2月の最初の午の日である初午(はつうま)は、全国の稲荷神社でお祭りが行われるとか。

社務所が開いているときに手に入れられるおみくじが巻きつけられていました。

来年こそ、初午に行ってお祭りの雰囲気を味わいたいですね。その他、例年、3月14日には、笠松講と呼ばれる人たちが餅まきをするそうです。

また境内には多くの社(摂社、末社)が祀られています。左から春永大神、末広大神、地金神社と書いてあります。

あまり聞きなれない神様ですが、調べるとやはり稲荷大社に同じ名前の神様の名前がありました。春永大神は伏見稲荷大社一乃峯にあり、京都の函谷鉾の人が参拝する習わしがあるようです。

末広大神は京都伏見稲荷の稲荷山頂に祀られているそうです。地金神社は伏見稲荷とは直接関係ないようですが、御金や地金という名前の神社が登場し、いずれも金運に御利益がある所から、やはりお金に関係があるように感じます。

右側が白龍大神で、左側が御神木大神です。白龍神社は由来によれば笠松の下にいたという蛇を祀っているとか。確認できませんでしたが、社の中に御神体として蛇の抜け殻を祀っているという情報もあります。

また御神木大神については、奈良の三輪山にある大神神社の御神体「大物主大神(おおものぬしのおおかみ)」の化身の、白蛇が棲むことから名付けられたご神木「巳の神杉(みのかみすぎ)」のことが情報で出て来ます。そう考えるとこちらも蛇つながりのようですね。

ということで境内を降りていきます。鳥居が参道に並んでいるのが、実に稲荷神社らしいですね。

下っていく道がありました。途中で引き返しましたが、ここにも小さな社が祀られています。

記念碑とその横に背後の木を祀っていると思われる物が見えます。もしかしたらかつてここに笠松があったのでしょうか?

別の方向に歩いていくと広場に出てきました。

見ると清見台第一緑地とあります。これを見て笠松稲荷神社が清見台と隣り合わせにあることを改めて思い出させてくれました。

広場には笠松稲荷神社を詠んだと思われる石碑もあります。

このまま清見台に出ても良かったのですが、自然の森の雰囲気をもう一度味わおうと正面の入り口に戻ることにしました。

ということで坂を下ります。画像の通り自然に囲まれた笠松稲荷神社の雰囲気が良いですね。名前の由来や数多くの社、それからこの自然を短時間ですがゆったりと味わいました。

それから隣接する清見台が、かつてこういう緑で覆われた丘(笠松山)だったことを連想できるような気がしました。

笠松稲荷神社
住所:大阪府河内長野市寺元115
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス。清見台東口バス停下車徒歩3分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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