【河内長野市】木戸本郷の河内長野市指定文化財地蔵菩薩立像は、楠木正行の時代に作られた歴史あるもの
南海千代田駅とその周辺に木戸町がありますが、駅の東側、現在の木戸1丁目の周辺は、木戸本郷と呼ばれてる古くからの町の中心地があり、そこには古い街道と街並みが残っています。その古街道沿いに、ある地蔵菩薩が安置されています。
一般的に、古い街道に地蔵菩薩が安置されていること自体は珍しくありません。ところが、この地蔵菩薩は「石造 地蔵菩薩立像」として河内長野市の指定文化財になっているのです。
その地蔵菩薩像のある場所は、次の通りです。
千代田駅から千代田あいあい通りを南医療センターの方に歩き、ちょうど灰原池と千代田小学校の間の道を左に曲がってください。その道沿いにある木戸本郷の自治会館の敷地内に、地蔵菩薩が鎮座しています。
古い街道のような道、本郷の名前の通り昔からこの地域の中心であることがわかります。
少し歩けば、木戸本郷の自治会館の前に出ました。だんじり小屋も見えますね。ここに地蔵菩薩像が安置されています。
こちらが地蔵菩薩が安置されている御堂です。説明版によれば、この地にはかつて地蔵寺があって、明治時代に小学校として使用されていたのだとか。
地蔵寺の本尊だった地蔵菩薩が市の文化財であるわけですが、資料によれば菩薩の高さ(総高)が125.5cmの浮彫りで出来ており、左手に宝珠、右手に錫杖(しゃくじょう)をとる姿をしているそうです。
扉が閉まっていたので少し見えにくいですが、河内長野市文化財課のホームページで紹介されている地蔵菩薩像が、どちらか見比べてみました。
よく見ると恐らく左側だとおもわれます。もちろん地蔵菩薩は、地元の人にはどちらも大切なもので、対等に安置されていました。
さてこの地蔵菩薩像が作られたのは大変古く、その証拠が像の右側に銘として刻まれているそうです。実際にそれを見ることはできませんが、情報によれば南北朝時代の1345(興国6)年のものだそうです。
保護と顕彰を図るため、1968(昭和43)年1月にの文化財に指定されました。700年近くも前に作られた地蔵菩薩は確かに文化財としての価値が高いことはうなづけます。
ちなみに興国とは南朝方(なんちょうがた)で使用された元号で、後村上天皇の時代です。気になって調べたところ、地蔵が作られた2年後の1347年に河内守護(支配者)であった楠木正成の子・正行(まさつら)が、北朝相手に戦いを始めます。
正行は父親譲りの戦いぶりで北朝軍相手に連勝しますが、翌年1348年の四條畷の戦いで破れて命を落としたのは周知の事実。
楠木氏と木戸の地蔵菩薩との接点はさすがにわかりませんが、河内守護として正行が治めていた地域で、かつ挙兵直前に地蔵が作られたタイミングと聞けば興味が湧いてきます。
さて、地蔵菩薩が安置しているお堂の隣にある木戸本郷のだんじりですが、明日7月10日日曜日に修理が終わっただんじりの入魂式とお披露曳行が行われるという情報をキャッチしました。当日のスケジュールは次の通り。
- 8:00 だんじり搬入
- 9:00 千代田神社で入魂式
- 10:00 千代田神社出発
- 10:30 市町西会館前通過
- 11:00 木戸本郷自治会館到着(昼休憩)
- 12:00 消防署右折し、木戸二丁目曳行
- 12:30頃柳風台保育園横着(小休憩)
- 13:00 柳風台保育園出発
- 13:30 大阪南医療センター前交差点右折
- 14:00 木戸本郷自治会館出発 消防署Uターン
- 14:00 一通右折 千代田駅新ロータリー着
- 15:00 駅前Uターン 旧灰原石油通過
- 15:30頃千代田小学校左折
- 16:00 木戸本郷自治会館着/入庫
だんじり曳行といえば、先月長野地区のだんじりを実際に見ましたが、やはりだんじりが通っているときは普段見慣れている街の雰囲気が一気に盛り上がるのがわかりました。
ということで10日の木戸本郷のだんじり曳行もぜひ見ておきたいところ。当日はちょうど参議院議員選挙の投票日でもありますから、投票の前後に木戸本郷周辺に行って、勇壮なだんじりの様子をみてみるのも楽しいです。
木戸本郷自治会館前の地蔵菩薩像
住所:大阪府河内長野市木戸1丁目11-11
アクセス:南海千代田駅から徒歩7分
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