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【河内長野市】市役所近く世界94か国を旅した旅人の店Pasta Vamosパスタを食べながら異国気分

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

このページでは、基本的に新店情報はあまり載せません。なぜならば、お店の告知や口コミなどを確認した後、実際に訪問し食べてみてから、味や店の雰囲気などを総合的に考えたうえで、納得してから紹介したいという思いがあるからです。

しかし今回は珍しく、オープンして1か月余りの新しいお店を紹介します。Pasta Vamos(パスタバモス)さんはパスタとカレーのお店ですが、それ以上に旅好きの人たちが愉しめる雰囲気に満ちたお店です。

Pasta Vamosの店主さんは、旅人です。5年前まで世界中を旅していたそうで、これまで94ヶ国を訪問されたとのこと。その中でその地で1ヶ月以上生活したのは、9か国にも上ります。

そのためパスタのお店といってもイタリアンというわけではなく、メニューには一部インドやタイ料理などもあります。

店のある場所は市役所の近く。目の前の通りはバス道です。突き当りの右隣に市役所があります。

反対方向を見ましょう。この道をまっすぐに行くと図書館に行けます。

ということで、店の中に入ってみましょう。

中の様子です。ちょうど時刻は14時過ぎとランチタイムの終盤に訪問しましたので、貸し切り状態でした。

店主さんにお話を伺いました。店主さんはもともとは堺市の光明池出身とのこと。ボクサーだった経験をお持ちで、1988 年、20代の初めにバックパッカーとして世界に旅立ちます。初めての海外が、なんとエジプトとイスラエル!かなり驚きの国から旅がスタートしたのですね。

Pasta Vamosさん提供:左にいるのが初めての旅での店主さん
Pasta Vamosさん提供:左にいるのが初めての旅での店主さん

日本でフリーターとして働いてお金を貯めて、そして旅に出る。ワーキングホリデーの制度を使って、カナダとオーストラリアに住んだりもしていました。

しかし、当時、両国のワーキングホリデーは30歳までという年齢制限がありました。その年齢を過ぎたころ、海外で常に需要のある和食の調理師を目指し、日本の調理師専門学校で勉強したそうです。そうして料理の腕を得てから再び渡航。

そうして、7ヶ国(メキシコ、タイ、モナコ、タヒチ、クロアチア、スイス、ドバイ)の5つ星ホテルや現地の和食店で就業。また、ボクシングが縁でタイのバンコクでお好み焼き屋さんを経営したことも。

その仕事の合間のバカンスで、近隣の国を旅して回ったり、日本との往復も繰り返していたりしていたそうです。

転機が訪れたのは2017年。店主さんが50歳の時でした。これまで世界各国を旅してきたものの、振り返ってみれば自分の故国である日本を旅していなかったことに気づいたのです。

この年から3年かけて、47都道府県をすべて制覇。派遣社員として各地で働きながら、バイクで日本全国を回ったそうです。

海外での料理人としての仕事の場合、住居や就業中の食事は雇い主が保証してくれるケースがほとんど。モナコでは海の見えるアパートメントに滞在していたそうですが、これを自分で払うとなると目が飛び出るほどの金額です。

もちろん、海外では貴重な日本料理の職人としてのギャラもそれなりにもらえていたので、働きながら将来のために貯金もしていました。

「本当は2019年から20年にかけて南米に、21年はアフリカに行こうと思っていた」という店主さんでしたが、コロナにより挫折。その代わりに、今までの貯えを元手に、店を起業しようと考えました。

自宅に近い場所、南河内や奥河内の各地で、市街地のテナント、郊外の古民家など、いろんな物件を見て回ったそうですが、この場所に決めたのはガスや下水などのインフラが整っていたことが大きな要因になったそうです。

周囲に市役所やいろんなオフィスが集まっていること、それなのに緑が多い地域であること、物件取得費も格安だったことなど、好条件も揃っていました。

Pasta Vamosさん提供:取得時の物件
Pasta Vamosさん提供:取得時の物件

2021年3月に契約したこの物件。ここは、もと居酒屋さんでした。建物自体かなり傷んでいた部分があったので、工務店さんに造作を修理してもらいましたが、店舗のインテリアはもとの店内造作をを活かしながら、基本は店主さんひとりで改装していきました。

「南米コロンビアのグアタペのいう町が好きだったんですが、建物をいろんなカラフルな色で塗装したことで町おこしに成功した場所なんです。それをヒントに、店内のインテリアにいろんな奇抜な色を使ってみました」とのこと。

だから店内のドアやテーブルなどが非常にインパクトのある色合いだったわけです。いわゆるSNS映えも狙ったとか。

その他カウンターのタイル張りも店主さん自ら行いました。厨房機器や給湯器などがなかなか手に入らない状況下、予定より時間はかかりましたが、こうして今年6月のオープンに繋げます。

パスタ屋さんにしたのは、店主さんはもともと麺が好きであること、海外で生活していた時の休日は自炊が多く、さっと食べやすい、いろんな味のパスタを作って食べていたことが理由だそうです。

またパスタはどの食材とも併せられやすく、タイやインド料理にアレンジするのもとても相性が良いとのこと。

さて、今回はテーブル席を案内されました。

メニューがあります。94カ国を旅した店主さんらしい、旅のひとこまの写真が使われています。

トマトクリームソースのパスタが人気のようです。

こちらはクリームソースのパスタ。ベーコン・キノコ味とシーフードから選べます。

パスタのほかカレーもあります。タイのカレーのほかインドのカレーもありました。

ドリンクは、コーラ、カルピス、アイスコーヒー(各:200円)があります。

そのほか金曜日と土曜日は夜営業が行われており、画像にあるような海外のビール(各:600円)が飲めるとのこと。

「少しずつお酒に合うおつまみも増やしていければ」と店主さんはおっしゃっていました。

ここで私が注文したのがこちらのベーコンとキノコのクリームソースのパスタ(880円)です。

しっかりとした味わいがあり、あっという間に完食してしまいました。

こちらは今現在、いちばん人気のシーフードのトマトクリームソースのパスタ(920円)です。ムール貝が入っていてリッチな気分になりますね。

タイイエローカレーのパスタ(920円)。お野菜もたっぷり入っていて、そんなに辛くない、予想以上に食べやすい味です。

バターチキンカレー(900円)です。トマトがたっぷり入ったさっぱりとした味わいです。

将来的には、旅人がお酒を飲みながら情報交換ができる店をしたいと店主さん。「夜営業では、私がこれまで実際に訪問した国でのエピソードを聞きたい人が来てくれたら嬉しい」とのこと。

Vamosは、スペイン語で「行くぞ」「頑張れ」という意味。ふと窓を見ると世界を旅している船乗りさんの人形がありました。美味しいパスタを味わいながら、店主さんと旅の話で盛り上がって、またどこかに旅をしてみたくなる。そんな気がするお店でした。

Pasta Vamos(パスタバモス)
住所:大阪府河内長野市西之山町12-8
電話番号:070-2319-5888
営業時間: 11:30~14:30、 金土は 18:00~20:30の夜営業あり
定休日:月曜日
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 河内長野市役所前バス停から徒歩2分
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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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