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【富田林市】大阪府大会で優勝した富田林市消防団がいよいよ全国大会へ!夜に行われる練習を見学しました。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

世の中、ぜったい必要だけど、出来るだけ活躍してほしくないものがいくつかあります。消防もそのひとつですね。火事を出さなければ活躍しませんが、必要な存在であることは間違いありません。

富田林市消防団は、このたび、大阪府消防操法訓練大会(おおさかふしょうぼうそうほうくんれんたいかい)で見事に優勝、そして全国大会に出場が決まりました。全国大会の出場を前に、市内某所で夜間に練習を行っている消防団の様子を見学しました。

市役所や図書館、警察署など、富田林駅から富田林西口駅にかけては市の重要な施設が密集していますね。富田林市消防本部もそのエリアの中にあります。

その消防本部の入り口に来ると、このように大阪府消防操法訓練大会にて優勝したことが報告されています。

また広報とんだばやしの10月号の表紙および18ページにも、そのときの模様が詳しく紹介されています。

画像提供:富田林市消防本部
画像提供:富田林市消防本部

大阪府消防操法訓練大会は、今年66回目の大会として、9月に大東市にある大阪府立消防学校にて3年ぶりに開催されました。大会の目的は消防団員の技術の向上と士気高揚のためです。

実際の火災現場でいかに早く安全に消火活動である放水ができるかを競う大会です。

出火したものに対しての放水行動は、早ければ早いほど、さらに安全に確実が良いので、大会を通じて消防団の迅速な動きが期待されているわけですね。

画像提供:富田林市消防本部
画像提供:富田林市消防本部

大阪府大会は、府内にある7地域から選抜された13市町村の消防団員が出場しました。つまり毎年出場するのではなく輪番で出る仕組みになっています。

画像提供:富田林市消防本部
画像提供:富田林市消防本部

富田林市は南河内地区支部としてポンプと小型ポンプの2部門で参加しました。

画像提供:富田林市消防本部
画像提供:富田林市消防本部

そのような状況の中、富田林市消防団は、ポンプ車操法および小型ポンプ操法の2部門において見事に優勝しました。成績は次の通りです。

  • ポンプ車操法は(公式タイム 第1線 55.90秒 第2線 65.89秒)
  • 小型ポンプ車操法は(公式タイム 39.80秒)

こうして10月29日に千葉県市原市にある千葉県消防学校で行われる第29回全国消防操法大会に、小型ポンプ操法の部の大阪府代表として全国大会に出場します。

全体の成績結果がこちらです。これを見る限り、富田林市が圧倒的な強さを誇っていることがわかりますね。これは全国大会でも期待できるのではないでしょうか?

とはいえ、富田林市消防団が全国大会に出場するのは初めてなのだそうです。

そこで富田林消防本部に問い合わせたところ、サバーファームの駐車場で夜間に訓練を行うと聞き、許可をいただいて見学させてもらうことになりました。

すっかり暗くなったサバーファームの駐車場。18時20分ごろに、消防の車が入ってきました。訓練は19時30分から行われるそうで、それまでの準備がいろいろあるようです。

サバーファームの電気が付くと途端に明るくなりました。

次々と準備が進みます。今回優勝した消防団は、専任の職員(消防士)とは違い、昼間は別の仕事についている人たちなのだそうです。

富田林市内の14ある分団から選抜されたメンバーでチームを作って、今回の操法訓練大会に参加したそうです。

消防操法訓練大会を通じて資質の向上はもちろん、消防団員のモチベーションの向上にもつながります。そして団員のスキルが上がることにもつながるとのこと。

「今回の優勝は本当に明るい話題になりました」と消防団員の方も喜んでいました。さらに技術向上のための後押しがあることは、結果的に市民の安全につながるといいます。

こちらに「火」と書かれた的があります。最終的にはこれに対して放水する大会です。小型ポンプの位置から的までの距離は63メートル。

では実際にどういう動きをするのかというと次の順に行います。

  1. 小型ポンプの起動
  2. 20メートルのホースを伸ばす
  3. ホースをつなぐ
  4. 放水
  5. 火の的を倒す

この一連の動作を45秒を基準として行います。45秒より早いと加点になりますし、逆に遅いと減点。大阪府大会で富田林市消防団は39.80秒を記録していますから、基準より5秒以上も早いことになります。

準備中に次々と車が入ってきました。

訓練を始めるための準備がとにかく大変。消防署の人、消防団の人たちは昼間働いた後でこの訓練を行うのですから、本当に頭が下がります。

こちらが訓練で使われるものです。

そしてこれが小型ポンプ。持ち運びが出来そうな大きさですが、放水の威力は侮れません。

こちらが全国大会に出場する消防団員です。一番左にいる人が、リーダーの福嶋勝利さん。本業は運送業なのだそうです。

福嶋さんは若松町の第2分団の分団長から消防副団長になった方です。32年のキャリアをお持ちで、今回の結果に「頑張った甲斐があった」と笑顔を見せていました。

なお、組織図には第17分団までありますが、実際には14しか分団はありません。理由をお伺いすると、「縁起の悪い数字4・9・14を飛ばしているからです」とのこと。

今回の成果は、仕事が終わってから、暑い中みんなが来てくれたこと。コミュニケーションが、ばっちりとれたことが良かったそうです。福嶋さんは「ここまで来たなら全国大会の優勝を狙いたい」と熱く語られていました。

さあいよいよ訓練が始まるようです。一斉に集まって今回の練習について説明が始まりました。

円陣を組んで気合が入ります。このチームワークこそが、大阪でいちばんになった証ですね。

円陣を組んだ後に、いよいよ最終の準備です。

いよいよスタート。見ているこちらも緊張が走ります。

訓練が始まりました。ひとつひとつの動作が早くてついていけません。画像のように走っている人がまるで別次元の世界と往復しているかのような様子で、カメラが追いつきませんでした。

ホースは即座に火の的に向かって延ばされ、ホース同士をつなぎ留めます。

ここから的に向かって放水です。

ホースを構えました。

見事にほぼ一撃で的を倒しました。この訓練は数回行われますが、ひとつが終わるとホースの水を抜くなど次の訓練開始までの準備が大変な作業。

せっかくなので一連の様子を動画に抑えました。

練習風景を見学させていただいて、目的は全国大会の優勝ですが、その背景には町の安全を守ろという団員の皆さんの熱い心意気が感じられました。

もちろん誤って火を出さないようにしなければなりませんが、同時に、どうしても不可抗力で出火してしまっても、この人たちが居れば最小限の被害で抑えてくれそうな気がしました。

富田林市消防団本部(富田林市消防本部・富田林市消防署)
住所:大阪府富田林市甲田1丁目7-1
電話番号:0721-23-0119
アクセス:近鉄富田林西口駅から徒歩6分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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