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【富田林市】大阪市電の車両が寺池台の幼稚園にあったのを覚えていますか?今は意外な所にありますよ。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

幼稚園児や小学生は、なぜか電車とか鉄道・バスが好きなものです。古い車両が幼稚園や小学校などに寄贈されると、楽しい遊び場にもなっていますね。

そのひとつの例として、かつて大阪市内を走っていた大阪市電の一両が、富田林市寺池台にあった大谷幼稚園の図書室として保存・活用されていました。

もしかしたら、子供のころに寺池台に住んでいた人は、この図書室について記憶があるかもしれません。

大谷幼稚園は、1969(昭和44)年10月に設立されました。しかし、2019(平成31)年4月に設立50年目のタイミングで大阪狭山市にある市立西幼稚園跡地に移転し、大谷さやまこども園となります。

その際、図書室として使われていた大阪市電の車両はいっしょに移転せずに、別の人のもとに渡ったのですが、それが意外なところにありました。場所は大阪市住之江区で、大阪メトロ北加賀屋駅の近くです。

北加賀屋駅から少し歩いたところで車両を見つけました。この車両を調べると大阪市電3001形3012号とあります。

大阪市電3001形3012号は1956(昭和31)年に作られ、天王寺車庫に配置。後に都島車庫に転属します。1969(昭和44)年の大阪市電の廃止まで活躍しました。

その後車両は大谷学園に譲渡され、寺池台の大谷幼稚園の図書室として2019年まで長く活用されました。数えてみれば市電として活躍したのが13年間に対して、図書室としては50年も活躍していたんですね。

市電と同じ場所には英国のバスも置いてありました
市電と同じ場所には英国のバスも置いてありました

大阪市電3001形3012号の車両情報を見つけたので引用しますね。

  • 寸法:全長12480mm×全幅2468.6mm×全高4029mm
  • 定員:70名(内座席34名)
  • 車体:ナニワ工機製
  • 台車:FS352(住友金属製)
  • 主電動機:三菱電機MB-3016
  • 駆動方式:直角カルダン駆動
  • 歯車比:7.17(43:6)
  • 電動発電機:MG-52-S
  • 空気ブレーキ:日本エアー製SM-3E
  • ドラムブレーキ:三菱電機DB-50
  • トラックブレーキ:三菱電機TB-411
  • 戸閉装置:ダイハツ製TKD(前扉)、TKO(中扉)
  • 集電装置:TY-26ビューゲル式パンタ

では、「なかよし号」という名の図書室として半世紀の間車両が設置していた、大谷幼稚園の跡地は今どうなっているのでしょうか?現在の様子を見てきました。

場所は寺池台2丁目です。地図で見ると、ちょうど西側には寺池公園があります。

幼稚園が移転してから3年が経ちました。さて跡地はどうなっているのでしょうか?

地図のアプリを頼りに住所のあった場所に来ましたが、現在は見事に住宅地になっていました。

周辺の住宅地と比べて明らかに新しいエリアで、かつ注文住宅として建築されたようで、一軒一軒が全く違う個性のある住宅地になっています。

新しい住宅地から交差点を挟んだ一角に、小さな緑地を発見しました。

遊具も無いような本当に小さな緑地ですが、恐らく2019年の春までは、幼稚園児たちが遊んだ場所ではなかったかと想像できます。

半世紀もの間、園児たちの声を聴き続けた緑地は、現在静かになっています。そう言えば、富田林市から離れた地に移動した大阪市電も園児たちの声を聴くこともなくなり、今では新天地で静かに佇んでいるようでした。

大谷学園大谷幼稚園跡地
住所:大阪府富田林市寺池台2丁目
アクセス:南海金剛駅から徒歩18分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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