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【河内長野市】蟹井神社は天見に千年近く鎮座しています。そこで「蟹」の意味を調べてみました。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野の南にある天見駅周辺では、流谷方向にある八幡神社が毎年行っている勧請縄かけがあり、昨年、今年と見てきました。しかし、天見地域にはもうひとつ忘れていけない神社があります。それは千年近い創建の歴史があるとされる蟹井神社です。

ということで、今回は蟹井神社にお参りに行ってきました。

天見駅です。天気も良く、お散歩をかねたお参りには最適でした。

さて駅を出て、良く向かうのは、右側の道を下って、やがて天見川を越えて、出会いの辻交差点から西方面の道、つまり流谷方面です。

しかし今回は、まっすぐ南方向に続く道を歩いていきます。

この道は、南海高野線が複線化する前の線路跡です。春になれば八重桜が美しい通りですね。

桜並木を過ぎて更にまっすぐに行きます。右側の低いところが集落になっています。

途中で景色の良いところに出てきました。手前が現在の南海線で、その奥の上側に工事中の道路が見えますね。

今歩いている道は、歩行者と自転車専用道なのでお散歩には最適です。

やがて道が左右に分かれています。蟹井神社は左方向に曲がります。

曲がってすぐに蟹井神社の入口が見えてきました。

この階段を上がると拝殿に行けますが、急なのと手すりが無いので、この階段を上がるのはやめておきました。

すぐ右側に迂回路があるのでそちらから上がった方が安心ですね。

ということで迂回路を使って上がってきました。画像の建物の奥に本殿があります。

こちらが本殿です。主祭神は神武天皇、応神天皇、神功皇后、菅原道真の4柱です。

ところで、蟹井神社についている「蟹」とはどういう意味でしょうか?河内長野は海がありませんので無縁のようにも思いますが、実際に川にも小さな蟹がいます。ではその蟹との関係があるのかと言えば、そうとは言えないようです。

その由来は「蟹」ではなく甲斐から来たといいます。この辺りは甲斐の荘という荘園だったことが理由で、もともとの神社名が甲斐神社だったのです。そして「甲斐」が「蟹井」に変わったそうです。

こちらの説明版によると、1676(延宝4)年の火災で焼失しその後再建されたときに「蟹井神社」と改称されたと書いてあります。さらに明治41年に岩瀬にあった菅原神社の祭神・菅原道真を合祀したそうです。

ところがさらに調べると、もうひとつの由来を見つけました。蟹井神社のすぐ近くを流れる天見川のなかに、蟹井の淵と呼ばれる淵があるそうで、そこから御神体が現れたという説です。

神社は1054年の創建とされていますが、説明版にもあるように火災で何度も消失して資料が無いそうなので、詳しいことはわからないようです。

また鎌倉末期に、この地域を支配していた楠木正成と、紀見峠を越えて攻めてきた鎌倉幕府側の軍勢が、出合ノ辻で激突しました。

いわゆる安満見合戦が行われましたが、そのときにも神社が焼失したようです。

ちなみに蟹井神社の御利益は多く、祀られている神様によっていろいろあります。

  1. 神武天皇(延命長寿、開運将来、病気治癒)
  2. 応神天皇(国家鎮護、殖産興業、勝運招来)
  3. 神功皇后(安産、子育て守護、学業祈願、病魔、厄除け、家内安全、開運招福)
  4. 菅原道真(学問・至誠・厄除け)

また蟹にちなんだ御利益もあります。

  1. 蟹の繁殖力にちなんで、子宝祈願、不妊治療守護、高齢出産守護、安産、子育て守護の祈願
  2. 蟹の鋏(はさみ)にちなんで、縁切り、悪縁切り祈願

ということで、蟹井神社に参拝しました。蟹の由来は「甲斐」という地名のなまったものが有力ですが、御利益に関しては蟹にちなんだものがあり、なかなか興味深いです。もし天見に来る機会があれば、蟹井神社にも足を運んでみてはいかがでしょうか。

蟹井神社
住所:大阪府河内長野市天見428
アクセス:南海天見駅から徒歩13分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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