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【河内長野市】ラブリーホールで観よう!ハートグローバルワークショップは子供たちの自己肯定感を高めます

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野のラブリーホールの大ホールは何席あるかご存知ですか?正解は1,308席。これは南河内では藤井寺市パープルホールの1,400席に次ぐ、2番目の客席数です。

ラブリーホール大ホール
ラブリーホール大ホール

そんな大ホールでは、ステージの上に立つだけでも緊張しそうですが、ステージの上どころか、ひとつのショーをたった2日半のワークショップに参加するだけで演じられるという子供向けプログラムがあるというのです。

その団体の名前はハートグローバル(外部リンク)で、小学1年生から高校生までを対象とした歌とダンスと演技のワークショップを4月28日に明石でスタートし、全国各地で実施。ちょうど一昨日26日から、河内長野でワークショップが始まっています。

ちなみに大阪府内では河内長野市のほか、大阪市、寝屋川市、泉佐野市の4つの自治体でのみ行われており、南河内地域では唯一の開催です。

私はとても気になったので問い合わせてみたところ、インタビューと練習風景をを取材できることになり、昨日の午後にラブリーホールに行ってきました。

ラブリーホールの入口入ったところにハートグローバルと、このワークショップに関するポスターが貼られていました。本部はアメリカにあるそうですが、日本ではNPO法人じぶん未来クラブ(外部リンク)が主体的に関わっていてます。

と同時に、河内長野で行うワークショップには河内長野国際交流協会(KIFA)も深く関わっていることがわかりました。

山本事務局長も現場におられたので、練習の様子を拝見しながら、NPO法人じぶん未来クラブの横山類さんと山本事務局長の両者からお話を伺いました。

まずハートグローバルについてお話を伺うと、源流となる組織がアメリカにあったそうで、それは1960年代に設立されて活動を行っているヤングアメリカンズです。

もともと合唱団としてスタートしたヤングアメリカンズ。

1990年代にアメリカにおいて、予算の都合で音楽の授業が削られるという問題が発生した時に、ヤングアメリカンズはこれに異議を唱える形で、音楽授業の大切さを訴えるために子どもとショーを作るという教育を開始しました。

それがミュージック・アウトリーチ(音楽の出張授業)と呼ばれるものです。ちなみにミュージック・アウトリーチの教育目的は次の通りです。

  • Self worth 参加者一人ひとりが他人と違った個性を持っていることを認識し、自信を獲得する
  • Respect for others 自分と違った感じ方をする他人の存在を認め、その尊さを学ぶ
  • Self expression 感じたことを感じたそのままに表現することの大切さを学ぶ
  • Team work みんなで一つのことを真剣にやりとげることの素晴らしさと達成感を知る
  • Global 多文化への関心を高め、異なる言語を学ぶことへのモチベーションを喚起する

2005年には、じぶん未来クラブの佐野一郎代表が、アメリカでワークショップを見学して感動。翌年にこの活動を招聘(へい)することを決め、2006年から日本での活動がスタートしました。

ところが2020年のコロナ禍で、予定されていた日本でのワークショップがすべて中止。その後ヤングアメリカンズから派生したハートグローバルという団体が新たに誕生しました。

そのあたりの経緯は、じぶん未来クラブ(外部リンク)さんに詳しく書いてあります。

ヤングアメリカンズとハートグローバルの違いは、前者がアメリカ在住のキャスト中心だったのに対して、後者は、ウクライナ、アイルランド、アメリカ、日本など、10ヶ国から参加した30名の体制で行われるということ。よりグローバルになったというわけですね。

また国際交流協会とのかかわりは河内長野独自のものなんだそうです。他の地域では主催団体と地域で活動内容に賛同したボランティアスタッフだけで運営します。

しかし、河内長野では国際交流協会も全面的にバックアップするという3段階での協力体制になっているというのです。山本事務局長によれば今回は4年ぶりで、ヤングアメリカンズ時代から繋がりがあるそうです。

国際的な音楽教育活動に協力できる国際団体が、河内長野にあるというのは、少し自慢してもいいことではないでしょうか。

さて、ワークショップ会場に入りました。これは昨日、土曜日の午後だったのですが、見た限り、すでにキャストや参加の子供たちと一体感ができているような気がしました。

何も知らない初心者の子どもたちが、たった2日半で1,300人が収容できる大ホールでのステージに立つということに見学前は疑問を持っていましたが、これを見るとそうではないことがはっきりわかります。

しばらくワークショップの様子を眺めていました。すると指導するインストラクターのキャストの方が、英語と日本語を駆使しながら仕切っています。

指導の合間でGood!という言葉が良く聞こえるなど、子どもたちの動きを褒めることが多く、和気あいあいと楽しい雰囲気の中で練習を続ける様子は、ステージの上がインターナショナルな空気にも満ちていました。

同時に、子供たちにとっては生の英語でレッスンできることは、語学の勉強にもなる気がしました。

横山さんの話では、金曜日の夕方に初めて集合したとき、初心者の子どもたちは自分がどうすればよいかわからず、とまどうことで、心を閉ざした状況だったそうです。

そこでミートアンドグリートと呼ばれるプログラムで少しずつ心を開いてもらうことを行い、初日の段階ではオープニングの部分だけの指導を行なったそうです。

そして二日目から違うパートを練習し、歌のソロを務める子供なども決めていきます。

最終日、つまり今日はライトアップされた状態で少しずつ本番に近づけていきます。最後にはリハーサルがあり、そして夕方の本番ショータイムとつなげていくというカリキュラムになっています。

今回は82名の参加者が集まったそうですが、主催者の方の話ではラブリーホールのステージは奥行きを広げるともっとたくさんの人数が演技できるほどの十分な大きさがあります。そして来年は、もっとたくさんの子供たちに参加してもらいたいと言われていました。

キャストについてお話を伺うと、今回はコロナのこともあり、オンラインでキャストの選考を行ったそうです。ダンス動画などの審査などもあり、世界中から応募してきた中から選抜された30名が、子供たちと共にひとつのステージを作るわけです。

キャストは来日する前に自分でレッスンを行ない、今回の日本ツアーの前に千葉県にあるじぶん未来クラブで合同練習をしてきました。

ツアー先の各地域では、キャストはホームステイするそうで、山本事務局長によると、今回のワークショップ期間中も、河内長野を中心とした周辺の15か所のホームステイ先で滞在しています。

キャストはステージ上の練習風景を見るだけでもわかるくらい、とてもフレンドリー。ダンスがうまく、また指導の仕方もとても手馴れているのがわかります。

実際にキャストと楽しそうにしている子どもを何人も見かけました。

ハートグローバルワークショップでは、音楽を通じての出張教育を行なうわけですが、そこで最近よく耳にする「自己肯定感」を高める狙いもあるそうです。

キャストの優しい指導と一緒に、ワークショップに参加した仲間と楽しく練習を通じて自分自身に自信を持ち、行動や思考が前向きになるというのです。

これは、子どもの人生にとって非常に重要な学びがあるわけですね。

ソロでの練習もあります。大人数ならまだ周りの動きを真似ればできるかもしれませんが、ソロとなれば観客の注目が一身に集まり、より緊張するでしょう。

しかし、その場合は画像のようにキャストがすぐそばで優しく寄り添います。そういうシーンを何度も見ました。キャストがこうやって寄り添っている状況であれば、ソロを担当する子供も安心して自分の力を発揮できるのでしょうね。

さて、本日28日の夕方、この練習の成果を見られるショーが行われます。こちらは一般の方もひとり1.000円で鑑賞できます。

ショータイムは2部構成となっており、ACT1としてキャストのみのショーが行われます。これは2日半がんばった子供たちへのプレゼントの意味もあるとのこと。

ACT2がいよいよ2日半のワークショップでの成果をキャストと共に演じます。ふたつの時間合わせて2時間くらいのショータイムは、17:00開場、17:30開演の予定です。

今日のショーでは、子供たち全員がこちらの紫色のTシャツを着て演じるそうです。

30名のキャストと82名の子供たちの演技は本当に楽しみですね。

お時間のある方、興味のある方は、ぜひ2日半の練習で学んだ子供たちの晴れ舞台を見に行きませんか?来年も同じワークショップがあるそうなので、来年こそお子さんに参加させたいと思う方も、どんな成果となったのかぜひ確認にいらしてください。

余談ですが、国際交流協会主催の別のイベントが、6月17日土曜日の18:30から行なわれます。

フィリピンセントラル大学によるフィリピン民族舞踊公演で、河内長野市民交流センター(キックス)イベントホールが会場。こちらは、KIFA事務局へ電話申し込みすることで、無料で鑑賞できます。こちらも楽しみですね。

ハートグローバルワークショップショー(ラブリーホール大ホール)
住所:大阪府河内長野市西代町12-46
公演日時:5月28日 17:00開場 17:30から開演
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩10分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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