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【河内長野市】かつてのバス路線大阪唯一の村のすぐ手前の小深から、奥河内の最秘境・石見川まで歩いてみた

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

昨年の3月末で廃止になったバス路線があります。詳しくはリンク先に書いてありますが、石見川行きのバスです。

石見川は、山深い奥河内の中でも最奥にある秘境のような場所なので、利用者が少ないことで廃線になったのは仕方のないこと。現在は地域に住んでいる人向けのコミュニティバスが運行しています。

あれから1年半近く経ち、公共交通ではより困難な地域になった石見川地区は、小深のバス停から片道1時間余りを歩かなければならなくなりました。

私はそのくらいは平気なので、何度か歩いて石見川地区に行きましたが、ふとその道のりをまだご紹介していないことを思い出しました。

たまたま先日、石見川地区に行く機会があったので、ここでご紹介します。

石見川地区への行き方は、河内長野駅から大阪唯一の村・千早赤阪村にある金剛山ロープウェイ行きに乗ります。

河内長野と奈良の五條を結んでいる大沢街道沿いをバスは走ります。観心寺を過ぎて、鳩原、太井といった集落を抜けて小深バス停に向かいます。

小深バス停に到着しました。ここからは徒歩で片道1時間ほど歩きます。

バスは、ここから左に曲がって千早赤阪村に向かいます。小深の次のバス停はもう千早赤阪村になるので、小深は村に入るすぐ手前の集落です。

まっすぐの道は、今から歩く石見川への道。その先は奈良との県境です。

ということで、石見川に向かってスタート。到着した時の小深の気温は28度でした。

道路のすぐ横に、目指す集落と同じ名前の石見川が流れています。

この日は天気もとてもよかったです。小深が標高300メートルを超えており、石見川はさらに100メートル高い位置にあります。

午前11時の時点で摂氏28度と表示されていましたが、河内長野中心部と比べて、暑さが少し和らいている気がしました。

最初に見えてきたのは上小深バス停。現在は地域の人向けのバス停です。

バス停のすぐ近くに、小さな地蔵堂があります。

バス停から国道の右側の道がありますが、こちらは集落に向かう道なので歩きません。

集落に向かう道とは別に、国道を挟んだ反対側にも分かれ道があります。

反対側の分かれ道にも集落があり、その奥に山本家住宅が見えます。

ちょうど田んぼの稲穂が成長を続けている最中です。

山に囲まれたところで和める風景ですね。

道路わきに湧水が出ているところを見つけました。手を当ててみると水がとても冷たいです。

やがて、集落が終わり完全な山道になりました。

すると路線バスが廃線後に誕生した地域バスが、横を通り過ぎていきました。地域バスはこの地域に住んでいる人しか乗れないので残念です。

途中で石見川を渡ります。

橋の名前は新橋です。

市内中心部よりはまだマシだとはいえ、晴れ間になるとやはり暑いです。

国道は森の中に入っていきます。夏場は森の中に入ると小さな虫が多数寄ってきますが、まだお昼前だからか、虫の姿はほとんどありませんでした。

川のほうを覗いてみましょう。四国の清流・四万十川と同じ水質の水が流れています。

ずっと渓流になっていて、石見川渓流とでも呼びたくなるような流れ。

画像の様な本当に小さな滝が無数にあるので、マイナスイオンが発生していそうです。

国道の右側にいくつか林道に入る道があります。この林道を歩いていくと天見方面に抜けられるようです。

さらに歩いていきましょう。緩やかに登りが続いていますが、本当に緩やかなので歩いていて負担を感じません。

国道310号線を示す標識を発見。

もう一度石見川の橋を越えると、建物が見えてきました。

この橋の名前は、中畑橋というそうです。車だと無意識に過ごしてしまう石見川に架かる小さな橋も、徒歩であれば、それぞれの橋の名前がわかっていいですね。

建物の正体は、行者湧水です。車でみんなが水を汲みにくるところですが、農林産物の直売所があり、トイレや休憩所もあるので、私は石見川まで歩く途中に必ず立ち寄って休憩します。

行者湧水の人に「歩いてきたんですか」と驚かれてしまいました。やはり公共交通派は、多くの河内長野市民にとって、相当変わり者と思われているのかもしれませんね。

もちろん慣れているのでさほど気にせず、最初は直売所に向かいます。

農産物ではなく、農林産物の直売所です。林業の町でもある河内長野で、かつ山の中にある場所らしいネーミングですね。

野菜などの農産物、木材の販売のほかに、肥料のようなものも販売していました。

カップラーメンも販売しています。休憩を兼ねて軽い食事をする際にも利用できますね。

行者湧水で普段私は、湧水で淹れるドリップコーヒーを注文するのですが、夏場という事もあり今回はアイスクリームにしました。

こちらのアイスクリームを購入しました。夏場は歩かなくても汗ばみますから、休憩中に体を冷やすのには最適です。

行者湧水の休憩所です。有名人が多く訪れています。右手に扇風機が見えますが、セルフサービスで自由に使ってよいとのこと。

アイスクリームを食べて少し体を冷やしたところで、再び歩きます。行者湧水を過ぎれば石見川の集落まであと一息。

これは、行者湧水のすぐ近くにある水場です。帰りにはここで水遊びをしている中学生らしいグループがいました。仮の橋の先には六地蔵があり、その先は墓地になっているそうです。

しばらく歩くと、開けたところに出てきました。

遠くに山々が見えます。石見川の集落に入ってきたようです。

集落の入り口には、製材所があります。

ちょうどお昼だったので、作業している人はいませんでした。

石見川口バス停が見えてきました。バス停の右側に道が分かれており、その先には鳥地獄と呼ばれるスポットがあります。

石見川の集落の中を歩いていきます。

集落の中にある地蔵堂が見えます。地図上では地蔵尊とだけ記載してあります。

先を見ると山が見えます。この山を越えると奈良県ですね。

田んぼの真ん中に小さな祠が見えます。これは荒日九大明神との記載がありました。

石見川のバス停に到着しました。気温は31度で、1時間で3度温度が上がったようです。

石見川バス停まで来たので、ここで引き返しても良かったのですが、石見川と言えばいくつか関わりのあるスポットがあるので、そこまで行きます。

ちょうど画像の上に見える建物は宿泊施設の草庵・蕨(わらび)さんです。

この先にあるのは、水の杜さんと蕨さんへの分かれ道です。

左側の道に上がって行くところがあり、そこに蕨さんがあります。蕨さんについては、昨年実際に宿泊しましたので、こちらをご覧ください。

反対側・小深方向を見た様子。右の小径を歩けば蕨さんに行けます
反対側・小深方向を見た様子。右の小径を歩けば蕨さんに行けます

ということで、小深から石見川まで歩いてみました。何度も歩いた道ですが、今回は意識してポイントとなるスポットを撮影しながら歩いたので、いつもよりは新鮮であっという間に1時間余りの時間が過ぎました。

なお、帰りは下りが続くため、行きよりも早く降りられます。この地点から45分くらいで小深バス停に戻れます。

小深から石見川への道
住所:大阪府河内長野市小深、石見川
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス。小深バス停より石見川まで徒歩上り1時間余り、下り45分程度。

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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