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【河内長野市】南花台の下のコンクリートに描かれている謎のアート作品を眺めながら意外な正体を調べてみた

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

公共交通派である私は、歩いていて偶然に見つけるものが本当に多く、その正体を後で調べるのがライフワークとなってきています。さて今回も河内長野市内を歩いていて偶然に見つけたもの。場所は南花台の下側にありました。

場所を確認しましょう。南花台の北側を切り裂くように続いている国道371号線沿いにその壁を見つけました。

壁は高向南(楠ヶ丘入口)交差点のところにあります。南花台のエリアにありながら高向や楠ヶ丘との接点にこの壁があります。また壁の上には住宅が見えますが、位置的に南花台の住宅と考えられます。

改めて見てみましょう。無機質に見えるコンクリートに、少しデザインを加えるだけで、ずいぶんと雰囲気が変わりますね。南花台を造成するときに作られたものでしょうか?

一本のロープのようなものがあり、そこに花と思われるものと、鳥を象ったもの描かれています。単なる絵ではなく立体的に表現しているのが特徴的ですね。また後年育ったであろう緑の葉っぱとの相性も悪くありません。

さて、この壁の正体を調べたのですが、意外なものであることを知りました。

驚いたことに、河内長野のまちかどアート(外部リンク)のひとつだったのです。26番で「風麗ら」というタイトルがついていて、池田清という人が手掛けたとあります。

ちなみに池田清さんがどういう方か調べたのですが、陶壁画家で、「池田清原画集/陶額堂・昭和63年」という作品がネットのオークションで出てくるくらいで、あまり詳しい経歴などは出てきませんでした。

ところでまちかどアートで作者「池田清」さんの隣に気になるキーワードを見つけました。それは南花台調整池壁面です。つまりこの壁の反対側に南花台調整池というのがあり、その壁にアート作品を描いたという事になります。

航空写真で壁の近く:長細いのが南花台調整池
航空写真で壁の近く:長細いのが南花台調整池

ちなみに調整池とは開発に伴って失われた保水機能を補うため、雨水を一時的に貯めて河川への雨水の流出量を調節することにより洪水被害の発生を防止する施設です。普段は何も入っていないのですが、いざ大雨が降ると威力を発揮します。

1972(昭和47)年度以前から使用されているそうで、こちらは河内長野の雨水経路(地下に通じている雨水を流すためのもの)を示したものです。調整池からの水は、東側にある楠ヶ丘の町を横断して天見川に流れるようになっていました。

航空写真で見るとこのようになっています。ほとんどが地上に見えない暗渠(あんきょ)ですが、天見川近く三日市小学校付近で水路が地上に出てきて川に流れているようです。

三日市町駅近くの天見川です。確かに左側を見ると小さな川が出てきているのがわかります。完全には確かめきれませんが、恐らく南花台調整池からの水がここにまで流れるようになっているものと考えられます。

このように調べていくと、パズルを解くように謎が解けていて楽しいですね。

ちょうど調整池の壁から太陽が姿を現しました。

また調整池の壁から北側を見ると非常に見晴らしの良いところに出てきました。「風麗ら」というタイトルの通り、ここには麗かな風が吹いてきそうな雰囲気です。

という事で南花台の下側に偶然に見つけた謎の壁の正体を調べてみました。壁の絵がまちかどアートというのも驚きですが、その壁の正体が南花台に不測の事態があった時に威力を発揮する調整池だったとのこと。

さらにその池の水が楠ヶ丘を通って天見川に流れていくという事実、中々興味深かったです。

南花台調整池の壁アート「風麗ら」
住所:大阪府河内長野市南花台南花台7丁目4
アクセス:南海三日市町駅からバス 南花台1丁目北バス停から徒歩7分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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