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【河内長野市】千石谷の大滝は圧巻のスケール!黄色い服を着た観光ボランティアさんとのハイキングに同行♪

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

私は普段、個人で観光スポットなどを巡っています。しかし、気になるけど個人で行くのがすこし遠いスポット、例えば、滝畑にある大滝などは、行きたくてもなかなか行くことができませでした。

そんな時に、かわちなが観光ボランティアガイドさんが、大滝を案内するツアーを募集していました。

道の駅奥河内くろまろの郷の観光ボランティアさん
道の駅奥河内くろまろの郷の観光ボランティアさん

以前、観光案内所などで黄色い服を着た人たちをよく見かけましたが、その人たちが観光ボランティアガイドさんです。

つい先日も観心寺の入口で観光ボランティアガイドさんの姿を見ました。

また今年の1月に行われた流谷八幡神社の縄掛け神事にも、観光ボランティアガイドさんが参加者とともに姿を見せていました。

かわちながの観光ボランティア倶楽部の公式ページ(外部リンク)によると、観光ボランティアガイドさんは現在60人くらい在籍していて、市内の観光ガイドをしてくれています。また毎年春には、ボランティア育成の講習会を行なっています。

今回のハイキング当日、河内長野駅からバスに乗りました。集合時間にバスで到着するには9時台に出発する滝畑ダム行きしか方法がありません。この時にすでに黄色い服を着用したボランティアガイドさんの姿がありました。

滝畑ダムバス停から、レストランや売店のある滝畑観光の前に来ると、ここで受付を行っていました。

今回は滝畑・大滝めぐりということで、いただいたチラシには主に大滝までの間に通る千石谷についての説明が掛かれています。岩湧山と南葛城山との間にある谷で、東西に6キロメートルの長さがあります。

最初に全員で集合して、説明がありました。この時に知ったのですが、今回案内してくださるのは、ボランティアガイド滝畑班とのこと。どうやらそれぞれの地域ごとに班があってそれぞれ属しているボランティアガイドさんが違うようです。

最初に今回の行程の説明などがありました。

その後、軽い準備体操を行います、滝畑の場合は自然相手のウォーキングがメインになるため、このような屈伸運動が必要になってきます。

いよいよ出発です。この時は2グループに分かれての行動でしたが、私は前のグループについていきました。

最初に岩湧山登山口から上がって行きます。もちろん山頂まで登山するのではありません。

最初の林道のところまで歩きます。とはいえ山道なのでどうしても遅れる方がいらっしゃいます。ボランティアガイドさんはそういう方に寄り添いながら、ゆっくりと山を登っていかれていました。

林道に出てきました。ここから大滝までは、林道に沿って緩やかな道を歩いていくとのこと。ちなみに林道は岩湧山山頂まで繋がっているそうです。

ただ、11月中は林道が工事中のため歩行者も含めて通行不可とのこと。11月中は明日までなので、このルートを歩く予定のある方は注意しましょう。

舗装された林道に沿って歩いていきます。

林道は途中から非舗装の道に変わりました。

上を見上げると木々に覆われていて、森林浴には最適です。

林間歩道と書いていますが、ボランティアガイドさんによれば、この下の道を歩くと川の前に出て、それを渡って対岸に向かっているそうです。この時点では音も聞こえませんが、実は大滝から流れる千石谷の流れが下にあります。

しばらくすると水の流れる音が聞こえ、やがて川が姿を見せました。

これが千石谷の流れです。流れに逆らって大滝を目指します。

途中で休憩があります。参加者が体調を崩さないように、こうして随所で休憩と水を飲む時間が設けられています。

休憩中にガイドさんからのいろいろな説明が入ります。千石谷のことや大滝のこと、滝畑はかつて閉鎖された盆地にあった村々で、和泉、河内、紀州へと連なる3本の道で行くしか方法が無かったといった歴史的な話を聞くことができました。

ガイドさんは「大阪市内から30分で河内長野駅、そこから車でさらに30分、大阪市から1時間強でここに来れる」ようなことを話していました。乗換などを考慮しても大阪市内にあるビル群から2時間もあれば自然に囲まれたところに来れるのは確かですね。

少しだけですが、水の流れがわかるように動画を撮影しました。

しばらく歩くと大滝に向かう下り坂に到着したので、坂を下りていきます。

下っていくと建物が見えてきました。

建物です。雰囲気としてもう使われていないようです。

看板には「宗教法人 眞の道大滝修練道場」と書いてあります。調べましたが情報が出てきません。下駄箱のようなものがあることから、大滝で滝行をしていた場所なのかもしれません。

大滝が見えてきました。瀧への道に柵がありますが、ボランティアガイドさんは「それに頼らないで」と言います。柵がさびてボロボロなので、柵を触るとかえって危険とのこと。

という事で柵に手を触れることなく滝の前に行きました。これが千石谷の大滝です。落差は15メートルほど。滝畑四十八滝のひとつで最も美しい滝ともいわれています。

ボランティアガイドさんによれば滝の上の方にも見られるスポットがあるとのことでした。

こればかりは動画でないとその雰囲気がわからないと思いましたので、動画をご覧ください。

激しく滝つぼに落ちる大滝殻はマイナスイオンが多く湧き出ている気がします。多分単独で大滝を目指そうとしても途中で挫折したかもしれないほど山奥にありました。ボランティアガイドの方々に感謝ですね。

上がって行くと、行きにはなかった「大滝」の看板が取り付けられました。このように看板を取り付けて利用者が迷わないように配慮されるのもボランティアガイドさんのお仕事なんですね。本当は黒マジックで矢印を書きたかったそうですが、うっすら矢印は見えます。

帰り道は来た道を引き返します。

一度通った道なので、行きと比べて楽な気がしますね。

帰りも途中で休憩タイムがありました。ここではあまり聞けない裏話、かつて相互タクシーが所有している山と研修施設があり、そこには戦時中に運用していた木炭車の燃料を作っていたことや高野豆腐は和歌山県の人が滝畑側の醤油谷に来て作っていた話など。

また滝畑にはかつて小さな発電所があったそうで、他の地域よりもいち早く電気が使えたという話なども伺えました。

このとき以前滝畑ふるさと文化財の森センターの常設展で見た、滝畑の水力発電所の展示「瀧幹(たきかん)」展を思い出しました。

またこちらの施設は滝畑高区配水池です。かつては簡易浄水場もあったそうなのですが、今は使われていないそうです。

さて、行きに滝畑観光の隣にある岩湧山登山口から上ってきた分岐点に来ました。帰りはこの道を下るのではなく、林道を先に進みます。

するとこのようなゲートがあります。これは一般車両の通行を制限しているためのもの。

林道の名前は千石谷線という名前ですが、その上を見ると民有林林道と書いてあります。つまり個人所有の山の中を通っている林道で、道そのものは河内長野市が管理しているとのこと。

かつて粗大ごみを捨てて放置した連中がいるため、水質が悪くなりこのような措置を取ったとのこと。これは道を外れた個人の庭にごみが捨てられたようなものなので誰でも怒りますね。歩行者だけは通れるようですが、もちろんごみを捨ててはいけません。

林道から抜けて郷に出てきました。東村、中村、西村といった名前の地名が残っています。

途中に国の重要文化財で指定されている左近家住宅があるそうですが、個人所有の家の奥にあるため、通常そこには行けないような話をされていました。代わりに写真でどのような家なのか見せていただきました。

茅葺の家も数少なくなってきているそうですが、後でちょうど茅葺の吹き替え作業をしている家の前に行くことができました。

滝畑の集落には初めて行きました。眼下に滝畑ダムの人造湖が見えます。

ボランティアガイドさんが案内してくださったのはアトリエのぶさんです。元高向中学校滝畑分校の教師で、その後大阪芸大の教授をされていた末延先生が退職後に開設したアトリエです。ここで各自が持参したお弁当での昼食タイムのあと、末延先生の講演がありました。

こちらが末延先生です。ここで末延先生は教師として滝畑分校に赴任した経験をもとに滝畑の話を講演してくださいました。

滝畑の貴重なお話を伺いながらいろいろな物を見せてくださいます。こちらは融通念仏宗が盛んだった滝畑地区のおつとめ本とのこと。

またこちらはダムになる前の滝畑の様子を描いた図です。末延先生は意外なことを言います。ダム湖ができるずっと前、遥か昔は滝畑に大きな湖があったという伝説の話です。

また実際に赴任された滝畑小学校や高向中学校滝畑分校の写真です。河内長野市になる前は旧高向村に属していた滝畑地域だから、高向中学校の分校があったわけですね。ちなみに現在の滝畑地区は高向小学校と西中学校の校区です。

帰りのバスの時間があるので、ボランティアガイドさんの合図で、末延先生の講演は終わりました。その後、帰路の途中に先程話のあった茅葺が新しく吹き替えられているのが見えました。

岩湧山山頂にはかつて「キトラ」と呼ばれた茅場があり、今も滝畑自治会が管理している場所があります。

岩湧山山頂付近にある滝畑自治会の石碑
岩湧山山頂付近にある滝畑自治会の石碑

その茅(かや)を使って吹き替えているそうですが、吹き替えには1,000万はかかるとか。驚くほど高額なのだそうです。

余談ですが、反対の和歌山側に行くとかつらぎ町で和歌山大学が主導して行っている、新しいタイプの茅葺屋根のスタイルの試みが行われていました。茅葺も大切な伝統なので、こんな風に新しいデザインを取り入れたりして、今後も残ってほしいと思いました。

バス停に急ぐ一団です。今回はバスの利用者が非常に多く、河内長野市内各地からの参加者が多かったそうです。

ボランティアガイドさんによると、これまで大阪市内や県外からの参加者もいたそうで、河内長野市内の方が多いことに驚いておられました。それでもいちばん遠い参加者が泉北で、次に富田林の人が参加されており、河内長野観光は市外の方からの関心が高いことがうかがえます。

さて、14時台に発車するバスが待っていました。これを逃すと次は16時台までバスはありません。

ということで、参加者でバスを利用する人たちが全員乗ったことを確認してボランティアガイドの皆さんとはお別れです。この後は滝畑観光レストランでミーティングがあるそうで、ボランティアなのにお仕事お疲れさまでしたと思いました。

というわけでボランティアガイドさんのツアーに同行取材しました。想像以上に参加者に寄り添い、知識も豊富なボランティアガイドさんたちのお話を聞いているだけでとても為になるのでおすすめです。次回は11月18日に川上地区でのガイドツアーが行われます。

以降の、予定表もあります。12月は石仏から烏帽子形城、1月は流谷八幡の縄掛け神事、2月は寺ヶ池と導水路、3月は天見の山茱萸(さんしゅゆ)見学のツアーがあるそうです。

また企画以外の個別の案内もできるそうなので、河内長野にある自然や歴史を知りたいと思えば、気軽に観光ボランティアガイドさんに相談してはいかがでしょう。

大滝・千石谷
住所:大阪府河内長野市滝畑
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 滝畑ダムバス停から50分程度

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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