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【河内長野市】難解地名、鳴尾(どんど)は「21歳拳で」だけではない!逆サイフォン井路や鳴尾神社の魅力

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

1月15日ごろを中心にどんど(どんと)焼きが行われる神社がいくつかありますね。左義長とも呼ばれるこの行事は河内長野でも、西代神社や赤坂上之神社などで行われます。しかし、「どんど」と読む地名が河内長野にあることは、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。

鳴尾を「どんど」と読むと、はじめて聞いたときにはさすがに驚きました。普通は「なるお」と呼んでしまいますね。

由来を調べると昔、塩谷川という川が流れていたそうで、その川が「どんどんどん」という響きだったのでその名前が付いたという説がありました。

今は塩谷川はありませんが、地図を見る限り細谷池の一部が鳴尾地域方面に出ている部分があり、昔は流れがあったような形跡が見られます。実際に地下水路の図を見ると、現在も道路の下に雨水幹線(雨水の通り道)があるようで、細谷池方面に流れています。

突き当りの森に細谷池の端の部分があり、道路が旧塩谷川?
突き当りの森に細谷池の端の部分があり、道路が旧塩谷川?

「どんどんどん」という音がするくらいなので激しい渓流だったのでしょうか。またこの辺りには旧石器時代の塩谷遺跡もあるそうです。

鳴尾地区は難解地名のこと以上に、かめさん公園とも呼ばれている鳴尾公園がある動画がきっかけでネットの世界では聖地になりました。「21歳拳で」です。昨年の年末にもある有名なユーチューバーが訪問したということで、ネットで話題になっていました。

しかし、鳴尾は「21歳拳で」だけが名物ではありません。例えば公園の横にあるこちらの石碑を見ると興味深いことが書かれていました。

詳しい説明があります。説明版によると寺ヶ池と寺ヶ池水路ができたことで、千代田地域では新田開発が盛んにおこなわれたが、鳴尾地区は水の便が悪くて明治時代後期まで水が乏しく野菜しか栽培できなかったとのこと。

農業用水の名残らしきものが鳴尾公園の北側にありました
農業用水の名残らしきものが鳴尾公園の北側にありました

そしてこれを嘆いた当時の篤志家が、寺ヶ池の水を利用するために幅4メートル高さ2メートルの堤をつくり、その上に水路をつくって水を流したので、農業用水が供給できて鳴尾にも水田ができたとのこと。

その偉業をたたえるために石碑が建てられたとのことですが、2000年ごろまで流れていた用水路が鳴尾公園をつくるために解体されます。しかし当時の新田開発に大きな役割を果たした事実を後世に残すために、石碑を公園内に移設保存したそうです。

つまり水の無い鳴尾に水を供給するために高い堤を作ってそこに水を流したとのことですが、さらに調べると途中逆サイフォン構造の井路(水路)として南海高野線や国道310号線の下を流れていたという情報がありました。

もうひとつは鳴尾神社です。これは鳴尾公園の南側の道を東(北東)方向に歩いていくとあります。

神社の周りは塀に囲まれています。

鳴尾神社の創建は不詳で祭神は明確にはなっていないようですが、かつては牛頭天王をまつっていたそうなので、素戔嗚(スサノオ)の尊とと言われているそうです。

明治時代に周辺にあった木戸神社や伊予神社らとともに菅原神社に合祀されて千代田神社になり、現在も鳴尾地域は千代田神社の氏地とのことですが、何らかの理由で鳴尾に再び祀られたようです。

なお神社は2017年に9月に改築されたそうで、その2年前にはだんじりを狭山の池之原地区から購入して、千代田神社に宮入して鳴尾神社でも祭祀が行われるそうです。

神社の手前には地蔵堂もありました。

昨年の3月に撮影した鳴尾公園
昨年の3月に撮影した鳴尾公園

また、2か月ほど先になりますが、鳴尾公園は桜の名所です。少し時期が早いご紹介となりましたが、桜の美しい季節に21歳拳で以外の鳴尾の魅力、鳴尾公園の石碑や鳴尾神社周辺を歩いても良いのかなという気がしました。

鳴尾公園

住所:大阪府河内長野市木戸2丁目31-2

アクセス:南海千代田駅から徒歩11分

鳴尾神社

住所:大阪府河内長野市木戸2丁目20

アクセス:鳴尾公園から徒歩3分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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