Yahoo!ニュース

【河内長野市】試飲とお土産付きで1,100円!今年も南河内唯一の日本酒蔵、天野酒で酒蔵見学が始まった

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

南河内で唯一残っている天野酒(西條合資会社)さんで、河内長野の冬の恒例行事、今年も酒蔵見学会が始まりました。

私は日本酒が好きなこともあり、毎年この時期がとても楽しみです。酒蔵見学会(外部リンク)は3月2日まで、毎週土曜日13時からと15時の2回行われています。参加費はなんと1人1,100円!見学だけでなく、試飲とお土産付きという太っ腹な企画です。

最初に大家(おおや)製造部長による天野酒さんの歴史に関する説明がありました。豊臣秀吉が愛したとされる天野山金剛寺の僧坊酒の名前だった「天野酒」を西條さんで作られるいきさつなどです。

先代社長の時代に、天野酒の名前で商品を出すことになり、その際に猪鍋など濃い料理に合うお酒を作っていた丹波杜氏から、造りなどに合わせるのに最適な南部杜氏に変えたこと。やがて大阪でも北の呉春とともに名の知れた酒蔵になった話などを伺いました。

南河内には、かつては羽曳野の近つ飛鳥(オキナ酒造)や富田林の万里春、藤井寺の藤本酒造場などいくつかの日本酒の酒蔵がありました。それらがすべてなくなり、天野酒さんだけが生き残ったのです。

さて、中での説明の後は外に出ての説明です。酒蔵見学に参加すると、改めて河内長野には現役の酒蔵が残っている貴重な町なんだと認識します。

杉玉の説明です。秋に杉玉づくりのワークショップがあり、新酒誕生の合図と共に新しいものと付け替えます。

説明の中には、酒蔵通りのところには電柱が無いなどの話がありました。

そして毎年聞いているのに今年も新しい発見がありました。例えばこちらの大樽のまえにある柱。

この輪っかはかつて馬などが運搬用や移動手段として活躍していた頃の名残です。ここに馬の手綱をくくりつけていたそうです。

そして酒蔵の中に入ります。普段は入れないエリアです。

こちらは米を水につけてそれから蒸す作業を行うところ。

使用する酒米は山田錦や五百万石とのことです。ホワイトボードには、細かい指示が書いてありますね。

こちらが米を蒸す甑(こしき)とのこと。

麹室の前に来ました。合計48時間かけて米麹をつくる場所。神棚が備えられています。

日本酒の神様といえば京都の嵐山の手前にある松尾大社ですね。お札がありました。

具体的な麹菌(黄麹)を見せてくれながらの説明です。

麹室の温度の話で、はだかで作業することの意味など、例年以上に今年は情景描写などもあってすごくわかりやすい説明でした。

野生酵母が酒蔵内に住み着いているので、同じ酵母を使っていても酒蔵によって味が違うそうです。

野生酵母といえば、ベルギービールで酸味のとくに強いランビックというスタイルのビールを思い出しますが、日本酒蔵でもあるんですね。

さて、仕込みが進んでいるもろみ(醪)の見学です。昨年までは、ハシゴに登る必要がありましたが、今年は台に乗るだけで拝見できてとても便利でした。

発酵を続けているもろみの中を覗いてみました。

発酵を表す泡が見えました。発酵の状況が変わるらしく、クラシック音楽が流れていました。

奥に発酵用のタンクが並んでいます。

出来上がった酒を貯蔵するタンクです。

ひとつひとつに細かいサイズ記載があるのは、税金(酒税)の関係とのこと。

昭和時代のタンクがほとんどですが、中には平成時代のタンクもありました。

こちらはお酒を搾る機械ですね。

最後に活性炭を入れて匂いと色をとるとのこと。

ということで説明が終わりました。日本酒お作り方を知らない人でも、本当にわかりやすい説明という気がしました。

そしてお待ちかねの試飲の時間です。

試飲用のカップと天野酒さんで販売している佃煮が用意してあります。

右から新酒、濁り酒、無濾過吟醸、そして新しい商品の甘酒です。特に発売されたばかりの古代米甘酒は堺・美原で栽培された古代米を使っているとのこと。

自分で好きに入れて良いので、順番にいただきました。

ということで試飲タイムです。地元贔屓というわけでも無いのですが、私は旅先などでいろんな地域の地酒・日本酒をよく飲むのです。それでも天野酒さんの味は好きだなと思います。

美味しいお酒を飲みながらの楽しいひととき。ライスワインとして、海外から注目されている日本酒らしく、海外からのお客さんがいて通訳の説明を聞きながら楽しく飲んでいたのが印象的でした。

それにしても、小瓶のお土産がついてひとり1,100円はかなりお得だと思います。2月いっぱい土曜日に13時と15時の2回行われていますので、興味のある方は是非天野酒さんの酒蔵見学に行ってみましょう。

※ホームページの専用ページで予約しての参加になります。

目の前に天空さんがオープンしたことから、酒蔵見学の前に天空さんでランチを味わう、あるいは15時の見学会の後、天空さんで夜の営業で飲みなおすなども、お勧めのコースです。

画像は酒蔵見学のお土産です
画像は酒蔵見学のお土産です

天野酒(西條酒造)(外部リンク)

住所:大阪府河内長野市長野町12-18

酒蔵見学会:3月2日までの毎週土曜日 13:00、15:00の2回

料金:1,100円(試飲、お土産付き)

アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩5分

---------------------------------

奥河内から情報発信のおすすめ記事がLINEに届きます!

奥河内地域に住んでいる人たちに役立つ情報を毎週水曜日の10:00にお届けします。

ぜひご登録ください!

<友だち追加の方法>

■下記URLをクリックして友だち登録してください

https://line.me/R/ti/p/%40oa-okukawachiinfo?oat_source=yahoo_news&amp;oat_medium=article&amp;oat_page=detail_link

※本リンクはYahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています

---------------------------------

※記事へのご感想等ございましたら、プロフィール欄にSNSへのリンクがありますのでそちらからお願いします。

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

奥河内から情報発信の最近の記事