【富田林市】本場の神楽の熱演は大迫力!3月9日ひろしま神楽大楠公河内神楽祭、すばるホールで開催します
今日2月20日は、1607(慶長12)年に出雲阿国が江戸城で徳川家康らを前に、歌舞伎踊りを披露したことを記念し、歌舞伎の日だそうです。伝統芸能の歌舞伎は出雲発祥というわけですが、そういえば神楽も出雲地方では盛んですね。
河内長野の西代には西代神楽があり、秋から冬にかけては伊勢大神楽が南河内地域を回りますが、神楽の本場といえば、出雲や石見といった中国地方や九州地方の高千穂を連想します。そんな神楽の本場といえる地域・広島から、南河内の英雄・楠木正成のエピソードを演じるという公演が3月9日にすばるホールで行われます。
今回で4回目になるという大楠公河内神楽祭を主催するのは、太子町の町議会議員で関西瑞穂運輸代表取締役の中村直幸さんです。しかし、ひろしま神楽と太子町と楠木正成の関係もわかりませんし、すばるホールで行われる理由も不明です。というわけで中村さんに詳しいお話を伺いました。
中村さんは広島県境近くの島根県生まれで、大阪に出て太子町で会社「関西瑞穂運輸」を立ち上げました。出身地とのつながりが今でも深いそうで、町人会という組織があり、30年近く大阪で働いている同じ故郷の人たちと、年に1回、故郷の神楽を呼んでの鑑賞会を行っていたそうです。
しかし、会を作って30年近くが経過して2世の時代の今、状況が変わりました。最盛期には500人ほどいた町人会も100人程度にまで減少したために、いったん町人会を解散し神楽を呼ぶのを止めてしまったそうです。
とはいえ、秋祭りの神楽は中村さんが生まれてからずっと見ていた欠かせないもの。といっても故郷に帰るのも大変だと思った中村さんは、再度本場の神楽を呼ぼうと決意しました。そして1回目は千早赤阪村のくすのきホールで、2回目以降はすばるホールで開催していました。
しかし、今回はなぜか河内神楽と称して楠木正成が登場するのです。いったいどういうことでしょうか?
ここでひとりのキーマンが現れます。それは島田智明河内長野市長でした。島田市長は「楠公さんを大河ドラマに」という運動を行っており、実際に宅建協会が毎年行っている楠木正成の無料講演会に、講演とパネリストとして参加しておられます。
あるとき、島田市長と中村さんが大河ドラマ誘致に関する話しが行われる機会があり、故郷の神楽でも三団体だけ演じられる楠公に関する演目「櫻井の駅」があるという話題になりました。それだったら大阪でやろうということで意気投合し、4回目は河内神楽としてそのうちのひとつ、原田神楽団が登場することになりました。そのようなこともあり、河内長野市・河内長野市教育委員会が後援となっています。
原田神楽団(外部リンク)は、広島県無形民俗文化財に指定された神楽団で、安芸高田市にある原田八幡神社を守護神として祭礼に奉納し、17以上の演目を保持しているとのこと。年間40回以上の公演を行っています。結成時期は不詳とのことですが、明治時代の初期には活動したとされる歴史ある神楽団です。
桜井の駅のエピソードは、死を覚悟して湊川に向かう正成と子の正行が別れた場所ですが、その場所を取り上げたのは、親子の愛を感じるからだと言います。だから古い中世の時代の日本の文化をぜひ親子で見てほしいと中村さんは力説されました。
さらに中村さんは、石見神楽・出雲神話を独自に研究されたこともあるそうで、それによれば、宍道湖に流れる斐伊(ひい)川は、大蛇を意味していてその大蛇(ヤマタノオロチ)を素戔嗚(スサノオ)が鎮めるのは堤防をつくった行為の可能性があるそうです。
そして堤防をつくった労働者に対して酒をふるまったことが神話として残ったのではと話してくれました。確か古代エジプトでもピラミッドを作った労働者にビールを支給したという話を聞いたことがあるので、それもうなづけます。
さらに、島根地域にはホウ素(boron)が検出されており、これは鉄を生成していた根拠とのこと。古代から「タタラ製鉄遺跡」が島根地域にあり、製鉄のために山の木をどんどん切っために、ハゲ山が増え、洪水の元になった。それが大蛇が暴れている様子につながり、ヤマタノオロチ伝承ができたのではという話でした。
お話を聞いていてとても興味深い話だと思いました。そして当日午後の部には「櫻井の駅」の後に「ヤマタノオロチ」も演じられます。出雲・石見を流れる大河とタタラ製鉄の歴史に思いをはせながらすばるホールで暴れまわる大蛇の演舞を見てみてもよさそうですね。
その他の演目として、午前の部に「紅葉狩」があります、これは平安中期の武将平維茂(たいらのこれもち)が、信濃国戸隠山で紅葉狩の宴を催す美女たちに出会い、酒を勧められて酔っぱらつた維茂に、恨みを持っていた鬼女が正体を表して襲い掛かかるというもの。能舞台の般若を連想させられるような、美しい姫が鬼に変身する迫力ある戦いが見られます。
神楽以外の進行ですが、冒頭に中村さんおよび石丸伸二・安芸高田市長のあいさつが行われた後、午前の部だけ神楽の最初に行われる胴の口とよばれるの清めの儀式があります。代わりに2部は南河内だんじりの曳き唄を夢響会が行います。
そのあと「大楠公の歌」を、ソプラノ歌手の西尾薫さんにより6番まで歌われた後、神楽が始まります。
そして神楽が終わった後には、島田市長自らファシリテーター(取りまとめ役)となって寺社仏閣・関係者によるパネルディスカッションもあるとのこと。本当に盛りだくさんですね。
また、当日の観覧者だけの特権として、すばるホールのホワイエでお土産屋のコーナーがあります。レインボーホールにあるレストラン大楠公のうどんや古民家彼方のどらやきなど、和菓子や洋菓子を販売するので、神楽の余韻に浸りながらお土産を選ぶのも楽しみです。また本の販売や署名活動も行われるとのこと。
というわけで3月9日第四回大楠公河内神楽祭をご紹介しました。楠公さんに関するイベントや催しは、南河内地域にはいくらでもありますが、神楽を舞うのはなかなかみられません。この機会に本場の石見神楽を楽しんでみてはいかがでしょう。当日券もありますが、前売り券のほうが断然お得です。
すばるホール(ひろしま神楽大阪特別講演)
住所:大阪府富田林市桜ヶ丘2番8号
日時:3月9日(土)
午前の部:11:00開場 11:30開演
午後の部:15:30開場 16:00開演
入場料:前売り:SS席・5000円 S席・4000円 A席・3000円
当日:SS席・5500円 S席・4500円 A席・3500円
お問い合わせ:0721-80-2782(関西瑞穂運輸株式会社 神楽公演事務局)
アクセス:近鉄川西駅から徒歩10分
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