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自衛隊や警察の指導、映画の戦闘戦術スーパーバイザーでも活躍【戦闘者、稲川義貴】が考える現代の危機管理

おりえ総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

戦闘者 稲川義貴が考える今の時代の危機管理・護身について その1

自衛隊や警察の指導、映画の戦術戦技スーパーバイザーでも活躍中の戦闘者、稲川義貴氏。

まずタイトルを見て戦闘者?と思った方もいるかもしれません。

実はただものではない彼、零距離戦闘術(ゼロレンジコンバット)という近距離戦闘術の創始者で、特殊部隊に所属していたこともあり、自衛隊・警察などの訓練指導も行う実力者です。

そんな彼の技術は映画の「HiGH&LOW THE RED RAIN」「キングダム」の迫力の戦闘シーンでも生かされており、中でも「RE-BORN」では本人もアビスウォーカーという役柄で出演、圧巻の動きを見せています。その「RE-BORN」で主演されているアクション俳優の坂口拓さんが配信している【狂武蔵たくちゃんねる】の中では師匠の稲川先生として出演されていて、その戦術や知識を垣間見ることができますが、メディアの中で発信できる内容とできない内容があるとの噂があり!?まだまだ謎の多い稲川氏、今回はそんな【戦闘のプロ】である彼にこの時代を生き抜くための危機への対策や考え方、そして自衛隊や映画の裏話まで色々とお伺いしてみました。

戦術のプロとプロテクト

実は稲川氏と危機管理アドバイザーの筆者が初めてお会いしたのは今回のインタビューより少し前の事。

戦闘者と呼ばれる方が一般の人にも使える身の守り方があるからと危機管理に興味があると聞き、共通の関係者を通じてお会いしたのがきっかけ。

とりあえず事前情報として彼を調べたところ、その風貌は上下の迷彩にキャップにサングラスに口ひげ、煙草をふかし、低音のハスキーボイスと威圧感しかない怪しさ全開の人!

YouTube視聴した内容は、特殊部隊などの危険な話、人間離れした動きで武器を操る姿、正直唖然。

「うわ、これはやばい人だ」という感想しかなく、当時は会うのすら断ろうかと躊躇したほど(すみません)

だってこれですよ!!普通怖いってば。

戦闘者 稲川義貴が考える現代の危機管理
戦闘者 稲川義貴が考える現代の危機管理

とはいえ『実力者なら攻めだけではなく守りの技術ももちろんすごいはず』

危機管理能力への興味と怖いもの見たさには勝てず、おそるおそるご本人にお会いしてみたのが始まりでした。

あまりの物腰の柔らかさと腰の低さに驚き

『ええ?見た目そのままなのに印象がまるで別人ですけど』

お会いしてすぐの感想がこれ。

ぜひぜひ遠慮なく何でも聞いてくだされば答えますよー。と終始笑顔のまま、稲川さんご本人がさくさくと動き、席の準備やお茶飲みますか?などの気遣い、軽快なおもてなしフットワーク。そして丁寧な敬語。

多少なりとも武道経験があるので『武』にかかわる方は経験値が高いほど腰の低い人が多い印象はありますが、これほどに腰が低い丁寧な対応とは、もっと憮然としているかと思っていたのに一瞬でイメージが覆されました。

ゼロレンジコンバットのベース深き森に潜入

とはいえ、お伺いした稲川氏のベース(道場)の中はジャングルのような深き森感。見たこともない銃や何個並んでいるかわからないカランビットナイフなどの武器武器そして武器!!さらにアルコールなどが並び(なぜか時々ミニ四駆)、映画で使用した衣装そのままで顔は骸骨の等身大アビスウォーカー(稲川さんの役)が見張り役という、まるで大きくて悪そうなこだま?までいるなんだか異世界

ゼロレンジコンバットのベース 深き森感 稲川義貴
ゼロレンジコンバットのベース 深き森感 稲川義貴

これ写真や動画に映っても大丈夫ですか?と一瞬不安になるほど。

「ええ、ぜひぜひ、違法なのはなにもないので」と笑顔でおっしゃいます。

さらにたまたま近くに合った銃を軽い気持ちで『触っても大丈夫ですか?』と聞いた所、いいですよ!と言いながらさっと立ち上がりすぐに安全確認してから、その銃の持ち方、使い方、銃の種類、重さ、構え方、角度、なぜそう構えるのか、どこを狙えばいいのか、なぜそうするべきなのか、打った時の衝撃とリスク、相手のダメージ、撃った本人の(私の体型だとどれくらい等)ダメージや怪我の種類と怪我の程度の可能性など色々真剣に熱く説明してくださいます。

銃の構えや撃ち方を習いながら心の中で思う

軽い気持ちだったのに説明が永遠に終わらない!?これは本気のプロじゃないか!!1を聞いて100返す普通じゃない人を発見してしまった笑』

この人怖いじゃなくて詳しすぎてヤバイ感じだぞと思いながらも危機管理アドバイザーとしてのテンションは爆上りです。

経験者にしかわからない特化した危機管理能力

先ほどのやり取り、何が普通じゃないかというと、私が軽く聞いた答えが攻めだけではなくまず安全確認から入り、本人のリスクやケガの危険性、なぜ危険なのか?その度合いまで当たり前に説明できていることなのです。

多分その銃についての知識や使い方なら、ある程度のマニアであれば説明できるし普通なら熱く語るもそこまでしかしない。使った本人のリスクまで瞬時に細かく説明できるのは実際に警察や自衛隊に指導して本気で現場に向き合っている人、命の危機管理能力が特化した人しかできないなと唖然としました。

弾入ってないのにそこまで説明しないから普通。

そんな稲川氏の人柄を知った後、youtubeなどの動画を改めて見直すと、話す内容は相変わらずすごい感じですが、なるほど武器の説明や戦闘の動きなどに対しては教え方も丁寧、敬語を使いながらとてもきちんと説明されている。冷静に見ると、ちゃんとすごい。

情報の少なさや風貌からネット社会の中でも様々なうわさがある彼ですが、世に露見しているパフォーマンス的な部分は多分5%、実際会わないと伝わらない残りは本気で知識と技術と経験値の塊。そりゃ自衛隊や警察に指導するって生半可じゃ依頼されないよなと改めて感じます。

自身が危機管理アドバイザーという立場でありながら会う以前から見た目で人を判断してしまっていた私。「曇りなき眼(マナコ)で見定めよ」ともののけ姫でアシタカが言っていた名言を忘れ偏見から入ってしまったことを、こだまでも出そうな深き森の雰囲気漂うベースの中で反省してしまいました。

(ちなみに深き森には銃やナイフだけではなく水牛の角やヒクイドリの骨のナイフとか吹き矢まで色々あります。確認してないけど絶対虎の牙とか弓矢までありそう)

戦闘者が持つ危機管理に対する思い

さて、ご本人像を説明するのに振りが長くなりましたが、そんな稲川氏と何度かお会いしているうちに危機管理に対する思いや人の役に立ちたいという気持ちが本当に強くその知識量も辞書レベル越えだと改めて感じております。

戦闘者である彼が現在行っている活動やその中から見えてくることが現代で生き残るための考え方、ライフハックとして伝わるのではないかと思い、この先は言葉が伝わりやすいようにインタビュー形式で進めます。

ついでに普段聞けない映画の戦闘シーンなの裏話も聞きたい!!という筆者のよこしまなおまけも兼ねていますので映画好きの方もぜひお付き合いください。

Qーー戦闘者、戦うものである稲川さんが危機管理や護身術などにも興味があるのはどうしてでしょうか?

稲川氏

今、日本国内の犯罪件数は減ってきてはいるものの、逆にタチの悪い怪しい事件は目立ちます。殺傷事件などもニュースを見て自分がその現場に居たら何とかできたかもしれないのに、とやるせなく感じることがあります。そういった事件のなかでも、タラレバにはなりますが、あの方法を知っていたら逃げられたのでは?と思うこともあり、自分の知識の中で使えるものが誰かのお役に立てるならぜひ使っていただきたいとずっと思っていました。それに災害も多いですからね、そういった知識でもライフハックとしてお役に立てることも色々あると思っています。

ーーつまり一般にまだ知られていない色々な逃げ方や防御が生き残り術があると?

稲川氏 

はい。自分が知っている内容は特殊部隊や本当の戦闘訓練で使用する知識なので、考えられた難しい動きもありますが、その中のいくつかは一般の人や子供でも使えそうな簡単なものもあります。簡単なのに知らない事はもったいない、でも、もちろん一般の方は訓練したことがないので知らないわけです。それをどうにか伝えたいとずっと思っていました。ただ、自分の今の活動や風貌ではなかなか、それがうまく伝わらなくて

ーーうん、確かにパッとみたイメージでは一般的には伝わりにくいなと納得です(ああすみません笑)たくちゃんねるの中の護身術動画も拝見しました。とてもわかりやすくいい内容ですよね?教え方もさすがです。多くの方に見ていただきたいなと私も感じましたが、ファンや知っている方はすぐに受け入れても、偶然チャンネルにたどり着いた一般の人は雰囲気と迫力で内容までたどり着かない可能性というか笑

稲川氏

あははそうなんですよ!すみません、まったくそうなんですよ。(頭をかきながら失礼なことをいう私に対しても常に低姿勢)なんでも聞いてくだされば教えるつもりはあるのですけれども、なかなかね、まず、そこにたどり着かないもので。

ーーなるほどなるほど

というわけで、まだまだ話は始まったばかりですが、今回は戦闘者稲川義貴氏が実際に出演されているたくちゃんねるの護身術動画をご覧ください。これおすすめです。

狂武蔵たくちゃんねる 

【激痛 要注意】“親指の捻り方”!女性に覚えて欲しい坂口拓と戦闘者が教える護身術

稲川義貴 簡単女性護身術おすすめ

ちなみにご本人多少遊び心を入れてもこのスピードです (1分25秒ぐらいから)

インタビューが長くなったので3回に分けて配信しますが、次回はかなり深いところに突っ込んでお話を伺います。自衛隊と一般人との違いとは?戦闘する立場から見る一般人の本当の強さと守るべき事への向き合い方。そして映画で戦闘戦技のスーパーバイザーの立場として現場での俳優さんとの裏話などを教えていただきます。次回の守りの考え方はかなり目からうろこですのでぜひお楽しみに!

取材協力
インタビュー 戦闘者 稲川義貴
零距離戦闘術ゼロレンジコンバット  https://www.zerorangecombat.com/
狂武蔵たくちゃんねる https://www.youtube.com/channel/UCEXCEsV_t1X_d4gSirFLgvA

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総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

防犯・防災グッズ記事ランキング監修も手がける専門家。常識にとらわれない怖くない危機管理の考え方で講演会やメディア、セミナー、イベントなど幅広く活動。生活の中ですぐに取り入れられる対策や動き方、便利なグッズを提案。大学や企業向けに行う座学と実技のダイバーシティ系セミナーは防災、防犯だけでなくハラスメント対策など、身を守るために役立つと高いリピート率。 防犯整備士、危機管理士(自然災害・社会リスク)非常食研究家。 逃げるための護身術指導者、元硬式空手世界チャンピオン。 日本災害危機管理士機構、日本防犯設備士機構所属。

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