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空手に先手なし、台風迫る沖縄で13か国の空手海外選手たちに行われた日本の危機管理セミナー

おりえ総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

台風迫る沖縄で13か国の空手海外選手に行われた危機管理セミナー

今年も台風が徐々に増え始める季節になりました。

沖縄は危機管理の目線から見ると台風被害の影響が強いイメージがありますが、もう一つリゾートではない部分を挙げるとすれば「空手発祥の地」ではないでしょうか。

世界13か国の選手が集い空手会館で行われた「硬式空手道国際親善大会2023」

海外選手が集まるということで沖縄のTV局の取材も入り、ニュースとしても取り上げられたこの大会、実は今回、大会だけではなく新しい取り組みとして日本から世界へ発信したい危機管理意識についてのセミナーも取り入れられました。

世界硬式空手道連盟 硬式空手道国際親善大会
世界硬式空手道連盟 硬式空手道国際親善大会

空手は戦うイメージだけがある方が多いかもしれませんが、元々は危機管理の基礎の基礎になります。空手と言う呼び名には唐手など諸説ありますが

「空(何もない)の手で、どう身を守るか」も空手の意味合いの一つと言われています。

空手に先手なし、自分から攻撃するのではなく相手の動き見てから動くという根本があり、形(カタ)も基本的には攻撃の動きではなく受けから始まります。そこには身を守るための動きであるという護身の意味があります。

そんな空手の根本的理念から、今回、集まった13か国の世界の選手達にその守り(護身)の考えは危機管理であることから、日本の危機管理意識(防災や防犯)の取り組みを知っていただくために、大会初日の国際交流稽古中に世界の選手と交流稽古参加者向けの危機管理セミナーが開催されました。

危機管理、防犯や防災に欠かせない1つが光(ライト等)である事

防犯、防災で欠かせないのが「光」
防犯、防災で欠かせないのが「光」

防犯でも犯罪者を寄せ付けないために大切なのは音、光、人の目といわれています。また、防災でも災害時の避難や避難先でも必要なのは光。

光がある事で犯罪者が近寄りにくくなる心理状態や、暗闇で見えることの安心感安全性を日本語と英語の通訳で説明しています。

硬式空手道国際親善大会 危機管理セミナー 久高正光理事長の説明
硬式空手道国際親善大会 危機管理セミナー 久高正光理事長の説明

海外の選手たちにも実際にライトをつけたり消したり首にかけて手がフリーである事や、まぶしさなどを体験して光がある事についての安心を改めて考えてもらいました。今回セミナーで使用したネックライトは首やバッグなどに付けても使えるものです。両手が使えることで防災時の避難にも役立ちます。災害大国日本では様々なシーンを想定して考えられている防災、防犯グッズへ取り組みなども併せて説明しています。

セミナー後、暗い場所ではどれくらい明るいのか?と質問をしてくれた選手達がいたので実際の暗闇ではどれぐらい光が違うか、写真で見せると「コンパクトなのに暗闇でこんなに明るいの?」と、とても驚いていました。

防犯にも防災にもおススメ、ネックライト
防犯にも防災にもおススメ、ネックライト

Panasonic ネックライトの明るさ
Panasonic ネックライトの明るさ

危機管理セミナー
危機管理セミナー

災害大国であるからこその、先を見据えた非常食への取り組み

そして次に、日本は災害大国であることや東日本大震災からさらに防災や助け合い、備えへの考え方が加速と進化をしたこと、次には首都直下型地震や南海トラフ地震など大きな災害の可能性もあり、それが起きると3日で3200~3400万食の飲食が足りない想定になるため、今から様々な準備がされていることなどを伝えました。

日本の非常食(海外ではemergency food)のご飯、アルファ米についての説明も行い、基本は水なら60分、お湯なら15分そそぐだけでご飯が出来上がり食べられること、現在は開発が進み、もう少し短い時間で食べられるアルファ米(ななこめっつ等)ができていること、ご飯も何十種類と様々な味付けや種類があり飽きないように作られている事など、非常食の種類の多さや開発についてを説明。

空手の先生でもあり、カナダとスイスの大学の先生でもあるドナルド・ヨーク先生。海外の非常食は小麦のようなものがメインで、軍のイメージが強いし、お米の非常食は初めてたべますと教えてくれました。

今回はセミナー終了後にマジックライスのチゲ味を道場の外で実際に試食。

マジックライス チゲ味 空手の大会で試食
マジックライス チゲ味 空手の大会で試食

お味の感想は・・

先生も生徒達も思ってた以上にスパイシーで美味しい!と大人気。なんと2袋食べる選手もいました!!

サタケのマジックライス チゲ味
サタケのマジックライス チゲ味

子供たちに今回の危機管理セミナーについて聞いたところ、日本の取り組みは興味深い、日本に来ないと知らなかった話が聞けました。と感想を聞かせてくれました。

空手の大会で危機管理セミナー
空手の大会で危機管理セミナー

今回危機管理セミナーも開催した「硬式空手国際親善大会」は実は沖縄では珍しい組手の試合がメインでした。防具に蹴りや突きがあたると音も出て迫力があります。

世界硬式空手道連盟 硬式空手国際親善大会
世界硬式空手道連盟 硬式空手国際親善大会

硬式空手の特徴は直接素手素足で防具にあてることです。そうすると自分への衝撃もある事を知る。形(カタチ)だけのカタではなく、怪我なく安全防具を使ってぶつかりながらの交流で、実際に戦うからこそ自分を守ることを知り、攻撃の痛みも知る試合です。「人を殴ったら自分も相手も痛い」現在、日本でもいじめがありそんな当たり前のことわからない時代になってきています。

空手の根本的な考え方や取り組みは、今後世界中で必要とされてくる学びや教育方法ではないかと改めて感じました。

余談ですが、大会会場ではお土産のTシャツやイラブ(海蛇)入りラム酒も空手モデルで販売されていました。沖縄のサトウキビから作られているということでMADEINJAPANラム酒に驚き!香りがよく、個人的にかなり好みのラム酒でした。

今回は日本の武道を学び、わざわざわざ海外から試合に参加してくれた海外の選手たちと、守ること「危機管理」を一緒に考えたい、そんな思いとコラボレーションした危機管理セミナーでした。

日本の空手のあり方が、世界の選手たちの思いや考え方に少しでも響き、防犯対策、防災の助け合い、争いの考え方など、、、少しのセミナーからでも、何かを感じ、何かを持ち帰っていただけたらと思います。

また2023年7月30日現在、沖縄に台風6号直撃の恐れがあります。選手たちは皆帰国しましたが、少しでも被害が起きない事を祈ります。

参考商品 Panasonic株式会社 ネックライト
     株式会社サタケ マジックラスチゲ
取材協力 世界硬式空手道連盟

総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

防犯・防災グッズ記事ランキング監修も手がける専門家。常識にとらわれない怖くない危機管理の考え方で講演会やメディア、セミナー、イベントなど幅広く活動。生活の中ですぐに取り入れられる対策や動き方、便利なグッズを提案。大学や企業向けに行う座学と実技のダイバーシティ系セミナーは防災、防犯だけでなくハラスメント対策など、身を守るために役立つと高いリピート率。 防犯整備士、危機管理士(自然災害・社会リスク)非常食研究家。 逃げるための護身術指導者、元硬式空手世界チャンピオン。 日本災害危機管理士機構、日本防犯設備士機構所属。

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