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災害で一番先に行列ができる場所。今からできるシーン別トイレの困ったを解決する方法。

おりえ総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

災害時に何が起こるか、行列のできる場所

災害が起こると、当たり前の日常が一気に違うものになりますよね。

熊本地震の時、災害数時間後には長い行列ができた場所があると言われています。そればどこかわかりますか?

正解は緊急の簡易トイレです。生きるための生理現象として我慢できるものではありませんよね。

場所によっては災害直後、トイレの覆いが追いつかず、しばらくは簡易トイレが周りから丸見えの状況だった場所もあると言われています。その際は自衛隊や列の人たちがお互い前に立ちはだかり、人の壁を作ったり布でかくしてトイレに座っている姿が見えないように使用したようですが、かなり簡易的な方法だったようです。背に腹は代えられないとはいえ、誰かの背中を眺めながら外で用を足す、それはとてつもないストレスですよね。

その熊本地震では、すべての避難所に仮設トイレが設置されるまでに実際は13日間。約2週間を要したと言われています。

災害時でも我慢できない生理現象、今日はその時に出来るだけ困らない解決策を災害時のシーン別に書いていこうと思います。

●外出時

●職場

●車で避難

●自宅で(在宅避難)

●あるもので作る簡易トイレ

お出かけにはトイレを持ち歩くという考え方

災害時のトイレ問題の一番の解決策はまず「自分で排泄ができる準備があるか」と言うことです。数日と言うわけにはいきませんが、仮設トイレが設置されたり避難所の準備やトイレの使用確認が済むまで、まずは最初の数時間、排泄をどうするか、そこが調整できるとかなりストレスが違います。

今は100円ショップにも携帯用のトイレは売っていますよね。トイレは実際に使用不可でも立ち入り禁止の場所でなければトイレのドアを閉めたり、どこか個室で自分の携帯トイレを使うことはできます。携帯用トイレならかさばらないのでトイレが近くて心配な方は普段から携帯トイレを持ち歩くことをおすすめします。

職場では思い切った考え方も必要

災害時、職場では簡易トイレの設置があるかもしれませんが、それでも設置まではしばらく待機しなければいけない場合もあるかと思います。また、トイレだけは近くの避難所まで行かなければならない、そんなことにもなりかねません。自分の荷物が少しでも置ける職場であれば様々な可能性を想定して普段から備蓄しておいて欲しいのが「大人用紙おむつ」です。いや!!おむつなんて!と抵抗があるかもしれませんが、そう簡単にトイレに行けない場合や歩いて帰宅しなければならない場合など、長時間トイレの心配をしなくていいのはやはりおむつです。

またおすすめ方法として、ロッカーなどがある場合、自分用の備蓄のほかにウエストストがゴム製のスカートを一つ保管しておくのもいいですよ。先に話した簡易トイレで用を足す時にポンチョのようにして隠せますし、その他にも上から重ね着で暖を取るのにも、着替えが必要な時も、何かと便利です。

イメージとしてはプールの着替えに使うポンチョみたいな感じで様々なことに使用できると思ってください。

車などにおいて置くと便利な折りたたみポータブルトイレ

車に災害用の備蓄をしている方も多いかもしれませんが、車での避難のトイレはしっかりしたものがあると実はとても便利です。

もちろん渋滞などには携帯用トイレで十分かと思いますが、車でしばらく寝泊まりする、安全な場所に移動し続ける、家族や友人が一緒などの場合は、やはりトイレに行く回数が増えてきます。

こちらは先日防災の展示会で見た折りたたみトイレ(ラップポン)ですか、かさばらないのに衛生面を考慮した面白い機能がついています。

組み立てて使用するときは椅子のような型

排泄をした後(使用後)に手前の取っ手を引くと袋が閉じる仕組みです

その時にヒートシールで密着するので、汚物の袋が完全密封され、漏れや臭いがありません。

完全に密封されるのは本当に心強い!!これだとまとめておいても臭くならないし衛生面でも安心です。

自宅の場合はもちろん多めの買い置きを

温暖化の影響や南海トラフ地震、首都直下型地震など災害が増える可能性が高いと言われている昨今、有事であっても自宅が住める状態の場合は無理に避難所に移動せずに在宅避難を推奨する考え方も増えてきています。

その場合も考えて、自宅でのトイレはしばらく使用できる、回数の多いものを準備しておく必要があります。物によっては~100回分のセットなどもありますよ。

折りたたみ式の椅子がセットになっているものや、特に、自宅の便座に設置して家族で使える簡易トイレは便利なので対応するものを準備しておきましょう。

(排泄物のゴミ処理は自治体ごとの指示に従ってください)

トイレの備蓄が追い付かない場合の裏技

色々なシーンの想定をしましたが、トイレの準備が追い付かなかった場合の裏技をお伝えします。できれば自宅の便座などに設置するのがスマートですが、緊急の排せつ用袋としても使えます。

緊急用トイレの作り方
使用するもの 〇中の見えないゴミ袋 〇ゴミ袋 〇新聞紙
作り方、使用方法
中の見えないゴミ袋のにちぎった新聞紙を入れて用を足します。中が漏れないようしっかり縛ってから、さらにビニール袋に入れてしっかり縛ってください。
裏技!パワーアップ緊急トイレ
緊急用トイレに猫のトイレ用の砂またはペットシーツなどを入れると消臭もできて便利です。

いかがでしたか?災害時、早い時期から避けて通れない生理現象が排泄です。

命を守るのが最優先ですが、生き延びた時にまず最初に困る事!を知って準備しておくことが、有事に出来るだけストレスを少なく生き抜いていく方法なのですよ。

参考資料

地域建設企業が担う災害復旧活動の認知向上策に関する基礎的検討

商品紹介 日本セイフティー株式会社 ラップポン

総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

防犯・防災グッズ記事ランキング監修も手がける専門家。常識にとらわれない怖くない危機管理の考え方で講演会やメディア、セミナー、イベントなど幅広く活動。生活の中ですぐに取り入れられる対策や動き方、便利なグッズを提案。大学や企業向けに行う座学と実技のダイバーシティ系セミナーは防災、防犯だけでなくハラスメント対策など、身を守るために役立つと高いリピート率。 防犯整備士、危機管理士(自然災害・社会リスク)非常食研究家。 逃げるための護身術指導者、元硬式空手世界チャンピオン。 日本災害危機管理士機構、日本防犯設備士機構所属。

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