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地震の火事では火災保険は下りないって本当?地震保険は必要か?防災の専門家がズバリ!いる、いらない

おりえ総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

地震保険は必要なのか?防災の専門家目線から考える

令和6年能登半島地震では発生から20日後の1月20日時点で石川県内だけでも2万9千戸近い住宅の被害が報告されています。

今回の地震を受け保険の見直しについて考えようと思った方も多いのではないでしょうか?

ちなみに保険のCM記事ではありません、今回は危機管理、防災の専門家としての目線から、地震保険は必要な理由はあるか?と保険の基礎知識、さらに被害に遭った時にどう対処して請求すればいいかの流れなど基礎的な知識をお伝えしたいと思います。

まずは地震保険入る?入らない?

M6以上の地震は全世界の17.9%が日本周辺で起きている

地震保険は任意です。こればかりは本人の保険料なども併せて何とも言えないところですが、正直、危機管理アドバイザーの立場から言わせてもらいますと

ズバリ「入った方がいい」と思っています。

別に保険会社の回し者でも何でもありませんが、大きな理由があります。

地球の表面は数十枚あると言われる岩盤のプレートで覆われています。
実はその中の4つの大きなプレートの境界線上に乗っているのが日本です。

日本は4つの大きなプレートの境界線にある地震大国です
日本は4つの大きなプレートの境界線にある地震大国です

地震はプレートのぶつかりや、すれ違いなど何らかの影響を受けて起こるので、まさに日本は地震が起こりやすい場所に位置しています。事実、マグニチュード6.0以上の地震は、全世界の17.9%が日本周辺で発生しています(参考:2011年~2020年のデーター国土技術研究センター)
丸い地球を考えただけでもその大きな地震の20%弱が日本周辺で起こっているってすごいことじゃないですか?

首都直下型地震の被害3分の2が火災との想定

さらに今関東で首都直下型地震が起こった場合被害の3分の2が火災によるものと想定されています。

ここで大事なのポイントです

地震による火災は通常の火災保険は適用されません、地震保険の適用です

つまり火災保険に入っていても地震が原因で火事が起きればお家が燃えちゃっても保険は下りないということなんですよね。なんて恐ろしい!

さらに大きな地震が控えてる可能性

そして数十年前から懸念されている確率が高いと言われている首都直下型地震や南海トラフ地震のカウントダウンも近い中、あまり注目されていない地域での大きな地震が次々に起こっている近年です。

さて、これ以上の説明は必要でしょうか?

地震保険の補償は?

地震保険では「地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没または流失による建物や家財の損害」を補償しています。つまり、津波や噴火による被害も火災保険ではなく地震保険の適用です。

ここからは基礎知識まとめと請求までの流れです。ちょっとお堅い感じになりますが能登半島地震などでもお役に立つ情報化と思うのでご一読ください。

1. 地震保険の基礎知識

地震保険は、地震や津波、火山噴火による損害をカバーする特別な保険です。通常の住宅保険(火災保険)ではカバーされない地震による損害を補償します。例えば地震が原因で起きた火災は火災保険ではなく地震保険が適応されるので注意が必要なポイントです。

2. 地震保険の加入方法

地震保険に加入するには、まず火災保険に加入している必要があります。地震保険は火災保険の特約として設定されることが多く、シンプルに言うと火災保険に加入していないと地震保険には加入できないという仕組みになっています。

ただし地震保険料の金額はどこの保険会社でも一律です。これは国と損害保険会社が共同運営する、公共性の高い保険であるためですが、この辺を鑑みても災害大国として国が介入していることがわかりますよね。

被害に遭ってしまった時の請求までの流れ

そして被害に遭ってしまった場合の簡単な流れをお伝えします

1損害の確認と記録: 地震発生後、安全を確認したら、被害状況を写真やビデオなどで証拠として記録します。(安全を最優先してください)

2 保険会社への連絡: 保険会社に連絡し、損害報告保険請求書類を受け取ります。

3 訪問日程の調整 立ち合い説明の日程を決めて被害状況を説明できる用その時までに準備しておきます。
(ただし東日本大震災の地域全域で壊滅的被害が発生した場合は特例で上空からの確認などにより地域全般が全損扱いなどがありましたので状況によります)

4見積額に不服がなければ受け取り

見積額を確認、不服がなければ受け取りの手続きをし、不服な場合は査定結果の不服申立が行える「保険金のお支払いに関する不服審査お申し出制度」がありますので再度審査を受けなおすことも可能です。

災害で保険証書などが失われた場合

保険証書が失われても手続きは可能です。契約していた保険会社に問い合わせるの方法もありますが、大規模な自然災害などで災害救助法が適用された場合のみ自然災害等損保契約照会センター」にて保険の照会をしてもらうことも可能です。

今回の能登半島地震に関して(2024年1月29日現在)

新潟県、富山県、石川県及び福井県は 35 市 11 町1村に災害 救助法の適用がされていますので、この地域にお住まいの方は利用できるサービスになります。

一般社団法人 日本損害保険協会 「自然災害等損保契約照会センター」
0120-501331
※受付時間:平日9時15分〜17時(祝日・休日および12/30〜1/4を除く。)
令和6年能登半島地震により被災された方
・2024年1月4日(木)午前9時15分から受付。
・現在、土・日曜日、祝日・休日もご照会を受付。
日本損害保険協会HP参考(以降情報が変更になる場合があります)

いかがでしたでしょうか?地震保険を付けても安全とは言い切れませんが、ないよりはあった方が安心ですよね?
保険ももちろん大切ですが専門家として知っていただきたいのは日本の地震の多さとその被害に遭う可能性、そして「備えの大切さ」です。

いざという時に自分や大切や人や家族が少しでも負担のない生活を送れるよう、様々な観点から備えていただきたいと思っています。

総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

防犯・防災グッズ記事ランキング監修も手がける専門家。常識にとらわれない怖くない危機管理の考え方で講演会やメディア、セミナー、イベントなど幅広く活動。生活の中ですぐに取り入れられる対策や動き方、便利なグッズを提案。大学や企業向けに行う座学と実技のダイバーシティ系セミナーは防災、防犯だけでなくハラスメント対策など、身を守るために役立つと高いリピート率。 防犯整備士、危機管理士(自然災害・社会リスク)非常食研究家。 逃げるための護身術指導者、元硬式空手世界チャンピオン。 日本災害危機管理士機構、日本防犯設備士機構所属。

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