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能登半島地震、被災地以外のあなたも被害者に?地震後にある犯罪と防ぎ方を専門家が解説

おりえ総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

災害が起こると全国で犯罪が増える

大地震や大きな災害の後、混乱により犯罪率が高まる傾向があります。

特に被災地では、窃盗、詐欺、性犯罪など様々な犯罪が発生しやすくなり、実際今回の令和6年能登半島地震でも犯罪が増えてきています。

そして、被災地以外での地域でも便乗した犯罪が起こる傾向にあります。今回は、地震後に発生する犯罪の種類、実際の事例、身を守るための対策についてタイプ別に解説したいと思います。

詐欺、悪徳商法

(支援金、寄付金、工事。建築、保険、医薬品等)

次の2つの例は今回の能登半島地震後に実際にあった不審な問い合わせ事例です

〇市が義援金を募っているので協力して欲しいと携帯電話に連絡がきた。

〇地震の地区に送る支援品を集めているので今日訪問していいか問い合わせがきた。

これらは公共の義援金集めを装い、電子マネーや送金などでお金をだまし取られる可能性があるものです。また義援金集めだけではなく被災地の友人や親せきなどに成りすまして生活費など助けを求めて送金させるなども考えられます。

また、次の自宅訪問の問い合わせは、タダで物をを受け取るだけではなく、確認などと偽り侵入し、窃盗や暴行被害に遭う可能性もあります。

被災地では医療品が足りないなどに付け込み無承認医薬品の販売や健康食品の売り込みなども懸念され警察庁から注意喚起が出ています。

また復旧作業や今契約すると修理のお金が下りるなど弱みに付け込んだ詐欺や偽の保険契約の詐欺も懸念されます。

窃盗

〇避難している家から金品が盗まれる

〇避難所などでの置き引き

今回の地震でもすでに、被災した半壊住宅から模造刀や木刀などを盗んだとして逮捕者が出ています。現在警察も人がいない地域や地区には防犯カメラを設置したり24時間体制のパトロール、声掛けなどを行っています。

性犯罪

〇夜、家族と車中で避難中の女性の身体を同乗していた男性がさわった

このような事件で今回の能登半島地震でも性犯罪で逮捕者が出ています。

避難所や被災地では、盗撮、のぞき、強制わいせつなどの性犯罪が発生しやすい環境になります。密集した生活空間、プライバシーの欠如、ストレスの増加などが原因で、性犯罪のリスクが高まるのです。

実際、東日本大震災や熊本地震などの被害例をみても、避難所で物資の配給を条件に性的行為を求められたとの報告もあり、性暴力や対価型のハラスメントもかなりの相談件数などが寄せられたようですが、性犯罪は公になることが少なく、被害者が泣き寝入りしてしまう場合もありますが「心の殺人」と言われ、被害者には見えなくても深い心の傷が残る、重大かつ、あってはならない犯罪です。

避難所であっても1人行動などは避けるよう、また、ライトや防犯ブザー、ホイッスルなどの携帯もおすすめです。授乳中や着替えののぞき、または盗撮などにも気を付ける必要があります。

犯罪被害を防ぐための予防策

1.詐欺や悪徳商法に対する警戒

詐欺師は災害時の混乱や弱者の焦った気持ちや親切心などもを利用します。

不審な勧誘や取引には十分注意し、おかしい時は周りに相談すること、そして信頼できる情報源からのみサービスを受けるようにしましょう。

2.貴重品の管理

避難所では、貴重品は常に身につける、または安全な場所に隠すことが重要です。また、知り合いや信頼できる人と見張りを分担することも効果的です。

3.性犯罪を防ぐ3人以上での行動

避難所では、単独行動を避け、可能な限り3人以上で行動することが安全です。これにより、窃盗や性犯罪のリスクを減らすことができます。

4.避難所での女性リーダー

避難所での女性リーダーの役割は、特に性暴力の防止において重要です。1人ではなくできるだけ男女の偏りなく、避難所運営のメンバーが選定されていることも犯罪を防ぐためだけではなく、より避難所生活でのもめごとが起こらないためにも大切ですし女性リーダーは、性暴力の被害者を守るための対策を策定し実施する責任者として必要です。

知識と情報の共有が防犯になる

大地震のような大規模災害後は、犯罪に対する警戒が不可欠になります。

貴重品の管理、詐欺への警戒、性犯罪への対策など、自分自身と周囲の安全を守るためには、事前の準備と知識が最悪の事態を避けるために必要となります。

そして被災地での生活は厳しいかもしれませんが、互いに協力し合い、情報を共有する、対策をとることで、安全な環境を作り出すことが可能になると思います。

また、先にも述べましたが被災地以外でも便乗した犯罪が増えますので自分は大丈夫、とは思わずに家族や大切な人たちと情報を共有し、みんなで対策することが大きな防犯、犯罪抑止になるのです。

おかしいなと思ったらすぐ相談

そして犯罪を未然に防ぐにはおかしいと思ったら遠慮せず近くの警察本部や警察署に連絡、相談することが大切です。

緊急の場合は110番
警察相談窓口 #9110
ぜひ覚えておいてください

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総合危機管理アドバイザー三沢おりえ/防犯・防災・護身術

防犯・防災グッズ記事ランキング監修も手がける専門家。常識にとらわれない怖くない危機管理の考え方で講演会やメディア、セミナー、イベントなど幅広く活動。生活の中ですぐに取り入れられる対策や動き方、便利なグッズを提案。大学や企業向けに行う座学と実技のダイバーシティ系セミナーは防災、防犯だけでなくハラスメント対策など、身を守るために役立つと高いリピート率。 防犯整備士、危機管理士(自然災害・社会リスク)非常食研究家。 逃げるための護身術指導者、元硬式空手世界チャンピオン。 日本災害危機管理士機構、日本防犯設備士機構所属。

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