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【裏起毛ダメ】保育園の謎ルールには理由があった!現役保育士が解説【月曜日の布団準備がめんどくさい】

オオタ先生保育士&資格マニア

現役の保育士&資格マニアです。

「裏起毛のトレーナーやズボンは止めてください」
「布団カバーを金曜に持ち帰り、月曜の朝に保護者がセッティング」
「オムツは持ち帰らなくてはならない」
「名前シールはNG」
などなど。保育園の先生から理由がよく分からないお願いをされることがあります。

このような保育園の謎ルールについて、現役の保育士の立場から理由を解説します。

裏起毛のトレーナーやズボンは止めてください

暖かい裏起毛のトレーナーやズボン。冬になると量販店でもたくさん陳列されているので、つい手にとってしまいますね。
せっかく新品を購入して保育園に着せていったところ、先生から「裏起毛はちょっと・・」と言われてしまうことがあります。
保育士目線だと静電気が発生してしまうから裏起毛は避けてほしいというのが大きな理由です。保育園生活では集団でお着替えをしますが、お友達との間でイテテテテ・・先生と子供の間でイテテテテ・・という姿が毎日見られます。

布団カバーを週末に持ち帰り週明け保護者がセッティング

昼寝用の布団またはカバーを週末に持ち帰り、週明けに保護者がカバーを付けたり、布団を押し入れにしまったりという作業をお願いされることがあります。
そんなの保育園でやってくれよと思うことでしょう。
保育士目線だと保護者に布団のセッティングをお願いする理由は、単に布団を準備する人員も時間もないからに他なりません。
例えば、国が定めた配置基準どおりだと1歳児クラスの場合、園児6人に対し保育士1人となります。12人のクラスの場合、昼寝前に保育士1人が布団のセッティング作業に回ってしまうと、その時間1人きりで12人を見守らなくてはいけないことになってしまいます。
そのような状況だと子どもたちの安全を守りきれないため、布団は敷けばすぐ寝られる状態にしてほしいというのが保育士側の本音です。

オムツは持ち帰らなくてはならない

使用済みのオムツを毎日保護者が持ち帰らなくてはいけないというルールについては、最近では是正されつつあり、保育園で処理する園が増えています。
オムツ持ち帰りの理由として、家庭で園児の健康状態を把握するためと保育園から説明されることがありますが、大きな理由は廃棄費用や置き場所がないためです。
保育士個人としても、一時保管場所のバケツやビニールの準備など、オムツを持ち帰らせるための作業という不毛な仕事が発生するため全く歓迎していません。
近年では行政がオムツの廃棄費用を負担する動きが出てきており、保育士としてもありがたいと思っています。

名前シールはNG

保育園で使う持ち物に毎回ペンで名前を記入するのは骨が折れる作業です。お名前シールは便利なので筆者が勤務する保育園でも半数ほどがお名前シール派です。
一方、保育園によってはシールはNGというルールとなっていることも。理由は、剥がれた場合、0-1歳児が飲み込んで誤嚥につながってしまう可能性があるからです。
2歳児以上のクラスでは良いのでは?と思うかもしれませんが、保育園では保護者が思うよりも異年齢での合同保育の時間が長く、朝7時から9時、夕方16時から20時頃の時間帯は異年齢合同で過ごしていることが多いです。
このため、名前シールはNGとしている保育園では大きい子のクラスでも同一ルールとしています。

保育園なのにお弁当の日がある

保育園なのにお弁当の持参を求められることがあります。園からは、お家の料理は子供が喜ぶから・食育の観点からなどと理由を説明されるかもしれません。
実質的な理由は、年末や年始などは給食室への食材の流通が止まるため給食が提供できない日がある、調理師のシフトの都合上などです。
保育園には土曜保育があります。土曜保育の利用者は数名から十数人といったところですが、平日と同様に調理師も出勤しています。土曜保育がたった一人だとしても給食を提供しなくてはならないため、出勤して調理室を稼働させているのです。このような背景もあり、お弁当の日を作って調理師のシフト調整をしている保育園もあります。

集金袋で現金回収がめんどう

体操服や画用紙代などの集金に集金袋を使っている保育園も少なくありません。大きな理由は口座振り込みにすると振込手数料は誰が負担するのかという問題が生じるためです。決済サービスの導入も進みつつありますが、サービス利用料は誰が負担するのかという問題からは開放されません。
保育士の立場でも、現金回収は面倒だと思いながら集金袋を預かる日々です。

「仕事が休みの日は保育園も休んでください」

仕事が休みの日に保育園を利用することは可能です。
一方、保育園によっては仕事が休みの日は家庭保育を要望されることも多いでしょう。
保育士目線で理由を説明すると、通園児が少ないほど楽になるためお休みはありがたいというのが本音です。

まとめ

保育園から要求される謎ルールについて、現役の保育士の立場から理由を解説してきました。
保育園の謎ルールには、保護者だけでなく保育士にとっても負担となるものも多いです。
保育改革が進んでいくことを願っています。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。次回は「【キャラ弁は無駄な努力】保育園の先生がひそかに困っているお弁当5例【現役保育士が訴える】」というテーマで記事を公開予定です。下のプロフィール欄からフォローいただくと記事が見つかりやすくなります。

保育士&資格マニア

現役の保育士&資格マニア&子育て世代です。「うちの子保育園で何してる?」をテーマに保育園のリアルを伝えます。また、子育てに活かせる保育園のノウハウも提供しています。 資格取得が趣味。幼保英語検定1級・TOEIC 875

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