3月に決定済み!保育園の担任の決め方を現役保育士が解説【持ち上がりの理由は慣れているから】
現役の保育士&幼保英検1級です。
4月になると保育園でも進級式があります。
保護者の立場では、3月になると次はどの先生が担任になるのかソワソワしてしまいますね。
今回は、保育園での担任の決め方や発表の時期まで、現役保育士が解説します。
保育園での担任発表は4月の保育初日
多くの保育園において、保護者への担任発表は4月の保育初日に行われます。
発表の方法は、全職員名を記載した書面で通知したり、進級式に保護者を招いてその場で発表するなど様々です。
3月中には担任が決まっている
一方、保育園の職員向けには3月遅くとも中旬には内々に発表されていることが多いです。
春休みなどない保育園。3月31日まで旧クラスでの保育、4月1日から新クラスでの保育となるため、3月中に旧クラスの保育を行いながら水面下で新クラスの保育準備を進めるしかないのです。
ただし、保育園の職員向けに担任が発表される日は、年度によっても異なります。退職者が出たり未確定要素がある年は決定が遅れがちです。
筆者の経験では3月27日に担任発表があり、そこからバタバタと3日ほどで新クラスの準備をしたことがありました。
不安要素がなければ3月初旬には決定している保育園が多いでしょう。ただし、保護者含めて外部には口外しないことになっているため、気になっても先生たちに探りをいれるのはやめましょう。
保育園での担任の決め方
多くの保育園では担任は園長などの管理職が決定し、職員に一斉に通知するパターンが多いです。ただ、その担任決定に参考にしている情報には次のようなものがあります。
保育士の経験値
一般的に年長クラスの担任が一番大変と言われていますが、だからといってベテラン保育士が毎年年長クラスの担任というわけにはいきません。
「◯◯さんは、2年間未満児クラスの担任をしたから、次は以上児クラスの担任を」「●●さんは、去年以上児を担当したから次は未満児クラスを」というように、保育士を育てる目的で前年とは異なるクラスへと職員を配置することがあります。
保育士本人の希望
保育士は自分は未満児向きだとか、今度は大きい子を担当したいとかそれぞれ希望を持っています。そのような保育士本人の希望を園長などが一人ひとりにヒアリングし、担任決定に反映している場合があります。
特に、離職を食い止めたい保育園などでは、保育士一人ひとりに寄り添い希望を極力叶えることで長く務めてもらえるように配慮しているのですね。
保護者からのクレーム
現役の保育士としては本当に嫌なことなのですが、クレームを言いがちな保護者の意見がまかり通ってしまうことが少なくありません。
担任決定においては「◯◯先生は嫌だ」などです。本当は次年度も持ち上がりでクラス担任をした方が良いケースでも、このようなたった一人のクレームを重視して担任を変えてしまうことがあります。
クレームを入れることで意図通りの担任に子供を担当してもらえることがあるかもしれません。ただ、その場合、保育士はクレームを恐れるあまり、「◯◯さんのお家はクレームを入れてくるから、当たらず触らずの対応をしよう」と密なコミュニケーションを避けがちになります。子供にとっても良いとは思えません。
正職員とパート職員とのバランス
保護者の目からは保育士が正職員なのかパート職員なのか分かりにくいですが、正職員は主に一人担任になる以上児クラスの担任、パート職員は主に複数担任になる未満児クラスの担任にと大枠を決めている保育園もあります。
保育士同士の相性
特に同じクラスの担任同士は常に密に連携をしていないと、園児の安全は守れません。よって、保育士同士の相性も担任決定で考慮されます。
保育園で担任が持ち上がる理由
担任が発表されたけど前年度と同じ先生が持ち上がったということが多々あります。
担任が持ち上がりになる理由は、やはり子どものことを良く知っている先生が引き続き担任したほうが進級がスムーズにいくと判断されたためです。
また、行事に力を入れている保育園などでは、次の年の運動会で子どもたちに披露してもらう技(鉄棒や縄跳びなど)を前年度から練習している場合があります。
例えば、運動会ではクラス全員が逆上がりをしているかもしれませんが、運動会の前数ヶ月練習したところで鉄棒が苦手な子は、逆上がりできるようにはなりません。
担任は前年度からの持ち上がりにして、次年度の運動会の演目を見据えて練習を重ねているからこそ、運動会当日”全員が”逆上がりできるのですね。
まとめ
保育園での担任の決め方や発表の時期を現役保育士の立場から解説してきました。
担任決定のために参考にする要素が複数ありますが、これらを組み合わせていくとおのずと”これしかない”という1つの組み合わせが浮かび上がってくるのですね。
保護者から見た保育士と子どもから見た保育士の姿は乖離していることが多々あります。また、保育園では合同保育の時間が保護者が思うよりも長く、担任以外が保育している時間も長いです。
担任が発表されても一喜一憂することなく、担任の先生と信頼関係を築くことに注力していただきたいと筆者は思います。
合同保育含めて保育園での生活の流れについては、「保育園での1日のスケジュール」という記事で紹介していますので合わせて参考にしてくださいね。