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子どもの行き渋り、どう対応する?

ピッグママチャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

もうすぐ夏休みも終わりですね!「やっと終わる〜」と思われている全国の親御さん、本当にお疲れ様です。新学期も始まり、やっと自分の時間が少し持てると思った矢先、子どもが学校や幼稚園、習い事に「行きたくない」と言ったら、あなたはどう対応しますか?

そこで今回は、行き渋りに対応する際の心得などをご紹介したいと思います。まずは子どもの気持ちになって考えてみましょう

行きたくない気持ちを考えてみる

photo:pixabay
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まずは、学校や幼稚園、習い事に行きたくない理由を考えてみましょう。子どもに直接理由を聞くのもいいですが、できれば子どもの気持ちになって1回考えてみてください。よく考えられる理由としては、この3つかと思います。

  1. 夏休みが楽しすぎて、行きたくなくなった
  2. 家が居心地がいいので、ずっと家にいたい
  3. 何かしらの理由で行きたくない

1の場合は、共感しやすいと思います。大人でも休み明けは「仕事行きたくないな〜」と思うことはありますよね。そのときの心情を思い出して、共感してみましょう。「夏休み楽しかったね」「お母さんも仕事行きたくないから、その気持ちよくわかるよ」などと共感してみてください。

行くのは億劫だけれども、行ったら意外と楽しかったり、どうにかなることもありますよね。「学校まで一緒に行こうか?」と最初の一歩に寄り添ってあげると、子どもも安心して頑張ろうと思えるかもしれません。本当はもっと家族と一緒に過ごしたいと思っている可能性もあるので、帰宅後や週末に子どもと向き合う時間を増やしてみましょう。

2の場合は、1の理由と違い、お子さん自身が「学校が退屈」「他にやりたいことがある」などとお子さんにはっきりとした意思があることが多いです。その意思をどこまで尊重するか試される場面でもあると思います。

親の考え方次第かもしれませんが、学校で学んだことが必ずしも社会で役立つとは限らないですよね。むしろ、自分で勉強しようと学んだことのほうが身につき、人生で役立つことのほうが多いかと思います。無理して社会の枠にはめようとせず、お子さんにとって居心地がよいと思える環境を家庭で作れてるということは素晴らしいことです!

3の場合は、無理に行かせないでほしいです。行きたくない理由を尋ねて、答えを言いたくない様子だったら、何かしらの行きたくない理由があると考えたほうがよいでしょう。重要なのは、外にも家にも居場所がないと思わせないこと。「家族はあなたの味方だよ」という姿勢を見せることが大切です。

行き渋りは子どもからのSOS!?

photo:pixabay
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実際に幼稚園や学校をお休みしたとして、お子さんにとってどんな影響があると思いますか?勉強の遅れ、友達との関わりがなくなる、運動量の低下などが挙げられるでしょう。しかし、これらは大人の考えであって、子どもにとってそこまで影響があるかは、後に本人に聞いてみないとわからないのではないでしょうか。

仮にお子さんが学校や幼稚園、習い事に馴染めないと感じていたとしたら、子どもなりに自分で考えてその場を乗り切っていることでしょう。無理して周りに合わせてみたり、その場を離れ違うことをして過ごしてみたり。授業が退屈、もしくは理解できない場合は適当にその時間をやり過ごしていることでしょう。

行き渋るときは、そういったストレスが限界にきている可能性もあります。親に心配をかけたくない、恥ずかしいと思っている。しかし、どうしたらいいのかわからず葛藤している状態といえるでしょう。日頃からそういった悩みをオープンに話せる環境・関係性でいられることが理想的です。

そういった環境・関係性でいるためには、日頃からのコミュニケーションが欠かせません。コミュニケーションは質より量、以下の点も意識してみましょう。

  • 子どもの小さな変化に気づけるよう日頃から気を配る。
  • 子どもの話をちゃんと聴く。
  • 子どもが主張したことを受け止める。

決断するのは子ども自身

photo:pixabay
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子どもが困っていると、どうにかしてあげたいと思うのは親だったら当然のことだと思います。しかし、親が持っている答えで解決していたら、子どもは自立する機会を失ってしまうでしょう。とはいえ、自分で答えを導き出し、決断することは難しいかもしれません。

親はあくまで見守るというスタンスで、子どもが自分で決断できるようにサポートしてあげましょう。以下の点を意識して、子どもの本音を引き出してみましょう。

  1. 考える力を引き出す
  2. 答えやすい質問を心がける
  3. 具体化する質問をしてみる

考える力を引き出すためには、子ども自身で考える習慣をつくってあげることが大切です。質問をすることで、子ども自身が自分で考えることが習慣化し、自分で考えて行動しようという自発性が育ちます。

答えやすい質問というのは、選択肢のある質問です。「どうしたらいいのかわからない」という場合には、まずは選択肢を一緒に考えてみましょう。その上で、最終的にどうしたいのかを考えてもらいましょう。

具体化する質問というのは、「何を?」「いつまで?」「どんな形で?」「どの程度まで?」と焦点をしぼった質問のことです。

「将来はどうしたい?」→「どういう人になりたい?」→「そのためにはどうする?」などと広い質問から始め、徐々に具体的なレベルに質問を落とし込んでいくと答えやすいでしょう。

日常を見直すチャンス

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子どもが行き渋ると、親としてもどうしたらよいのか戸惑ってしまいますよね。まずは、お子さんが自分の思いを態度なり、言葉で表現したことを受け止めてあげてください。

そして、自分の子どもとの関わり方や家庭環境を見直してみてください。自分だけが熱心になっていたのではないか、子どもは本当はどうしてほしかったのか。行き渋りは、子どもと向き合うチャンスだと考えてみてほしいです。

大人でも「うまくいかなかったこと」はたくさんあったと思います。それでも乗り越えられたのは、その問題から離れ他の居場所を見つけたり、仕事と割り切って頑張ったり、前に進む決断をしてきたからと言えるでしょう。

「うまくいかなかったこと」に対してのアプローチとしては、可能なことを肯定的に質問していくとよいでしょう。まずは、「意見を聞かせてほしい」と相談調にするのも効果的です。

相手を主語にして「なぜ」「どうして」を使って質問すると、「責められている」と感じさせてしまうので、注意が必要です。

参考文献:『叱るより聞くでうまくいくー子どもの心のコーチングー』和久田ミカ著、KADOKAWA、2016年

チャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

一児の母として、コーチングや心理学を子育てに応用する方法などを発信しています。年間180本ほど見る映画ファン。

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