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糖尿病っていったいどんな病気なの?【いまさら聞けない糖尿病について理学療法士が解説します】

ぴぴ田舎の民間病院で働く理学療法士

田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。

みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。

糖尿病ってどんな病気なの?

糖尿病と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

不摂生によるもの、太っている人に多い、などのイメージがあるのではないかなと思います。

糖尿病は、インスリンというホルモンがうまく働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。

インスリンは膵臓から出ているホルモンで、血糖を一定の範囲におさめる役割を担っています。

黄色い臓器が「膵臓(すいぞう)」です
黄色い臓器が「膵臓(すいぞう)」です

血糖の濃度(血糖値)が高い状態のまま過ごしていると、血管や膵臓がダメージを受けてしまいます。

将来的には心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、糖尿病とは一見無関係と思えるような病気につながることがあります。(糖尿病の慢性的な合併症)

あまりにも血糖値の高い状態が続くと、昏睡状態に陥ることもあります。(糖尿病の急性合併症)

糖尿病の主な原因

①インスリンの分泌量が少なくなる

最近では糖質カットや糖質ゼロといった食品も増えていますが、基本的には日常で食べるもののほとんどに糖質が含まれています。

身体に取り込まれた糖分は、インスリンというホルモンが働くことで細胞に取り込まれ、エネルギーへと変わります。細胞に取り込んでエネルギーにしていくことで、食後に一時的に上昇した血糖値が緩やかに下がるという仕組みとなっています。

ところが、インスリンの分泌量が少なくなると、うまく細胞へ糖分が取り込めなくなってしまい、血液の中で血糖の大渋滞が起きてしまいます。

これが「血糖値が高い」という状態です。

②肥満などが原因でインスリンが機能していない

運動不足で身体が消費する糖分・エネルギーの量が少ない、食べすぎで身体に取り込む糖分が多すぎるなどの理由で、膵臓からはしっかりとインスリンが分泌されていても、糖分の消費が追いつかない場合があります。(インスリンの仕事量に対して糖分の供給過多な状態)

糖分をエネルギーに変換していっても、糖分がありあまって血液中に残ってしまうと、こちらも「血糖値が高い」状態となります。

糖尿病の予備軍チェックリスト

絵に描いたような悪い例
絵に描いたような悪い例

  • 運動不足
  • 朝食を抜く、間食が多い、夕食が遅い、早食いである
  • きのこ類・海藻・野菜・果物の摂取が少ない
  • 喫煙者、禁煙して体重が増えた
  • アルコールを日本酒換算で平均1日2合以上飲んでいる
  • 体重が多い、最近体重が増えた
  • 高血圧症
  • 親兄弟(姉妹)が糖尿病

まとめ

今回は糖尿病とはどんな状態の病気なのか、糖尿病になる原因を解説し、糖尿病予備軍のチェックをしました。

インスリンというホルモンの働きがうまくいくかどうかがポイントであるということが伝わりましたでしょうか。

次回は糖尿病の種類について解説していこうと思います。

いつまでも健康でいられるように、食生活や運動習慣について見直す機会になるとうれしいです。

田舎の民間病院で働く理学療法士

地域の高齢者のリハビリや在宅復帰に関わり10年以上理学療法として勤務しています。リハビリ目線でのお役立ちTips、病気・怪我に関する情報を執筆していきます。田舎在住の二児のママです。

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