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乱暴な子には原因があった!保育士が教える「叱らずに暴力をなくすたった1つのポイント」

ぽん先生保育士

こんにちは!ぽん先生です。

「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、現在子育て世代を集めてオンライン講座を開いたり、育児に関する情報の発信を行ったりしている現役の保育士です。

今回はすぐに人を叩いたり蹴ったりする乱暴な子が、手を出さなくなる方法についてお話ししていきたいと思います。

うちの子は乱暴?

イヤな事があると友達や兄弟を叩いてしまう、なんて悩みを抱えている方は多いかと思います。

兄弟ゲンカで叩くならまだしも、

・保育園で友達のことを叩いているのではないか
・先生のことを叩いているのではないか

などと、日頃の様子によっては心配になってしまうこともあるでしょう。

友達にケガをさせては大変だと思って「やめなさい!」と厳しく叱っても、全く収まらない。

それどころか、ますます乱暴が酷くなっている気がする。

これも多くの方が感じているのではないでしょうか。

ところが、叩くという乱暴な行動も、ある方法を使うことで少しずつ収めていくことができるのです。

その方法さえ知っていれば、子どもを厳しく叱ったり、周りの子をケガさせてしまわないかと悩んだりする必要もなくなりますよ。

一体どんな方法があるのでしょうか。

やってみよう!

子どもが相手を叩かなくなる方法。

それは、手が出てしまった時に「何がしたいの?」と話しかけることです。

例えば、兄弟ゲンカで考えてみましょう。

お兄ちゃんの遊んでいたプラレールを弟が壊してしまったとします。

その時にお兄ちゃんが弟のことを叩いた、もしくは叩こうとしたとしますよね。

そんな時、いつもであれば「どうしてそんなことするの!?」と言いたくなってしまうもの。

しかし、その気持ちはぐっとこらえて、「何がしたいの?」と聞いてみてください。

すると、「どうしてそんなことするの!?」と聞いた時には「分かんない!!」と何も答えてくれなかったのに、「何がしたかったの?」と聞いた時には「壊すのイヤだったの!」と話してくれますよ。

それさえ分かれば、
「嫌なことはお話して教えてほしいな」
「次は壊れそうだったらママが助けに行くから教えてくれる?」

などのように、叱らずに次回の対策を伝えることができます。

どうして叩かなくなる?

一体なぜ「何がしたいの?」と聞くことで、叩くことがなくなっていくのでしょうか。

それは、「今の自分」に焦点を当てた質問だからです。

子どもの行動には必ず目的が存在します。

「何がしたいの?」と尋ねることで、何を目的として相手を叩いたのかを自覚することができるのです。

目的を知ることができれば、それを暴力的でない方法で解決するように導くことも出来ますね。

その一方で、「どうして」と尋ねるとそれは過去の話となります。

すると、子どもたちは答えられなくなってしまいます。

なぜなら、人間の行動の理由は無意識の中に隠れているからです。

だからこそ、原因を聞かれても本当に知らないので答えられません。

大切なのは「今の自分」を見つめる事であり、そのためには「何がしたいの?」という質問が有効なのです。

ポイントは「過去」でなく「今」

子どもたちに関する悩みは数多く存在しますが、それらを解決したいのであれば、常に「今」を見続けなくてはなりません。

例えば、転んで膝を擦りむいた子がいたとしましょう。

その子が大泣きしているのに、
「どこで転んだの?ここ?この段差?右足が引っかかっちゃったの!?」

なんて聞いたところで、泣き止みませんよね。

いつでも、「どうしたら?」を考える必要があります。

泣き止んでほしいのなら、
・絆創膏を貼る?
・冷やしたい?
・消毒したい?

なんて事を聞きますよね?

ところが、子どもが加害者の立場になった途端に、大人はつい「どうして?」と原因を探ってしまうのです。

でも、大切なのは「なぜ?」と原因を探ることではなく、「どうしたら?」と未来を見ていくこと。

それは、子どもが被害者でも加害者でも関係ないのです。

まとめ

今回はすぐに人を叩いたり蹴ったりする乱暴な子が、手を出さなくなる方法についてお話ししました。

子どもが相手を叩いてしまう時には、必ず目的があります。

その目的を引き出すためには、「どうして?」ではなく、「何がしたいの?」と話しかけてみてください。

そうすることで、その子が何を目的に相手を叩いていたのかを言葉にできると同時に、それを自覚することができます。

それさえ分かれば、後は乱暴でないやり方を提案してみましょう。

そうする事で、相手を叩いてしまうようなことは少しずつなくなっていくはずです。

子どもの問題行動を収めたい時には、必ず行動の「原因」ではなく「目的」を探すようにしてみてくださいね。

保育士

東京都で働く保育士。「少しでも楽しい子育てを!」をモットーに活動中。

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