Yahoo!ニュース

弟や妹をいじめる子には原因があった!保育士が教える「下の子を大切に思える1つのポイント」

ぽん先生保育士

こんにちは!ぽん先生です。

「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、現在子育て世代を集めてオンライン講座を開いたり、育児に関する情報の発信を行ったりしている現役の保育士です。

今回は弟や妹をいじめる子どもたちの原因とその対処方法についてお話ししていきたいと思います。

きょうだい喧嘩は当たり前?

きょうだい育児の大変さ。

それは、何と言ってもきょうだい喧嘩でしょう。

家事などで少し目を離せば、すぐに始まるきょうだい喧嘩。

上の子がちょっかいを出したりいじめたりすることをきっかけに、始まることが多いのではないでしょうか。

そのため、大抵怒られてしまうのは上の子です。

しかし、上の子ばかりを叱るのは良くないという話も聞きます。

とは言え、喧嘩の原因が上の子のちょっかいともなれば、まずは上の子を注意してしまいますよね。

ところが、上の子が弟や妹をいじめるのにはちゃんと理由があるのです。

それさえ知っていれば、「ちょっかい出すのはやめなさい!」「お兄ちゃんなんだから!」と上の子ばかり叱らなくて済みますよ。

一体どのような解決方法があるのでしょうか。

やってみよう!

弟や妹をいじめなくなる方法。

それは、上の子の得意を見つけることです。

しかし、これらは実際にいじめている場面で行うものではありません。

全く関係ない場面で日常的に行うのです。

例えば、お出かけ前に下の子の靴下を履かせていたとしましょう。

その時に「お兄さんなんだから自分で履いて当たり前だ」なんて思っていては、上の子はひねくれてしまいます。

「〇〇ちゃん(弟や妹)は一人で履けないけど、あなたは1人でやってくれるから助かるわ」と言葉にして伝えてみましょう。

このように、何もない日常の場面からその子が弟や妹と違ってできることや得意なことを言葉にして伝えることが良いのです。

どうして?

そもそも、なぜ子どもたちは下の子をいじめるのでしょうか。

それは、弟や妹の存在によって自分のことを見てもらえなくなるからです。

ある日突然下の子がやって来たことで、親からの関わりは半分になってしまいますよね。

いえ、それどころか赤ちゃんの方が手がかかるので、半分以下になってしまうでしょう。

これは子どもにとって非常に酷な話です。

大人で言えば、ある日突然夫が女性を連れて帰ってきて、「今までと同じように君のことを愛し続けるから、今日からこの女性とも仲良くしてあげてね」と言われているようなものです。

このくらいあり得ないようなことが子どもたちの周りには起こっているのです。

そのため、その状況に対して自分の方が強いということを力で持って誇示することで、優越感を得たり親から注目を集めたりしようとするのです。

しかし、それらが間違ったやり方であることは言うまでもないでしょう。

では正しいやり方は何かと言うと、弟や妹にはできない自分の得意なことを見せることで、親に対して自分をアピールする方法です。

そのためには、その子がどんなことを得意とし、何がその子の強みになるのかを気づいてもらうことが必要です。

だからこそ、それを言葉にして伝えるのです。

そうすることで、弟や妹を傷つける必要はなくなりますし、それによって親の関心を集めることができれば、弟や妹に対しても優しくなれるでしょう。

しかし、自分の得意をアピールしてきた際に大人が関心を持たないと、再び間違った方法へと戻ってしまうことは多くあります。

そのため、子どもの話や「見て!」には、常に関心を示すようにすることが大切なのです。

年齢で変わる"得意"

上の子が自分の力をアピールするためには、その子の得意を探すことが必要だと分かっていただけたかと思います。

ここで大切なのは、取り上げると良い子どもの得意な事は年齢によって少しずつ違うという点です。

例えば、先ほどの例では靴下が履けることを挙げました。

このように、3歳くらいまでであれば、個人の得意や不得意に左右されないような生活面のことについて話すと良いでしょう。

・オムツじゃなくて1人でトイレに行ける
・1人でこぼさずにご飯を食べられる
・一人でキレイに手が洗える

などのように、「自分の事を自分でやってくれて助かるよ」という"自立"の面を強調することでそれが力になります。

一方で、それ以上の年齢であれば、個人的に得意なことを取り上げると良いです。

・鉄棒で前回りや逆上がりができる
・補助輪なしの自転車に乗れる

など、その子の自信になることを探してみましょう。

しかし、いずれも子ども同士を比較するということではありません。

比べてしまうと、きょうだい喧嘩には原因があった!保育士が教える「きょうだいの仲を悪くするたった1つのNG行為」でご紹介したように、きょうだい喧嘩の原因となってしまいます。

そのため、その子の得意を見つけることで、自分が力を発揮できる場を作ってあげることが大切だと言えるでしょう。

まとめ

今回は弟や妹をいじめる子どもたちの原因とその対処方法についてお話ししました。

子どもたちが弟や妹のことをいじめる原因は、きょうだいが出来たことによって親からの関わりが減ってしまったことに対する子どもなりの対処方法です。

しかし、自分の方が強いということを力で持って誇示することで、優越感を得たり親から注目を集めたりしようとするのは間違ったやり方であり、下の子にはできない自分の得意を見つけることで、それを自分の力としてアピールできるようにすると良いでしょう。

そのためには、「〇〇ちゃん(弟や妹)は一人で履けないけど、あなたは1人でやってくれるから助かるわ」などのように、弟や妹には出来ないその子の得意なことを言葉にして伝えてみてください。

また、取り上げると良い得意なことは子どもの年齢によって少し違ってきます。

3歳くらいまでであれば、個人の得意や不得意に左右されないような生活面、それ以上の年齢であれば、個人的に得意なことを取り上げると良いでしょう。

いじめている場面での関わりではなく、日頃の関わり方を少し気にしてみてくださいね。

弟や妹のことをいじめる上の子に困っている方は、ぜひお試しください。

保育士

東京都で働く保育士。「少しでも楽しい子育てを!」をモットーに活動中。

ぽん先生の最近の記事