開店前から行列のお店

渡辺通りから路地を入ったところ。もう随分と第一線の人気が続く。カウンターのみ6席ほどのお店。開店前から行列ができる、博多の中華そばといえば寿限無だろう。落語とイラストが大好きな多彩な千葉大将が営むお店。落語から命名したという店名、そして関東風の純粋な中華そばを追及するスタンス。豚骨王国の福岡で、醤油ラーメンで勝負してもうどれくらい経つだろう。しっかりと、寿限無の中華そばは、福岡博多の地で根付いている。

これぞ本格中華そば

九州の醤油は甘い。だから、九州でいただく醤油ラーメンはまろやかさや甘さの風味を出すことも多い。だが寿限無は違う。キリっとキレのある味わい。どこか尖った感すら感じる醤油の味わい。もちろんベースの鶏ガラや野菜にもこだわりはあるが、この決め手の醤油の味わいが美味いのである。これが関東風を求めた中華そば。

塩味を感じる味わいこそが美味い。出汁のスープと醤油のバランスが絶妙。ノーマルの醤油らーめんでもこのボリューム。トッピングまで満載である。

スープのインパクトを感じながら、モチモチ太麺がまた味わいよく美味い。スープの存在感も、麺の存在感も感じる太麺が最高の相性。

ナルトに白ネギとほうれん草。どれも欠かせないトッピングなのだが。チャーシューがまた美味い。厚みがあるボリューミーなチャーシューは、柔らかくて味わいもよく美味い。

兎に角スープから麺からトッピングから、全てが相性よく絡む美味さ。

丼に隠れてしまっているが、小皿でいただく別売りの激辛キムチがまた美味い。白ご飯と一緒でも、らーめんに少し添えても絶品の味わい。

めんまらーめん

そもそもノーマルで十分に満足できるのだけれど、めんまを増量するめんまらーめんは美味い。めんまのシャキッと食感がとっても美味しい。このスープと麺とメンマの相性は最高。

めんまがたっぷりトッピングされると、また映える。もちろん、めんまにも味付けもあり、味と食感が良い具合に仕上げてあり、これがまた、らーめんによく馴染む。

麺とスープはもちろん、トッピングや別皿のキムチまで、隅々まで味のこだわりが感じられる。それぞれは繊細な味わいを持ちながら、あわさるとそれが豪快なインパクトに。そこがまた尖ったイメージを持たせてくれる美味い中華そばに。

深みある丼に、麺もスープもボリューム満点。お腹いっぱいに大満足できる一杯。

味もボリュームも、美味しく提供したという心構えと、サービス精神があふれる一杯。これを感じるからこそ、より美味いのかもしれない。

日本の歴史も感じるお店

落語が好きな千葉大将が壁面に飾るものは、日本の歴史そのものを感じる。中華そばというメニューの中に、日本人の心を、ふと感じることもある。やはりこれは、千葉大将の人柄があってこそだと思う。

純和風の店構えに、心意気を感じる。

愛もあふれる一杯を、ぜひ味わってみてはいかがでしょう。

中華そば 寿限無