伝説の七福亭

豚骨王国でもある博多で、ラーメンの有名店は数知れず。その中でもこのラーメンは指折りに入るほど美味い。どれだけご存じの方がいるだろうか。福岡大学の近く、片江の大きな通りから一本入った路地の一角。この歴史ある建物が、特に福大生を中心に地元民から絶大な人気を誇る「七福亭ラーメン」。福岡の、それも西区や城南区外の人たちには知らない人も多いのではないでしょうか。
まさに隠れた名店ですが、個人的にも大好きなラーメンです。お味も最高ですがこのご時世、600円台からいただける価格設定も非常にありがたいお店です。

店内のカウンター席。決して新しいお店ではないが、清潔感のあるのが良いですね。カウンターの向こうでは寡黙ながらも人柄の良さがにじみ出る大将がラーメンを作ります。

そんなに広くない店内ですが、テーブル席もあります。

煮卵キクラゲラーメン

これだけトッピングを増やしても100円くらいしか変わらない。なんとリーズナブルな。とんこつスープは口当たりが良く優しい。あっさり感がありながら飲みやすいスープ。その中にも感じる程よい塩味とこってり感。これがクセになる。

一口スープを飲む。決して濃くなく重くなく。でも、味わいとコクが深く染み渡る。これは別日の煮卵キクラゲラーメン。キクラゲたっぷりで煮卵はスープに隠れているが、この熱々並々のスープがまた美味しい。

やっぱり大将の人柄が味に反映されている。一歩引いたような低姿勢で、麺もスープも拘りを持っている。すごく優しい口調で少ない口数で注文をとる。そして穏やかに見送る。

もやしラーメン

このもやしたっぷりのトッピングのラーメンも美味しい。もやしでスープが薄くなる、なんて意見もあるが、それを感じさせない。それだけスープにしっかりした味わいがあるということ。優しくサラリとした豚骨に感じるが、コクもあり味わい深いスープ。

ネギ盛ラーメン

これはネギラーメンではありません。ネギが山盛りにトッピングされたネギ盛りラーメンです。ネギは新鮮でシャキシャキ。これだけで美味しい。優しいあっさりスープですが、ネギが混ざっても薄いとは全く感じない。やはり七福亭の独特のコクと旨味があるからこそ。

ネギの山の間から麺をいただく。スープに馴染み出したネギもまた美味い。

自家製だという麺もこだわりで、中細サイズでコシのある味わい良い麺。スープも良く絡んでバランスも抜群。
普通に博多で聞くと思う有名店とは全く別物、博多に点在する歴史あるラーメンの味わいを持ちながらも独特の味わい。これぞ博多ラーメンの真髄。

焼豚おにぎり

ラーメンにあわせていただきたいのが焼豚おにぎり。焼豚が散りばめられたおにぎりは、味わいも良しながらラーメンとの相性もバッチリ。

白ご飯もいいですよ。ふりかけもご希望に合わせてかけてくれます。これはゆかりですかね。ご飯も美味しいですよ。

そして辛子高菜は外せない。最近は有料にするお店が多い中、デフォにしているのはすごい。これがまた美味しいのですよ。

卓上には紅ショウガも。お店はお世辞にも綺麗とは言えない。でも歴史を感じられるレトロ感が良いじゃないですか。博多に旅行に来られた方には、有名どころではなく、こんな地元に愛されるラーメンを一度は食してほしい。

人気店というより知る人ぞ知る、そんなラーメン屋さんでしょうか。入ると、寡黙な職人の大将が出迎えてくれる。決して気難しい訳ではない。人柄の良さ、真っ直ぐさ、それが滲み出ています。
味もさることながら、コスパも大事なのが博多ラーメン。全国の方々にお知らせしたい。博多で名だたるラーメン屋さんは、このネット社会でいろいろと検索できるでしょう。しかし、それは間違いとは言いませんが、このような本物のラーメンに辿り着くことを願います。

七福亭ラーメン