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【どうする家康】では、徳川家康と瀬名の仲が良かったが、実際はどうだったのか??

歴ブロ歴史の探求者

徳川家康の正室として今川氏臣従時代から一緒にいるのが瀬名。

どうする家康では瀬名と呼ばれていますが、当時の史料などには瀬名とは書かれてはなく、一般的には築山殿や築山御前などと呼ばれています。

※関口氏純が瀬名氏を名乗っていた名残で瀬名姫と言われることもあるそうです

どうする家康では仲の良い夫婦で描かれていますが、実際の瀬名(築山殿)と家康の夫婦仲は悪いとされているため、二人の実際の仲について今回は探っていきます。

※以下、瀬名で統一。

桶狭間の戦いが二人の運命を変える

1540年頃※に今川氏の重臣・関口氏純の娘として生を受けました。※諸説あり

1557年に瀬名は松平元康※と結婚し、信康と亀姫を生むのですが二人の運命が大きく変わる事件が起こります。

※当時は松平元康ですが以下徳川家康で統一。

それが、桶狭間の戦いです。

戦いの混乱に乗じて岡崎で独立を果たした家康は、味方のはずの今川方からの軍事支援がないと判断すると、織田信長と手を組み三河国の平定に乗り出します。

織田との同盟に激怒した今川氏真は、瀬名の父・関口氏純を自害させます。

一方の瀬名とその子たちは、石川数正の説得で鵜殿氏長・氏次との人質トレードで駿府から家康のいる岡崎へ移り住むことになりました。しかし、家康の母・於代の方との相性が悪く岡崎城外の築山で生活をしていたようで入城はしていなかったようです。

しばらく岡崎城に入らないまま、ようやく入城できたのは信康が徳姫と結婚した3年後の1570年でした。

ちなみに、家康は浜松に移動していた事で入れ違いだった模様。

浜松に移る家康、岡崎に残る瀬名

三河を統一し今川氏を滅亡させた家康は、遠江の浜松に本拠地を移しましたが、瀬名は松平信康と一緒に岡崎に残りました。

浜松に移ってから家康は1573年の三方ヶ原の戦いなどの数々の戦を乗りこえました。

激戦を乗り越え気が抜けたのか、家康は1574年に女中だったお万を妊娠させてしまいます。

しかし、瀬名はお万が家康の子を妊娠する事を認めず、そのまま浜松城から追放します。

史料・柳営婦女伝叢には、この時にお万は瀬名に折檻されたと記されています。ただ、岡崎暮らしの瀬名が浜松のお万に折檻するのは成り立たない事から、創作と考えられています。

ドラマ19話の【お手付きしてどうする?】では、お万は折檻はされずにきれいにまとめられていました。

当時の正室は側室を選ぶ権限を持っており、妊娠・出産も正室が監視下に置いていました。どうする家康の10話でも側室選びに瀬名が中心となって選んでいたのは、こうした事が背景だと思われます。

家康との対立・信康事件の勃発

信康と徳姫の間には二人の姫が誕生します。

しかし、嫡男が生まれないことに不安を持った瀬名が、武田家から徳川家に帰参した家臣の娘を側室にする事にします。これがキッカケで瀬名と徳姫の折り合いが悪くなり、さらに信康夫婦の仲も悪くなりました。

1579年に徳姫は、瀬名と武田氏の内通や信康との夫婦仲の不良など12か条の書状を父・織田信長に提出。

これを見た信長は徳川家康に瀬名・信康の処刑を命じることに…

自身と信康の処分を聞いた瀬名は自害を拒んだことによって首をはねられ殺害され、信康は二俣城で自害したと三河物語に書かれています。

この築山・信康事件に謎がいっぱい

この事件のきっかけとも言える、瀬名と武田氏が内通していたと言う史料は見つかっておらず、瀬名の武田氏の内通疑惑は全くの冤罪である可能性が高いようです。

瀬名が処刑された理由には、信康の自刃を知った瀬名が錯乱しないように未然に消した説や徳姫と瀬名の確執に対する責任のためだったとも言われています。

また、松平信康の切腹は家康と信康の対立が原因とされる説が最近でています。

岡崎城内で信康を担ぎあげる勢力と家康派と割れ、粛清されたと言う説があります。

結婚当初は仲が良かった信康夫婦ですが、何らかの理由で不仲になったのは事実で、家康が夫婦仲の修復を試みたのではないかと思われる書状・日記などが見つかっています。

鷹狩の際に家康は信長にも信康夫婦の相談をしていたのだとか…

実際の家康と瀬名(築山殿)の夫婦仲はどうだったのか?

いくら、夫婦仲が悪かったとはいえ、結婚当初から悪かったとは考えられません。やはりキッカケは、家康独立時に父・関口氏純が自害したことだと思われます。

江戸時代初期に記された【当代記】では【自分の夫が裏切ったせいで父が切腹した事を強く恨んでいた】とされています。史料の信ぴょう性に疑問は残りますが、今川家への裏切りが二人の仲を悪くしても不思議ではありません。

追い打ちをかけるように、岡崎に戻っても城に入れず築山に押し込められた生活が続き、10年後に入城したかと思えば、入れ違いで家康が浜松に行ってしまう。この事から、1560年以降家康と瀬名はコミュニケーションをほぼ取っていない状態だったのではないでしょうか。

ドラマでは暇を見つけて築山に行ってますが、実際は10年以上も会っていなかった夫婦の仲が良いとは思えません。

こうした状況で浜松でお万妊娠事件ですから、瀬名もやってられませんよね?

家康の立場で言えば、正室とはうまくいってないし…なのでしょう。

ドラマでも瀬名が何か思う所があるような表情を見せたりもしますから、近いうちにブラック瀬名が出てくるのかもしれません。

第21話の【長篠を救え】冒頭の瀬名と千代の会話が少し気になりますが…

仲が良く描かれているだけに、通説通りに徳川家康が瀬名の処刑命令を出すのが想像もできません。

さて、今後の展開はどうなる家康?

歴史の探求者

歴史好きが講じて歴史ブログを運営して約10年。暗記教科であまり好きでないと言う人も少なくないはずです。楽しく分かりやすく歴史を紹介していければと思います。歴史好きはもちろんあまり好きではない人も楽しめるような内容をお届けします。

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