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ADHDの子と上手く話すための【コミュニケーションの秘訣3選】保育士ママがイラストでわかりやすく解説

【育児マンガ】夢かなえ保育士 介護福祉士

↓この記事の解説動画をご覧いただけます。

こんにちは、神経発達症の支援サポーター『夢 かなえ』です。わたしはADHD(注意欠如多動症)の兄弟を育てています。

ADHDの子は、年齢のわりに衝動的で落ちつきがなかったり、注意力が足りないなどの特性があり、日常生活のさまざまな場面で支障をきたします。

息子たちの幼少期は、特に『衝動性』と『多動性』が顕著に感じられました。

一瞬でも目を離せば迷子になり、入ってはいけない所に無断で入っていきます。

怒られても、意味が分からず、ぽかんとしています。

少しでも気に入らないことがあると、怒鳴り散らして、誰のいうことも聞かない…

今思い出しても、本当に育てにくい兄弟だったと思います。

そんな二人も、中学生になりました。

考えてみれば、今まで10年以上、ADHDの息子たちの(定型発達の子に比べれば、ちょっと変わった)特性に向き合ってきたことになります。

わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格も持っていますので、福祉現場での経験を思い出したり、多くの文献を読んで、自分なりに研究してきました。

そんな中で気づいた、ADHDの人とうまく話すためのコミュニケーションの秘訣を、今日はご紹介したいと思います!

1 簡単な言葉で、具体的に伝える

ADHDを含む神経発達症の人は、『普通』『もう少し早く』『適当に』などのあいまいな表現が、理解しにくいのです。

「もっと早くやりなさい!」といわれても、どれぐらい速くすればいいのか、わかりません。

考えているうちに、何度も急かされると、よけいに混乱してしまいます。

繰り返し叱られる経験が積み重なると「何をやっても、叱られる」「どうせ、うまくいかない」と、自信をなくしてしまいます。

解決のポイント

言葉をどの程度理解できるかは、年齢などで個人差はありますが、文章ではなく【単語で】伝えることを意識すると良いでしょう。

耳で聞いても理解できなかったり、短期記憶に支障がある場合もあるので、必要なキーワードを、メモに書いて渡すのも有効です。

言葉で伝えにくい内容なら、イラストに描いて示すのもいいですよ。

時刻を伝えるときには、「8時までに」ではなく、「長い針が12に行くまで」というように、視覚的に理解できる説明を心がけるといいでしょう。

2 困った時ほど冷静に、肯定的な言葉で伝えよう

多動性や衝動性の強いADHDの子は、つないだ手を振り離して、すぐに走り出し、どこかへ行ってしまいます。

そんな時は「走っちゃダメ!」「また迷子になるでしょ!」と、ついつい強く叱ってしまいます。

しかし、ADHDの子は、その場では反省したように見えても、『なぜ怒られたのか』を理解していないことが多いのです。

これでは、理由もわからないままに『また怒られた』という経験だけが残っていきます。

肝心なのは、叱責することよりも、『どうしたら良かったのか』を、相手に理解できる言葉で伝えることです。

解決のポイント

大きな声や、早口は逆効果です。

禁止や叱責ではなく【肯定的】な言葉で、感情的にならず【冷静に】伝えましょう。

「走っちゃダメ!」→「歩こうね」

「また迷子になる!」→「手を繋ごうね」

というふうに、文章を変換してみましょう。

3 ほめるポイントを探して、小さなことでも伝える

ADHDの人は、(人から見れば)自分勝手な行動をしたり、約束を忘れたり、いろんな場面で、人に迷惑をかけてしまいます。

叱られたり、誤解を受けることが日常的であるために、自信とやる気を失いがちです。

わが家の兄弟も、「どうせオレなんか…」が口ぐせでした。

解決のポイント

そんな子どもたちの、自信とやる気を向上させるためにしたことは

『大げさに褒める』

ことでした。

どんなに小さなことでも「出来たね!」と、一緒に喜びました。

すぐに効果は出ませんでしたが、中学生になる頃には「オレなんか」という言葉は、ほとんど聞かなくなりました。

小さなことでも、「できた!」「ほめられた」という成功体験を繰り返すことによって、少しずつ自信が生まれたのだと思います。

まとめ

子育て中には、どうしても子どもの悪い行動が目につき、ほめることなんて見つからない!と思ってしまいますね。

わかります。わたしもその一人でした!

でも、子どもたちが「朝起きて、夜寝るだけでも、はなまるOK!」と思えるようになってから、自分から出る言葉も変わりました。

「今日は自分からおはようと言えたね!嬉しいな」

「学校の準備、ばっちりだね」

「ハンカチ用意できて、スゴイじゃん!」

大げさでもいいので、どんどん褒めポイントを見つけて、子どもさんに伝えてください。

すぐに反応はなくても、きっと心の中で、自信と良い心のタネが育っていますよ。

保育士 介護福祉士

専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、発達障害の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。子育てに悩む方のために役立つ情報、専門性のあるケアの工夫を、一般の方にも分かりやすいマンガを通して発信していきます。

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