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ADHDの子のトラブルのない【お出かけの秘訣3選】保育士ママがイラストでわかりやすく解説

【育児マンガ】夢かなえ保育士 介護福祉士

↓この記事の解説動画をご覧いただけます。

こんにちは、発達症の支援サポーター『夢 かなえ』です。

わたしはADHD(注意欠如多動症)の兄弟を育てています。

長男が2歳の頃に発達の遅れを指摘されてから、10年以上が経ちました。

落ち着きのない二人の子を連れてお出かけすることは、今思い出しても、なかなか大変な体験でした。

わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持っています。

いろいろな文献を調べたり、福祉現場での経験を思い出したりしながら、その時々の悩みを解決してきました。

同じような悩みを持つ保護者の方に役立つ、ADHDの子のお出かけの時のポイント3選を、今日は紹介したいと思います。

1 事前にスケジュールを伝える

まず、これから『どこで、何をする』のか、できるだけわかりやすく簡単な言葉で伝えます。

途中で予定を変更することになったら、少しでも早めに伝えることも大事です。

ADHDの子は、行く先々であちこちに注意が移りがちです。

親の手を振り払って、興味のあるところへ走っていくのがいつもです。

そこで、あらかじめ『どこで、何をする』かを教えておくことで、興味の対象を絞ることができます。

たとえば、『レストランでオムライスを食べて』から、『スーパーでおやつを買う』と知らせておきます。

そうすれば、途中で気が散りそうになっても、二つの目標を思い出すことで、気をそらさずに行動することができます。

どうせ言っても分からないだろう、すぐに忘れるだろうなどと思わないでくださいね。

子どもたちにわかりやすいように、イラストを描いたカードを渡しておく方法もあります。

工夫次第で、ADHDの子どもたちも意外と素直に動いてくれますよ。

2 ルールを確認しておく

子どもでも、TPOに合わせた行動を取らなくてはいけないことがあります。

例えば病院。

普段行かない場所でテンションが上がってしまうかもしれませんね。

診察室の中に興味を持てば、呼ばれてもいないのに入っていくかもしれません。

大勢の人や場所に驚いて、急に走り出すかもしれません。

事前に、起こりそうなことを想定して、その場のルールを伝えておきましょう。

ADHDの子の中には、言葉では意味がわからなかったり、短期記憶の問題で、すぐに忘れてしまうこともあります。

走り出してから、

「はしっちゃだめだよ!「勝手にどこかへ行っちゃダメ!」

と、叫ぶよりも、

お出かけ前に、

「廊下では歩こうね」

「待合室で座るよ」

と具体的に伝えておきます。

先の項で紹介した、イラストを描いたカードも役立ちます。

「百聞は一見に如かず』

耳と目の両方で伝えることで、スッと理解できるでしょう。

3 手をつなぐ時間と離す時間をつくる

ADHDの子は、どこにでもパッと走り出してしまうので、どうしても強く手を握り続けることになります。

しかし親にとって、強く手をつなぎ続けるのは、長時間、気力も体力も使い続けるので大変です。

迷子や道路への飛び出しなどを考えれば、仕方のないことだと思いますが、ずっと手を離してもらえないと、子どもにもストレスがたまってしまいます。

外の道路を歩くとき、買い物をするときは【手をつなぐ】

公園や室内広場では【手を離す】

そんなルールを、お子さんと決めておくといいでしょう。

スーパーでは、カートのハンドルを一緒に持って、手伝ってもらうのもいいですよ。

長期的には【手を離しても安全に行動できるようになる】ことが目標です。

毎回少しずつ手を離す時間を増やす、スモールステップの手法で取り組んでいくと良いでしょう。

まとめ

ADHDの子は、気になる場所があれば『すぐに行きたい!』『もっと先まで行きたい!』と思っています。とてもエネルギッシュです。

親とすれば、何か、しでかさないかと、いつも心配です。

常に追いかけていると、疲れてしまいます。

「もっと、おとなしくしてほしい!」と思うのが、正直なところでしょう。

でもADHDの子たちは、人より好奇心旺盛で、新しい発見が大好きなんだと思います。

ためらわずに、すぐに動きだせるパワーを持っているのは、素晴らしいことではないでしょうか。

そのパワーの向かう方向を、わかりやすく示すだけで、親も子も安心して過ごすことができます。

今日の内容が、皆さんのこれからの行動のヒントになれば幸いです。

保育士 介護福祉士

専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、発達障害の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。子育てに悩む方のために役立つ情報、専門性のあるケアの工夫を、一般の方にも分かりやすいマンガを通して発信していきます。

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