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東海道新幹線・グリーン車のモバイルサービスで、コーヒーを注文してみた【乗車ルポ】

ロザンベール葉旅・グルメライタ―

昨年10月末、東海道新幹線の「のぞみ号」「ひかり号」で飲み物などを提供する車内ワゴン販売が終了しました。その後、グリーン車ではモバイルオーダーサービスで飲み物や軽食を注文できるという新サービスを開始。グリーン車に乗車した際、京都の老舗「イノダコーヒ」のドリップコーヒーを注文してみました。現在のグリーン車について、またドリンクの注文方法などをリポートします。

東海道新幹線グリーン車でモバイルオーダーサービスが開始

JR東海が2023年10月31日、1964年の新幹線開業以来60年近く続いてきた東海道新幹線「のぞみ号」「ひかり号」でのドリンクや軽食を提供する車内ワゴン販売が終了。このニュースは、まだわりと記憶に新しいのではないかと思います。

筆者は頻繁に利用していたわけではありませんが、なんとなく寂しい気がしていました。そんなところに、グリーン車ではモバイルオーダーサービスで飲み物や軽食を注文すれば、パーサーが届けてくれる(こだまを除く、東京駅~新大阪駅間)という新サービスがはじまったとの情報を入手。

最近グリーン車に乗車する機会があったので、京都の名店「イノダコーヒ」のコーヒーを注文してみました。グリーン車を利用する層に向けて、上質なコーヒーをセレクトされたようです。

QRコードをスキャンし、画面に沿って注文

まずは座席前のポケットに入っている「グリーン車利用のお客さまへ おもてなしのご案内」の「飲食の利用をご希望のお客さまへ」から、QRコードをスマートフォンでスキャン。

「飲み物」か「軽食」を選びます。

今回は京都の老舗「イノダコーヒ」の「ホットコーヒー」(400円・税込)を選びます。

「コーヒーのオプション」から必要なものにチェックを入れます。そして「カートに入れる」をクリック。

支払い方法、乗車している列車番号、座席番号、降車する駅を入力して終了。焦らずに自分のペースでゆっくりと選べるのがいいですね。

注文後5分以内にコーヒーが到着。仕事が速やかです。女性パーサーが私のために届けて下さいました。飲み終えた後のためにビニールのゴミ袋まで付いています。

注文したものが届いた際、現金または交通系ICカード(一部利用できない交通系ICカードあり)で支払います。

以前は「グリーン車に乗っても座席が多少座りやすいのと車内誌がある程度で、普通車とさほどサービスは変わらないな。価格のわりに、有名人でもない限りグリーン車に乗るメリットはあまりないかも……。」などと思っていましたが、今回コーヒーを注文してみて、サービスがグレードアップしたのを実感。まるでカフェかレストランでのように、自分のためにコーヒーを運んでいただけるとは、贅沢な経験でした。

今回、グリーン車でのみモバイルオーダーサービスを開始したということは、さらに普通車との差別化を図ったということなのでしょう。

ほかのドリンクは、水、オレンジジュース、ビールやウィスキー、チューハイもあります。

軽食は、かたさで知られているという「スジャータ」のアイスクリーム、おつまみ、チップスターなど。そして、今気が付きましたが、なんと! 東京・世田谷の尾山台にあるパティスリーの名店中の名店「オーボンビュータン」のプティフールセック720円(税込)もあったとは!

世田谷の本店にはなかなか行けないし、日本橋髙島屋店でも早々に売り切れてしまうので、これをグリーン車で楽しめるとはJR東海の粋なはからい。希少なので注文しなかったことを悔やんでいます……。

ともあれ、京都在住の筆者は時々「イノダコーヒ」には立ち寄りますが、お味はどうなのでしょうか。お店では京都スタイルであらかじめ「ミルクと砂糖」を入れたものを注文するので、ブラックでの味の違いが今ひとつわからなかったのです。でもドリップコーヒーですし、香り高く上質なのはわかりました。

「イノダコーヒ」のコーヒーと「オーボンビュータン」のプティフールセックは、グリーン車で富士山を眺めながら憩う上質なひと時にふさわしい豪華2点セットです。

「特製幕之内御膳」「ミックスサンド」などもあるので、ランチや小腹がすいた方にも重宝しますね。

■列車の運行状況や車両の都合により、サービスを実施しない場合があります。
■車内状況により、利用可能区間内でも受付を終了する場合があります。
■車内状況により伺うのに時間がかかる場合や伺えない場合があります。
■二次元コードでアクセスするページは列車ごとに異なるので、ブックマークはしないで下さい。

また、車内ワゴン販売でニーズの高かったドリップコーヒーやアイスクリームなどは、自動販売機のラインナップを増やし、「のぞみ」停車駅のホーム上などに順次拡充。筆者は自動販売機の存在には気付きませんでしたが、存在しているようです。普通車への乗車前にも購入しやすくなったのは嬉しいですね。

最新のグリーン車サービス

乗車したのは2024年の年明けでした。久しくグリーン車には乗っていなかったのですが、シートがだいぶ座りやすく贅沢になった感じがしました。

シート前のポケットに用意されている車内誌は「Wedge」「ひととき」なのは以前と変わらないかと思います。基本的にここでしか入手できない、読めないのは希少価値がありますよね。

そして、以前はなかった気がするおしぼりサービス。飛行機に乗っているような贅沢な気分を味わえます。人混みを抜けてやっと自分の席に落ち着いた後、おしぼりで手をふけるのは何しろ気持ちがいいですね。

足元にはフットレストがあり、ステップを好みの位置に調節できます。

そして、仕事や読書用のライトもあります。ひじかけの手前にはコンセントがあるので、仕事がはかどりそうです。

普段は普通車に乗り、お昼を食べた後にはたいてい寝て過ごす新幹線。今回のグリーン車では車内のサービス内容を確認し、お昼を食べて、コーヒーを味わい、少し読書をしたらあっという間に目的地に到着。気持ちのよいひと時を過ごさせていただきました。

東海道新幹線「のぞみ号」「ひかり号」のグリーン車に乗車する際は、ぜひ上質なコーヒーとお菓子などと共に憩いのひと時を過ごしてみて下さいね。

旅・グルメライタ―

横浜・東京で育ち、縁あって京都に在住。美術書出版社勤務を経てライター歴20年余り。京都を中心に、フランス人のパートナーと共に旅する、国内やフランス、イタリアなどの心ときめく旅情報を提供します。

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