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オートバイのあれこれ『宗一郎イズム!商用バイクの決定版・CD250』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今朝は『宗一郎イズム!商用バイクの決定版・CD250』をテーマにお話ししようと思います。

皆さんは、ホンダの『CD250』というオートバイをご存知でしょうか。

▲ホンダ『CD250』(1968/画像引用元:本田技研工業)
▲ホンダ『CD250』(1968/画像引用元:本田技研工業)

CD250は、1968年(昭和43年)に登場したビジネスバイクです。

日本ではオートバイがまだ“嗜好品”というより“生活の道具”だった60年代、ホンダは商用車(実用車)のラインナップとして『CD』シリーズを展開していました。

当時CDシリーズには『CD50』『CD65』『CD125』があり、このシリーズのフラッグシップとして『CD250』は作られます。

ベースとなっているのはスポーツモデル『CB250』で、CBの各部ディティールを実用重視にアレンジ。

▲こちらが『CB250』。ハンドル等がCDと異なる(画像引用元:本田技研工業)
▲こちらが『CB250』。ハンドル等がCDと異なる(画像引用元:本田技研工業)

姿勢がラクなアップハンドル、靴が傷まないロータリーミッション、発進加速を優先したギヤレシオ等に加え、防汚性を考慮したフルチェーンカバー、末端の広がったフロントフェンダー、より長いリヤフェンダーなどが採用されていました。

そしてCD250で注目したいのが、日常生活での利便性を追求する一方、その気になれば140km/h程度まで加速できたということ。

この高速性能は、他のCDでは特に追求されていなかったものでした。

これは推測になりますが、CDシリーズにこのCD250が追加されたのは、おそらくホンダが高速巡行可能なCDもラインナップしておきたかったからでしょう。

というのも、実はCD250が発売される3ヶ月ほど前(1968年4月)に東名高速道路が開通しており、ホンダは来るべきハイウェイ時代に備え、あらかじめ高速巡行できるCDを用意しておこうと考えたのではないか、ということです。

▲バイクをテストランする宗一郎氏
▲バイクをテストランする宗一郎氏

もともと本田宗一郎氏は、町の人々の移動を便利にするためにオートバイ生産を始めました。

その発想をダイレクトに担ったCDシリーズにとって、ハイウェイ時代にも対応することはまさに使命。

その使命を考えると、このCD250を作るというのは、ある種ホンダにとって“責務”だったのかもしれません。

▲CD250は、ハイウェイ対応型の実用マシンだった
▲CD250は、ハイウェイ対応型の実用マシンだった

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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