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オートバイのあれこれ『イタリアの跳ね馬を追い抜け!ZZR1100』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今宵は『イタリアの跳ね馬を追い抜け!ZZR1100』をテーマにお話ししようと思います。

90年代から2000年代初め頃にかけて盛り上がった最高速ブーム。

スズキのハヤブサ(GSX1300R Hayabusa)や、ホンダのブラックバード(CBR1100XX Super Blackbird)等がスポットライトを浴びた時代ですね。

このブームに火をつけたのが、カワサキ『ZZR1100』でした。

▲ZZR1100(1990/画像引用元:川崎重工)
▲ZZR1100(1990/画像引用元:川崎重工)

最高出力147ps&トップスピード280km/hオーバーのパフォーマンスを備えて1990年(平成2年)にデビューしたZZR1100は、当時の世界中のバイクファンたちを大いに驚かせました。

このZZRの開発では“300km/h超え”がテーマとして掲げられたわけですが、そのプロセスにおいて指標のひとつとなったのがフェラーリの『F40』でした。

▲フェラーリ・F40(1987/画像引用元:Ferrari)
▲フェラーリ・F40(1987/画像引用元:Ferrari)

F40は320km/hオーバー(公称値)のスピードを出せる当時世界最速の市販車と言われており、カワサキはZZRでこのF40に勝つことを目指したのです。

結果的にZZRはトップスピードではF40を凌駕することはできませんでしたが、「0-1000m」(静止状態からの1000m加速対決)においてはF40の20秒台を優に上回る18秒台を記録。

加速力で見事F40を破り、世界トップクラスの実力があることを世界へ示すことに成功したのでした。

V型8気筒のツインターボエンジンを搭載した約480ps&新車価格約4,500万円のスーパーカーに、シグナルGP(信号ダッシュ)で勝てるZZR1100。

「加速はフェラーリよりエエんやで!」

日本人として誇らしい気分になれるオートバイだったと言えるでしょう。

▲オートバイの可能性を大きく切り拓いた(画像引用元:川崎重工)
▲オートバイの可能性を大きく切り拓いた(画像引用元:川崎重工)

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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