オートバイのあれこれ『Ninjaの血が流れるドラッグマシン。』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今宵は『Ninjaの血が流れるドラッグマシン。』をテーマにお話ししようと思います。
1985年(昭和60年)、ヤマハがドラッグレース車両のようなキャラクターの『VMAX』をリリースし、世間を大いに賑わせたわけですが、実はカワサキもこの年にVMAXと似たテイストのモデルを世に放っていました。
『エリミネーター900』。
今「エリミネーター」と聞くと、最近発売された400ccのカジュアルな『エリミネーター』を想起するかもしれませんが、これの祖先にあたるのがエリミネーター900です。
エリミネーター900のイチバンの見どころはエンジン。
なんと、「900ニンジャ」こと『GPz900R』の水冷4気筒エンジンが搭載されていました!
ニンジャは当時世界最速のオートバイでしたが、それと同じ心臓部が使われていたということです。
さらに、ただそのままニンジャから転用したのではなく、エリミネーターへ積むにあたって加速重視のセッティングに仕立て直されていました。
このアレンジによって、ゼロ発進における加速力はエリミネーターがニンジャを凌駕。
世界最速のオートバイをも、スタートダッシュでチギッちゃうバイクだったのです。
エリミネーター900の加速は、VMAXにも引けを取らないレベルでドラッグマシン的だったといっていいでしょう。
ただ、このようにポテンシャルとしては並々ならぬものを持っていたエリミネーター900でしたが、当時はやはり斬新さで上回るVMAXのほうに注目が集まってしまい、エリミネーターは残念ながらVMAXの陰に隠れる形でマイナーな存在のまま消えていってしまいました。