Yahoo!ニュース

オートバイのあれこれ『これぞ硬派カワサキ!Z1000Mk.Ⅱ』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『これぞ硬派カワサキ!Z1000Mk.Ⅱ』をテーマにお話ししようと思います。

Z1(900SUPER4)をリリースして以降、ビッグバイク戦線でトップの座に君臨したカワサキ。

▲900SUPER4(Z1)〈1972〉
▲900SUPER4(Z1)〈1972〉

Z1はホンダCBをも凌駕するスペックを備え、世界中で大人気モデルとなったわけですが、ライバルメーカーが年を追うごとに高性能なオートバイを繰り出してくるなかにあって、次第にカワサキもZ1の栄光に頼り続けることができなくなってきました。

もちろんカワサキも、毎年のようにZ1のアップデート(モデルチェンジ)を行ってはいたものの、見た目が初期の頃からあまり変わらず、Zは世間的に新鮮味が損なわれつつあったのです。

▲Z1の後継・Z1000〈1977/画像引用元:川崎重工〉
▲Z1の後継・Z1000〈1977/画像引用元:川崎重工〉

そのようななかカワサキが打ち出したのが、Zの大幅なイメージチェンジ。

内容はズバリ、Z1の頃から受け継いできた曲線基調のデザインとは正反対をいく、直線的なシルエットの採用でした。

1977年(昭和52年)に登場したZ1の後継モデル『Z1000』をベースに、角ばった外装パーツを装着。

合わせて、クランクシャフトの改良や点火方式の変更(ポイント式→トランジスタ式)等エンジンの熟成、フレームの剛性強化も実施して、1979年ついに『Z1000Mk.Ⅱ』がリリースされました。

▲Z1000Mk.Ⅱ〈1979/画像引用元:川崎重工〉
▲Z1000Mk.Ⅱ〈1979/画像引用元:川崎重工〉

ピークパワーが前年モデルのZ1000から10psもアップするなど、スペック上も大きな進化を遂げていたZ1000Mk.Ⅱでしたが、やはりそのルックスの変貌ぶりが最もインパクトが強く、Z1000Mk.Ⅱはその強烈な個性でもって多くのカワサキファンを魅了し、また新たなカワサキファンを生むこととなりました。

最近ではもうあまり聞きませんが、カワサキはよく「漢カワサキ」だとか「武骨なカワサキ」というふうに言われてきました。

このイメージの発端について正確なことは分からないものの、私個人の推測としては、このZ1000Mk.ⅡやZ1-Rといった角形デザインのモデルがそうしたイメージを育んだのではないかと考えています。

▲Z1-R〈1978/画像引用元:川崎重工〉
▲Z1-R〈1978/画像引用元:川崎重工〉

他のメーカーではまず見られない、あらゆる部分が角ばったシルエットは、まさしく男性的。

よくヤマハのオートバイが「女性的なデザイン」などというように言われますが、Z1000Mk.Ⅱ等の角Zモデルはそれと対極をなす存在のように思います。

「硬派カワサキ」の表現がしっくりくる、そんなバイクの一つといえるでしょう。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

Rotti.の最近の記事