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オートバイのあれこれ『カワサキは元々、赤かった!』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

今日は『カワサキは元々、赤かった!』をテーマにお話ししようと思います。

カワサキのイメージカラーと言えば、ライムグリーン

▲カワサキといえば、この色!〈Z1000R/画像引用元:川崎重工〉
▲カワサキといえば、この色!〈Z1000R/画像引用元:川崎重工〉

今、これに異論を唱えるバイクファンはほとんどいないでしょう。

しかし、カワサキがオートバイ製造の草創期からライムグリーンを使っていたかというと、そうではありません。

ライムグリーンを用いるより前のカワサキは、赤色をメーカーカラーにしていました

今回は、そんな“カワサキが赤かった頃”に活躍した、カワサキのレーシングマシンを一つご紹介しましょう。

125 B8M』!

▲カワサキ初のモトクロッサー・B8M〈1963/画像引用元:川崎重工〉
▲カワサキ初のモトクロッサー・B8M〈1963/画像引用元:川崎重工〉

B8Mは、1963年(昭和38年)に登場したモトクロッサー(オフロードレーサー)です。

125ccの実用向け市販車『B8』をベースに、オフロードに適した改造を施して作られたマシンになります。

燃料タンクが赤色に塗装されていたことから、B8Mはニックネームのような感じで「赤タンク」と呼ばれていました。

▲赤色の燃料タンクが“カワサキ車の証”だった
▲赤色の燃料タンクが“カワサキ車の証”だった

1963年、カワサキの本拠地でもある兵庫県明石市から北へ40kmほど行った場所にある青野ヶ原にて、MFJ(日本モーターサイクル協会)主催の第1回モトクロスレースが開かれたのですが、カワサキはこのレースにB8Mで参戦し大健闘。

なんと、125ccクラスの1位から6位までをB8M勢が独占したのです。

上位を「赤タンク」が占めたことにより、《カワサキ=赤色》のイメージはより強固なものとなりました。

▲B8Mは、二輪事業草創期のカワサキを救った存在だった
▲B8Mは、二輪事業草創期のカワサキを救った存在だった

実はこの頃、カワサキ(当時は川崎航空機工業)の二輪事業は業績が低迷しており、社内では二輪事業の廃止もささやかれていたのですが、このレースでの「赤タンク」の大活躍によってカワサキのオートバイの売上が一気に回復し、カワサキは二輪事業を止めずに済んだのでした。

B8Mがレースで奮わず、カワサキの二輪事業がそのまま消えていたかもしれない(=ライムグリーンのカワサキも無かったかもしれない)ことを考えると、B8Mはカワサキの歴史をなんとか繋ぎ止めた救世主のような存在だったといえるでしょう。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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