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オートバイのあれこれ『史上初の、クウォーターマルチ。』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『史上初の、クウォーターマルチ。』をテーマにお話ししようと思います。

2020年にカワサキから『ZX-25R』が登場し、最近ホットなトピックとなっているクウォーターマルチ(=250ccの4気筒)エンジン。

▲「もう過去のもの」と思われていた250cc4気筒が、ZX-25Rで復活した〈2023/画像引用元:川崎重工〉
▲「もう過去のもの」と思われていた250cc4気筒が、ZX-25Rで復活した〈2023/画像引用元:川崎重工〉

80年代後半にはヤマハ『FZR250』やスズキ『GSX-R250』等、また90年代においてはホンダ『ホーネット』やカワサキ『バリオス』等に搭載され、クウォーターマルチはポピュラーな存在でしたね。

そんなクウォーターマルチエンジンを搭載した最初の市販車が、スズキの『GS250FW』でした。

▲GS250FW〈1983/画像引用元:スズキ〉
▲GS250FW〈1983/画像引用元:スズキ〉

250ccの水冷4気筒2バルブDOHCエンジンを搭載していたGS250FWは、「ついに4気筒が250ccクラスにもやって来た!」ということで話題を呼びました。

しかしながら、GS250FWがデビューした1983年(昭和58年)、スズキは2ストレプリカモデルの『RG250ガンマ』もリリースしていて、ロードレースの人気が高まるなか、世間の関心はガンマのほうへ集中してしまいます。

250ccという小さなエンジンに、4つのピストンとツインカム、そして水冷システムを詰め込んだGS250FWは当時としては十分ハイテクなオートバイだったものの、さすがに当時のレーサーレプリカ人気には抗うことができず、2年ほどで後継モデルの『GF250』へバトンを継ぐ形で消えていったのでした。

▲市販車初だった250ccの4気筒エンジン
▲市販車初だった250ccの4気筒エンジン

ただ、このGS250FWが当時のバイクシーンに刺激を与えたのもまた事実で、ヤマハは85年に同じ4気筒エンジンを搭載した『FZ250フェーザー』を、ホンダは86年に『CBR250FOUR』をそれぞれリリース。

▲FZ250 PHAZER〈1985/画像引用元:ヤマハ発動機〉
▲FZ250 PHAZER〈1985/画像引用元:ヤマハ発動機〉

以降は250ccクラスにおいても4気筒モデルが定着し、やがてレプリカブームに伴うクウォーターマルチ合戦へと繋がっていくのでした。

GS250FW自体はメジャーな存在にはなれませんでしたが、クウォーターマルチの先駆けとなったという点では、決して見過ごすことのできない1台だと言えるでしょう。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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