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オートバイのあれこれ『レース由来の空冷Z。』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『レース由来の空冷Z。』をテーマにお話ししようと思います。

数ある絶版バイク・旧車バイクの中でも、トップクラスの人気を誇るカワサキ・空冷Zシリーズ。

1972年登場の『900SUPER4』(Z1)に始まり、『Z1000Mk.Ⅱ』、『GPz1100』、中型クラスでは『Z400FX』などなど、いろいろなZが現れてきたわけですが、そのシリーズにおいて唯一、レーサーレプリカ的な出自を持つZがありました。

Z1000R』です。

▲Z1000R〈1982〉
▲Z1000R〈1982〉

Z1000Rは、アメリカ人レーサーのエディ・ローソン氏がレース仕様の『Z1000J』でAMAスーパーバイク選手権(ロードレース全米選手権)のチャンピオンを獲得し、それを記念して作られたモデルになります。

ローソン氏が乗っていたマシンがモチーフなので、今もZ1000Rは「ローソンレプリカ」なんて呼ばれていますね。

▲レース仕様のZ1000Jを駆るエディ・ローソン
▲レース仕様のZ1000Jを駆るエディ・ローソン

そんなZ1000Rのディテールをひと言で説明するなら、「Z1000Jの特別仕様車」という表現になります。

すなわち、Z1000Jをベースにレーシングマシン風のアレンジが加えられているということ。

▲Z1000J〈1981/画像引用元:川崎重工〉
▲Z1000J〈1981/画像引用元:川崎重工〉

▲Z1000R〈1982/画像引用元:川崎重工〉
▲Z1000R〈1982/画像引用元:川崎重工〉

ビキニカウルが付いていたり、車体が鮮やかなライムグリーンに塗られていたりと、見かけ上はZ1000Jと全く異なりますが、その実、エンジンやフレームといった根幹の部分はZ1000Jからほとんど変わっていません。

Z1000Rならではの特徴としては、カーカー製の集合管マフラー、リザーバータンク付きのリヤショックユニット、段付きのシートなどが挙げられます。

▲こちらはZ1000Jレーサーのホモロゲーションモデル・Z1000S
▲こちらはZ1000Jレーサーのホモロゲーションモデル・Z1000S

ちなみに、ローソン氏は1981年に続き82年もZ1000Jレーサーを駆ってAMAの王者となり、カワサキもそれに応じて二作目のZ1000R(Z1000R2)を製作しました。

しかし、このR2が発売された83年はローソン氏がすでにカワサキからヤマハへ移籍していたことから、R2に関しては「ローソンレプリカ」ではなく、「スーパーバイクレプリカ」と呼ばれました。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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